« 2020年10月 | トップページ | 2021年1月 »

2020年11月

2020年11月22日 (日)

「表現の自由・学問の自由があぶない!ー菅政権の暴挙を許すな」

20201120 UPLAN 「表現の自由・学問の自由があぶない!ー菅政権の暴挙を許すな」 - YouTube

【表現の自由を市民の手に全国ネットワーク(表現ネット)】
105名全員任命を求める!! 表現・学問・思想の自由を市民の手に
プログラム:
「日本学術会議任命拒否」内閣府への要望、回答説明、ヒアリング
院内市民集会(報告:ゲバラTシャツ事件は今。学術会議任命拒否)
基調提起:
田島泰彦(元上智大新聞学科教授)
リレートーク:
醍醐總(NHKを監視・激励する視聴者の会)
小倉利丸(美術評論家)
清水雅彦(日本体育大教授・憲法学)
荻野富士夫(小樽商科大名誉教授・日本近現代史)
神田香織(講談師)
任命拒否された人、市民運動グループ
国会議員など。さまざまな視点から。会場から
++++++++++++++++++++++++++++++++
菅内閣による「日本学術会議への人事介入」に抗議する
2020年10月14日
表現の自由を市民の手に全国ネットワーク
日本学術会議が推薦した新会員候補105人のうち、6名の任命を菅内閣が拒否したことが明らかになった。
菅首相は、任命拒否の理由を問われても、「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から」などと意味不明な返答を行い、さらに「6人を除外する前の推薦者名簿は見ていない」と、誰が6人を除外したか、その過程を明らかにしていない。任命を拒否された会員候補者は、過去「安全保障関連法」や「特定秘密保護法」「共謀罪」を批判する表明を行ったことがある。政治的意図を持った任命拒否であることが窺われる。
日本学術会議は、政府からの独立が保障された機関であり、新会員の任命は、1983年の政府見解によっても、政府は「学術会議の推薦通りに任命する義務」がある。
したがって今回の菅政権による任命拒否は、憲法第23条(学問の自由)、日本学術会議法(学術会議の推薦による任命)に違反する暴挙である。
菅首相は、内閣官房長官時代の2019年、「あいちトリエンナーレ」への補助金不交付を示唆し、ネット右翼などによる電話妨害や放火教唆を誘導、「表現の不自由展・その後」の展示中止を主導した人物である。今回の6名の任命拒否も、安倍政権下、水面下で画策していた日本学術会議への人事介入を、首相就任とともに強行しようとしている。
日本学術会議は、学術研究者が戦前の侵略戦争に協力した反省の上に立って、戦後創立された機関である。1950年には「戦争を目的とする科学の研究は、絶対にこれを行わない」と宣言、2017年には安倍政権の兵器開発・輸出政策に反対し、「大学など研究機関の軍事研究」に反対する声明を発している。政権内には、学術会議のこのような姿勢により「日本の防衛装備品の技術開発がすすまず、中国に後れを取る原因だ」とする声があると報じられている。安倍政権は「戦後レジームからの脱却」と称して戦後民主主義的諸制度の改悪を進めてきたが、菅新政権もその政策をさらに露骨に継承しようとしている。すでに河野太郎行革相は「学術会議は聖域なき行政改革の対象だ」と宣言している。菅政権は、日本学術会議を人事面・財政面で支配下に置こうとしている。
私たちは、今回の人事介入は、戦前の滝川事件(1933年)、天皇機関説排撃事件(1935年)に匹敵する重大事態である。「学問の自由」への侵害は、市民の「表現の自由」への侵害に直結する。私たち「表現の自由を市民の手に全国ネットワーク」は、今回の菅政権の暴挙に断固抗議し、今回の任命拒否を直ちに撤回することを求める。私たちはこの問題の解決のために様々な官邸や行政への民衆行動、当事者学術会議の法的手段、各界声明や撤回行動、国会や自治体議会への追求行動など学問の自由を私たち自身の手に取り戻す運動を広く呼びかける。
++++++++++++++++++++++++++++++++
【茅ヶ崎美術展作品撤去要請事件】
2019年、神奈川県茅ヶ崎市教職員美術展でのこと。
市教育委員会が沖縄・辺野古の抗議行動を描いた版画作品の取り外しを要求。「政治的中立性を保てない」との理由である。
これに対し「沈黙しない茅ヶ崎市民ネットワーク」と「表現ネット」は表現の自由侵害を問う。
再三の抗議と質問を繰り返し。回答を求めているが、市教委側は面談を拒み応じようとしない。
【ゲバラTシャツ議員会館入館規制事件】
2020年8月24日正午過ぎ、衆議院第二議員会館で通行証を得て入館しようとした「議員会館前座り込み」の参加者が、警備員(衆議院が業務委託したALSOK職員)の3名によって入館を妨害された。
警備員は威嚇的に「入館はできません。あなたのTシャツ(ゲバラの絵のあるTシャツ)は裏返しにして着用しなければ入館させません」と言って入館を拒んだ。
警備員はその理由を「会館の規則」「政治的主張のあるもの、中立に反するもの」と説明。現場に駆けつけた警備員の隊長が謝罪したが、「表現の自由」、人権に関わる問題なので文書による明確な謝罪と検閲や再発防止の具体的な方策を求めて,謝罪を求める文書を衆議院事務局に提出。
すでに議員会館、警備業者と5回にわたる「話し合い」をもつも一方的に「詫び状」を送りつけ、その後の連絡をも拒んでいる。

| | コメント (0)

2020年11月 5日 (木)

”NHK「1945ひろしまタイムライン」の民族差別的ツイートに関する検証と審議を求める要望書”をBPOに提出

当会は「公共放送にあるまじき民族差別扇動の書き込みに抗議し、謝罪と検証を要求する~『シュンひろしまタイムライン』に関する私たちの見解と質問~」と題する文書を9月1日にNHK広島放送局/「1945ひろしまタイムライン」担当宛てに発送しました。 →こちら参照
これに対し9月11日付でこちらの回答が届きました。
しかし私達はこれでは根本的問題は未解決と考え、本件の検証と審議をBPO(放送倫理・番組向上機構)に要請しました。
以下はその要望書です。(PDFはこちら
*********************
2020年11月5日
放送倫理・番組向上機構
放送倫理検証委員会 御中
  NHK「1945ひろしまタイムライン」の民族差別的ツイートに関する検証と審議を求める要望書
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
代表 醍醐 聰
http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/blog/

 私たちは標題の問題について、以下のとおり、貴委員会に厳正な検証と審議を要望します。

Ⅰ.問題の経緯
NHK広島放送局が開設し、同局の責任で編集された「1945ひろしまタイムライン」のひとつ、「シュンひろしまタイムライン」に次のような書き込みがされたことに各方面から疑問、批判が起こっています。

「朝鮮人の奴らは『この戦争はすぐに終わるヨ』『日本は負けるヨ』と平気で言い放つ。思わずかっとなり、怒りに任せて言い返そうとしたが、多勢に無勢」
(1945年6月16日)
「朝鮮人だ!!大阪駅で戦勝国となった朝鮮人の群衆が、列車に乗り込んでくる!」「『俺たちは戦勝国民だ!敗戦国は出て行け!』圧倒的な威力と迫力。怒鳴りながら超満員の列車の窓という窓を叩き割っていく」
         (1945年8月20日)

 NHK広島放送局は8月24日、これらのツイートが、「戦争の時代に中学1年生が見聞きしたことを、十分な説明なしに発信することで、現代の視聴者のみなさまがどのように受け止めるかについて配慮が不十分だった」、「手記を提供してくれた方が、1945年当時に抱いた思いを、現在も持っているかのような誤解を生み」という見解を公表しました。そして、現在は上記2ヶ所の書き込みは削除されています。
 しかし、当会は、NHK広島放送局の8月24日付の見解公表で一件落着ではないと考え、本年9月1日に、同局宛てにこちらのような意見・質問を送ったところ、9月11日付でこのような回答が届きました。

Ⅱ.問題の根本に至る解決のために――貴委員会に対する私たちの要望——

 こうした一連の経緯をみると、「シュンひろしまタイムライン」の取材・編集における、次のような根本的な問題は未解決のまま、残っています。

 (1)差別と偏見を助長したツイートが制作された原因を是正するための検証と審議、意見・勧告の発出を要望します

 差別と偏見を助長されたのは、書き込みの内容からして、在日朝鮮人だったことは明らかですが、これについてNHK広島放送局は8月24日に公表した見解でも、この点を明確にするよう求めた当会の質問に対する回答でも、ツイートが誰に対する差別と偏見を助長したものか、一切、明言していません。
 そればかりか、「差別を助長しているのではないかという批判を受けた」、「視聴者のみなさまがどのように受け止めるかについて配慮が不十分だった」「・・・・かのような誤解を生み」と記し、ツイートを読む側の受け止め方次第では、問題は起こらなかったと解釈できるような釈明に終始しています。そこには、ツイートを制作し、発信した側の編集のあり方、ひいては朝鮮民族に対する差別と偏見の根源にある歴史認識の歪みを正し、自省する姿勢も、それを対外的に表明する誠意も見当たりません。

 事実、NHK広島放送局の広報担当者は毎日新聞の取材に対して、「差別を助長する意図は全くなかった」と自らの主観を盾に非を認めない姿勢を取り続けています。(『毎日新聞』2020年8月22日)
 
 しかし、NHK広島放送局が8月24日に見解を公表してから1ヶ月後の9月23日、在日本大韓民国民団は前記8月20日の投稿は民族差別を扇動するものであるとして広島法務局と広島弁護士会に人権救済を申し立てました。
 また、在日本朝鮮人総連合会広島本部も10月23日、NHK広島放送局の投稿は在日朝鮮人らに恐怖と精神的苦痛を与えるとして、広島弁護士会に人権救済の申し立てをしました。
 こうした動きはNHK広島放送局のこれまでの対応では、問題が解決していないことを物語っています。
 私たちは司法的救済とは別に、貴委員会が放送倫理の問題として、「シュンひろしまタイムライン」による民族差別・偏見の助長を検証され、是正を促す措置を講じていただくよう、要望します。

(2)NHKが手掛けるインターネットコンテンツの品質管理の瑕疵を是正するよう促す意見・勧告を要望します

 NHK広島放送局の責任で編集された「シュンひろしまタイムライン」に前記のようなツイートがされたことは、人権上、重大な問題であると同時に、NHKのインターネットコンテンツの制作・編集上の品質管理に重大な瑕疵があったことを意味します。しかし、これまでのNHK広島放送局の対応には、この点に関する内部検証が欠けており、このままでは再発を防げるという保証がありません。

そもそも、学校教育にも厳しい国家統制が及んだ時代に、中学生だった軍国少年が担当教官の検閲も受けながら綴った日記を、現代の高校生に、各々の感想も織り交ぜながら短文で再現させ、戦争の実相を想像させるのは至難のことです。下手をすると、軍国少年の日記に投影した時代の制約を理解できないまま、現代の高校生に歪んだ歴史認識を生む恐れも拭えないものです。
NHK広島放送局の担当部署にこうした企画の難しさ、危険性が認識され、周知されていたのか、十分な検証が不可欠です。

ちなみに、「NHK放送ガイドライン2020」(インターネットガイドライン統合版)は「インターネットサービスの品質管理」の項で、次のように定めています。

「インターネットにおいても、NHKが発信する情報である限り、公共放送にふさわしい良質な情報であることが求められる。・・・・インターネットで提供するコンテンツは、放送法・実施基準および『NHK国内・国際番組基準』、本ガイドラインを順守して制作する。」
「すべてのコンテンツは、公開する前に必ず責任者である管理職がチェックし、内容の正確性や公平性、表現などに十分配慮して公開する。(以下、省略)」

 私たちは、こうしたガイドラインの定めがNHK広島放送局において順守されていたのか、厳正な検証と審議を貴委員会に要望します。

 また、本年6月7日にNHKの「これでわかった!世界のいま」が制作した黒人アニメ動画に、黒人に対する偏見を助長するような場面やセリフがあったことに各方面から抗議の声が起こりました。この例も鑑みると、NHKが制作したインターネットコンテンツにさまざまな差別と偏見を助長する場面が生まれた原因を、全国規模で、管理職も含め、問題の歴史的な根源にまでさかのぼって、当事者の生の声や体験、要望を聞く場を幾度か設けるなどして、自己検証を深めなければ、同じことが繰り返される懸念を拭えません。
(ご参考までに、2020年6月17日に、黒人アニメ動画に関して、当会がNHK前田晃伸会長ほかに送った申し入れ書はこちらです。)

 こうした懸念は、「シュンひろしまタイムライン」に登場したり、それを見たりした世代の子供を持つ私たちにとって、また、戦争や原爆の実相がメディアを媒体にして広く若い世代に正しく継承されるよう願う私たちにとって、黙過できない問題です。
「シュンひろしまタイムライン」で起こった問題をNHKが正しく検証し、その教訓を今後に生かすためにも、貴委員会による厳正な検証と審議、それを踏まえたNHKへの意見、勧告を要望します。

 (3)取材・制作協力者との信頼が損なわれた原因の究明と見解表明を要望します。

 「シュンひろしまタイムライン」が題材に用いた日記の作者・新井俊一郎さんは『朝日新聞Digital』の取材に対し、次のように発言しています。
  「――「朝鮮人の奴(やつ)らは『この戦争はすぐに終わるヨ』『日本は負けるヨ』と平気で言い放つ」という6月16日のツイートも問題となっています。

  朝鮮人の『奴ら』とかは一切話をしておりません。『軍国少年』シュンちゃんの日記だから、子どもたち(投稿を担当した高校生たち)がそういう表現で書いたのでしょうが、朝鮮人と論争になったとか、侮蔑的な思いで眺めたとか、そういう話も一切していません。いわんや、この言葉をネットに載せるなんていうことは、事前の承諾がないんですから。」

  「4月に最初の番組を放送した途端、内容に疑問を持ったので、『新井の日記をシュン日記として出すのは、私の日記の偽造では』と言った。すると担当者が、『新井さんの日記を原作として、子どもたちとツイート一緒に創作をしている』と言った。私はそんなことを許した覚えは一切ないと激怒しました。」
  (以上、「『シュン』の日記主、NHKに不信感 認識の食い違い」『朝日新聞Digital』2020年9月6日、7時00分)より)

 こうした取材記事を読むと、75年前の軍国少年が記した日記を原作として、タイムライン制作者が現代の高校生と一緒に日記風の書き込みを創作する危うさを改めて思い知らされます。これについて、「NHK放送ガイドライン2020」(インターネットガイドライン統合版)は「取材・制作の基本ルール」の項で次のように定めています。

「報道番組やドキュメンタリー、情報番組などでは、正確な取材に基づいて真実や問題の本質に迫ることが大切である。虚構や真実でない事柄が含まれていないか冷静な視点で見極めようとする姿勢が求められる。」
「事実の再現の枠をはみ出して、事実のねつ造につながる『やらせ』などは行わない。」
原作者から「偽造」と怒りを買うようなタイムライン制作を「創作」と称して容認できるのか、1945年6月16日、同8月20日のツイートは、「やらせ」と言えないまでも「事実の再現の枠をはみ出した」創作に当たる疑いを拭えません。
 まして、そのような行き過ぎが、特定の民族に対する差別と偏見を助長するような「創作」であった以上、放送論理上、黙過できず、厳正な検証と対処が必要と私たちは考えます。

 貴委員会が以上のような私たちの要望を受け止め、NHK広島放送局制作の「シュンひろしまタイムライン」のツイートを人権上の問題としてのみならず、放送倫理上の問題としても厳正に検証・審議していただき、しかるべき意見・勧告を表明していただくよう、求めます。
                          以 上
************************
マスコミ報道から 東京新聞
「NHK広島の投稿でBPOに要望 市民団体、検証求める
https://www.tokyo-np.co.jp/article/66511
2020年11月5日 16時37分 (共同通信)
 NHK広島放送局が原爆被害を伝えるために始めたツイッターの投稿が、在日コリアン差別をあおっていると批判を受けた問題で、市民団体「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」は5日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会に、検証と審議を求める要望書を提出した。
 同団体は醍醐聡・東京大名誉教授が代表を務め、要望書で「人権上、重大な問題でNHKの制作・編集上の品質管理に瑕疵があった」と指摘。広島放送局の対応は内部検証に欠け、再発防止を防ぐ保証がないと訴えている。
****************
参考「抗議デモの原因を歪曲し、黒人への偏見を助長した動画アニメ等の謝罪と検証を」:PDF版
http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-45ddb4.html

| | コメント (0)

« 2020年10月 | トップページ | 2021年1月 »