201528

運営委員会 作成 

 

「視聴者の皆様と語る会~NHK経営委員とともに~」

における質疑抜粋(籾井会長の言動等をめぐるやりとり)

20141月以降開催分)

 

 

2014419日 佐賀県

 

【会場参加者】
 そういうことであれば、辞表を集める必要はないと思う。確かに乱用なんかしないとそこは信じているが、なぜ集める必要がないような辞表を集められるのかと。素朴な疑問として不思議に思う。

(石原委員)
  籾井会長の発言についてどう考えるのかという質問がもう一つございました。私ども経営委員会としては、籾井会長の発言、これは、やはりいろいろな複数の考 え方がある問題について、公共放送のトップとして、公の場でそういう話をしたというのは、これはトップとしての自身の立場を軽んじた行為であると言わざる を得ないということで、籾井会長に注意しました。籾井会長からは、国会でも反省の言葉が何回もございました。そして、放送法に明記されている公平・公正、 不偏不党を順守すると明言がありました。会長以下、職員が一丸となって事態の収拾に当たるということを私どもとしては信じているわけでございます。籾井会 長からは、さらに国民、視聴者のみなさま方にも改めて説明しますという話もあり、その一つとして、4月1311時 からNHKで放送に出演されました。ご覧になった方もいらっしゃると思います。これからも仕事上において公平・公正だということをきちんと国民の皆さん方 に見せていくという努力を可能な限りしていくことによって、国民の信頼を取り戻していただくということだと思っております。

 

【会場参加者】
  情けないと思うのは、NHKのこの「語る会」がこういう場であっていいのかということ、副会長、理事、残念にお思いではないか。こういうふうな行脚をされ て、地方を回るときにほとんど籾井会長の話が出てくるのは非常に残念と思わないかと、私は気の毒に思う。部外から入られた会長は、福地さん、松本さん、と 3代続きだが、いろいろな方がいる。辞表については福地会長もとられていたということを雑誌で読んでいる。いろいろな方がいらっしゃると思うが、記者会見 での質問で自分のことを言ってしまった。これは不謹慎だと思う。石原委員から注意をしたという話があったがこんなことをしているNHKは情けないと思う。 もう少しNHK、ちゃんとしてと言いたいのが本音。この「視聴者のみなさまと語る会」というものが、籾井会長の発言の言訳をして回るような会だったら、こ れは本当、情けないと思う。国会でもこの1カ月、2カ月間、相当な給料をもらっている方が、こうした対応に追われていることについては理事、副会長も恐ら く忸怩たるものがあると思う。悪口を言うわけではないが、もっと早くけじめをつけて、本来のNHKの姿に戻し、こういう行脚をしなくてすむようにしてほし い。籾井さんは九州の出身ということで、非常に心で応援していた。福地会長も小倉の人で、九州から会長が出るということで頑張れ籾井という気持ちだった。 こういう「語る会」にならいように、NHKにしっかり頑張ってもらいたい。

 

(石原委員)
  政治との距離感の話、これは本当にもっともでございまして、いろいろな考え方の国民がいるんですから、NHKは公共放送として、公平・公正、不偏不党でな ければならない。そして、日本は法治国家ですから、放送法に基づき放送の不偏不党、自律、表現の自由を確保する。それをやり切らなければだめだということ です。その結果、国民の皆様方にNHKに対する信頼を持っていただき、受信料をきちっと払っていただく。経営委員会は、会長以下の執行部が、そうした業務執行を行うよう、監視、監督するという考え方のもとにできているのだと思います。 一般的に特殊法人の長などは、国会の同意なり、閣議での了解を経て任命することになっています。例えば公共企業体であった国鉄の総裁並びに役員は、国会や 内閣の承認を得ていたわけです。人事はガバナンスの最大の要件ですから、NHKには中立性を保つために経営委員会があります。経営委員会で議論し、所定の 手続きを経て、会長を選出する。この段取りも半年ぐらい前から始めて、12
月 の下旬には、籾井さんを指名したわけです。本来、そこには政治の介入というのはないんです。ただ、経営委員の選任については、衆参両議院の承認を得て、内 閣総理大臣が任命する。ここに政治の話があるわけですけれども、NHKという特殊な法人が、国民との接点をどこでとるのかということになると、国民の代表 である国会が何らかの形で関与する必要があると思います。そういう点では予算も同様です。NHK予算は、国会で、総務委員会で審議し、衆参両院の決議を得 て成立します。これはやはり民主主義として国民のコントロールがそこにあるんだという理解をしています。ですから、全く政治と無縁ということにはなりませ んが、NHKは自分の存立をかけて、公平・公正、不偏不党を守る。国民に理解いただく。そういう努力をずっとし続けるということが大切なのだと思っていま す。

 

(美馬委員)
  私自身もそうですけれども、何か事件、事故、災害等があるとつけるのは、まずNHKですよね。皆さんも同じだと思います。それはやはり、私も含めて、みな さん、NHKのつくる番組を信じているからだと思います。NHKの役割というのは、いろいろな番組、ドラマもありますけれども、やはりまずは一番、ジャー ナリズムということだと思うんですね。それが政府から自立して機能しているということだと思います。一般的にジャーナリズムの機能というのは大きく 二つあると言われています。1つは、権力を監視・監督する、批判的な機能を常に持っていること。2番目は、アジェンダ機能と言われますけれども、社会が今 取り組むべき課題、論点など、いろいろな見方を明らかにして、社会の中で議論ができるようにしていくこと。ですから、先ほど言われたいろいろな会 長発言にもあったような問題は、きちんと番組として、いろいろな争点があるんだ、見方があるんだということを示し、そこで私も含めて視聴者が考えていける ような状態にしていく。そのことがジャーナリズムの機能であるし、そういった精神を持った記者の方たち、番組をつくっていく方たちがたくさんいます。 NHK職員のほとんど皆さんそういう気持ちでつくっておりますので、そこのところは政府から自立したジャーナリズム機能を持っているというところを信じて いただければと思います。ぜひ皆さんのご支援もお願いしたいと思います。

 

【会場参加者】
 籾井会長の件で意見がいろいろ出ているが、私たちにはリコールする権利というのはないのだろうか?それを聞きたい

 

(石原委員)

 <前略>

 それから、籾井さんのリコールの話がありました。会長のリコールシステムはありません。会長を罷免できるのは、放送法第55条にある通り経営委員会だけが会長を罷免できます。その罷免することについては、経営委員会は罷免の理由をはっきりさせなければなりません。籾井会長は、放送法を守って公共のための放送をこれからやっていきますということを再三明言していますので、籾井会長に私どもは頑張っていただきたいと。経営委員会はしっかりと監視とか監督をやっていくということでご理解をいただきたいと思います

 

【会場参加者】
  会長問題と放送の偏向、その2点について聞きたい。<中略> 私たち、NHK関係者あたりから聞いた話によると、福地会長の就任時はやや、みんな民間から 来られるということで、いろんな危惧というのがあったやに聞いているが、非常に現場主義な形で信頼を高めて、特に受信料を収納する現場あたりに足を運ん で、本当に職員の信頼を得て、それが一つの活性化につながったというふうに聞いている。そういう信頼が積み重なった状況の中で、今回の籾井会長のやはり不見識な発言、これは放送人としての適性を欠くような発言があったと思う。そういうことに対して、今後どうやって信頼を回復していくのか。特に、先ほど受信料の問題が出てきたが、どちらかというと払いたくない、いわゆる積極的に払いたいという人よりも、消極的な人が多いと思うので、そういう人たちに口実を与えるようなことをNHKトップが今回はやったということについて、先ほど石原委員から、「安心してください」という話があったが、また何かやりかねないのではないかという感じを我々としては持っている。個人的な発言と言っても、その人の思想性だと思うので、そうした思想性が経営にいつかは出てくるのではないか、可能性がないのか。どういう根拠で、堂元副会長も「安心してください」と言われるのか、非常に危惧をしている。特に、支えてもらいたい理事たちにいきなり辞表を出させるなど、いわゆる信頼関係をそぐような行動をしたということについては、これは非常に問題だと思います。

 <以下、省略>
 

(石原委員)
 籾 井会長は、反省して謝罪しています。そして会長は、放送法の公平・公正、不偏不党を踏まえて、職員・役員一丸となって努力するということを再三言っていま すので、我々経営委員会としては、そこのところを信頼して、会長を監視・監督していく。そして、私は籾井会長はしっかりとやってくれると思っています。視 聴者の皆様もNHKをよく見ていていただきたいと思うわけでございます

 

 

2014524日 青森

 

【会場参加者】
 最近NHKの会長の発言が、マスコミ等ニュースで取り上げられている。413日の番組でも会長からの発表があった。この413日の番組の中では大変心配をかけているという言い回しだったが、心配というより迷惑をかけている。放送が公平・公正であるべきだということからは相当外れた発言、認識だった。それに対する経営委員の捉え方も新聞などを見ると甘い。
 理事が会長から辞表をとられたという報道もあった。こういうことが、今の時代にまだあるのか、NHKという世界に雄たる機関の姿なのか。いまこれらは修正、改善されているのか。

 

(上田委員)
 会長の件に関しまして頂戴したご質問に対して、私からお答えさせていただきたいと思います。みなさま御存じのように、125日に籾井会長が就任されたのですが、1月 の就任会見の時点で、いわゆる議論が複数ある事項、いろいろな意見があることに関しまして、個人的な見解を述べられてしまったということで、これが公共放 送のトップとしての立場を軽んじた行為であり不適切だということで、問題の発端になったわけであります。それ以降も、経営委員会等におきまして若干誤解を 招くような発言を行われたということがありまして、経営委員会としては経営委員会の総意として委員長を通じて籾井会長に対しまして、2度にわたり注意を喚起したということがあります。いわゆる会長のご発言等に関して遺憾であると。一刻も早い事態の収拾に向けてみずからの責任を自覚していただいて行動していただきたいということを申し入れしたわけです。
 ご質問にありましたように、籾井会長はそういったことや、国会でNHKの予算が331日に承認されたことも踏まえまして、予算の審議が行われている段階は非常に微妙な時期でありましたので、できるだけ速やかにご自分の言葉でご迷惑をおかけした国民、視聴者のみなさまにおわびしたいということで、413
日の日曜日、総合テレビ「NHKとっておきサンデー」でビデオの形ではありましたけれども、出演しておわびを申し上げると同時に、今後の決意を述べました。そういう反省の上に立って、執行部と一丸になって事態の収拾に向けてやっていくという認識を示されましたので、私ども経営委員会といたしましては、一刻も早い事態の収拾に向けた会長の行動に対して、監視・監督機能を十分に果たしながら推移を見守りたいと考えています

<以下、省略>

 

(上田委員)
 本日は、足をお運びいただき、貴重な意見を聞かせていただいて、ありがとうございました。時間も超過いたしましたけれども、それだけ熱心にいろんなご意見を拝聴いたしましたので、私どものほうも、他の経営委員のメンバーにもこれを正しくフィードバックして、今後のNHKの経営に対する監視・監督といいますか、経営委員会の役割を果たす上で生かしていきたいと思います
 NHKは受信料で成り立っているところでありますし、受信料をご負担いただいている視聴者の皆様、まさに視聴者の皆様を代表して執行を監視・監督するのが経営委員の役割でありますので、その点、もう一度自分たちの役割をはっきり再認識させていただいて頑張りたいと思います。今後ともどうかよろしくご支援のほどよろしくお願いいたします。どうも今日はありがとうございました。

 

 

2014712日 室蘭市

 

【会場参加者】
  受信料については、放送法で決められている。でも、放送法には、NHKは公平・公正な放送をしなければならないとある。ところが、籾井発言、百田発言は全 く公平・公正だと思えない。ニュースを見ていても公平・公正とは思えず、放送法に反しているので、私も放送法に反して受信料を払わないということを周りの 者に言っている。

 

(浜田委員長)
  就任会見での籾井会長の発言は、公共放送のトップとしての立場を軽んじた発言であったと言わざるを得ないと思っております。その後、国会や視聴者の皆さま から多数の厳しいご意見を頂戴いたしました。また、NHKの今年度の予算が、国会において今までは全会一致で大体ご承認をいただいていたわけですが、こと しは残念ながら全会一致のご承認をいただくことはできませんでした。これはやはり会長の一連の発言の影響だというふうに経営委員会も認識をしております。
 会長に対しては、経営委員会として、二度にわたって注意をいたしました。会長も反省をされ、業務執行に当たっては放送法を遵守すると明言をされております。また、4月には「とっておきサンデー」に出演されて、おわびと今後の決意を述べております。併せて、自身の発言に対する説明は今後も続けていきたいと記者会見で表明をしております。
 私ども経営委員会としては、こういった地道な努力を会長以下執行部に続けていただくと同時に、NHKが公共放送の使命を果たしていけるよう、経営委員会としても監視・監督の役割を果たしていきたいと思っております

 

 

2014913日 岐阜

 

【会場参加者】
  籾井会長の就任記者会見で従軍慰安婦について「戦争をしている国はどこにでもあった」「オランダに今でも飾り窓があるのはなぜですか」「日韓基本条約で解 決している」という発言があった。会長の発言は公しょうと慰安婦を混同しており、しかも、それに対する発言を会長が行うというのは、女性への人権侵害では ないかと思う。そういう発言は控えていただきたい。

 

【会場参加者】
 政府寄りの報道が多いのではないかと思う。籾井会長の発言は干渉にあたるおそれもあるのではないか。
 NHKは放送法にあるように公平公正を保ち、権力から独立し、国民の知る権利に応えていく、という使命を果たしていくため、組織改革をしていただきたい。そして、籾井会長、長谷川委員、百田委員の罷免を要求する。上村委員、ぜひ頑張ってください。

 

(上村代行)
 公共の定義とか、NHKの報道機関としての役割とか、非常に本質的、重要なご質問をいただいたと思っています。
 会長発言については記者会見の場での発言は取り消しています。取り消していますが、個人的な意見には変わりがないというふうにおっしゃっていて、それがちょっとはっきりしないところがあります。経営委員会としては、会長発言等について厳重に注意し、その後の状況を見守るという、立場です
 経営委員の罷免というような話もありましたが、経営委員は国会の同意人事によって選任されており、これを経営委員会で罷免するということはできません。会長については経営委員会が選任、罷免の権限がありますが、その後の会長の動向などを経営委員12
名が慎重に評価し、そして判断をしていくという立場です。

  <以下、省略>

 

【会場参加者】
  NHKOBです。OBとして、皆さんからの批判や意見について強い責任を感じている。会長の言動はとても品格を欠いた、日本を代表するジャーナリズムや公 共放送の代表としては到底ふさわしくないということはいろいろなところから指摘されているとおりで、とても恥ずかしく思う。
 去年11月に、経営委員会がつくられた会長の資格要件の6項目というのがあったが、現時点でこの6
項目は生きているのか。

(上村代行)
  受信料を払っている方には、さまざまな意見や信条があります。NHKの予算というのは、昨年までは国会は全会一致して承認してきました。そういう意味で視 聴者あるいは国民全部の方向に目が向いた予算として形成され、それを執行してきましたが、今は残念ながら、与党のみの賛成になってしまいました。私は、そ れは残念な事態だと思っています。
 受信料 を払っている視聴者の皆さまには、極めて多様な政治的な信条、あるいは生活上の信条などを持った方がおり、「この意見が正しい」とか、「これが間違ってい る」とか、そういうものをNHKの側で「こうなんだ」というようなことは言うべきではないと思っています。そういう意味では非常に多様な意見をNHKの放 送の中に生かしていくという姿勢が常に求められるということだろうと思っています。
 最後にいただきました6項目要件についてです。我々は、会長選任の手続についての内規を一生懸命つくってきたわけですが、次期会長選任についてはもう一度、つくった内規が十分なものであったかどうかということも含めて再検討することになります。6
項目については、かなり普遍的な価値を示したものであり、そのうちのどれかが必要ないということにはならないのではないかと思っています。