新体制の経営委員会、経営委員長に要求書を再度提出してきました。
NHK経営委員会は6月20日、再任を含めた新しい経営委員5人が就任しました。また6月28日には、新しい経営委員長に石原進氏が選出されました。→NHK経営委員一覧 石原新経営委員長
私達は今まで出した要求書を新体制の経営委員会に徹底させるため再度提出することにし、7月11日、NHK放送センターに出向きました。
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NHK面会レポ-ト 2016年7月13日
2016年7月11日、各地の9つの市民団体、10名がNHK放送センターへ出向き、27の市民団体が連名した次期NHK会長選考に関する再度の申し入れを提出しました。以下は、その面会の模様をまとめたレポートです。
≪出席者≫
NHK: NHK経営委員会事務局副部長
NHK広報局視聴者部副部長
市民団体:
アクティブ・ミュ-ジアム『女たちの戦争と平和資料館』(wam
日本ジャ-ナリスト会議
放送を語る会
NHK問題大阪連絡会
NHK問題を考える岡山の会
NHK問題を考える会(兵庫)
NHKとメディアを語ろう・福島
「戦争と女性への暴力」リサ-チ・アクションセンタ-(VAWW RAC)
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
≪市民団体から提出した文書≫
)
|
≪主な発言≫
*(醍醐) この面会でのやりとりは、応対していただく経営委員会事務局の方で記録をとっていただき、提出する申し入れ文書を補足するものとして経営委員に届けていただくよう、お願いしたい。
*(経営委員会事務局) 私1人でメモを取るのはたいへんなので、同席している視聴者部と一緒にメモをとって、ご要望に沿うようにしたい。
*(小滝) 籾井会長(長谷川・百田経営委員)の罷免を求める署名の第15次集約(5/10~7/10)で 554筆を集約したので提出する。2014年2月署名開始以来の累計は7万9893筆になった。
*(小滝) 続いて、今年の5月に提出した次期会長選考に関する再度の申し入れ文書を提出する。連名団体は1つ(NHK前橋抗議行動の会)増えて27団体となった。
*今回の参議院選挙では、「支持する政党なし」が多かった。これは政党の動きを伝えない、隠す、メディアの責任が大きいと感じる。
50パーセント台の低い投票率が続いているが、これを引き上げるためにも公共放送として努力をしてほしい。
*NHKの報道を見ていると国策をどう伝えるかを意識したものが多いと痛感する。
*
籾井会長は「『慰安婦』は戦争をしているどこの国にもあった」と言い、「慰安婦」番組を作らないのかと問われれば「政府のスタンスが見えないので慎重
に…」と述べて、彼が安倍首相と同じ歴史観(=歴史修正主義)を持ち、NHKは政府広報であると表明してしまった。これはジャーナリズムの自己否定だ。海
外からも厳しく見られている。このような人にNHKの会長はやってほしくない。
*2000年に開催した女性国際戦犯法廷の報道で、NHKが番組改ざんしたので、松井やよりさんは「国民の知る権利」が侵されてはならないと裁判を起こした。
安倍政権以降のNHKの番組に国民の知る権利がどれくらい実現しているのか、たいへん疑問。
2年続けて国会で会長選考のあり方について付帯決議がされたことを経営委員会はしっかり受け止めてほしい。
*経営委員会のことを視聴者はほとんど知らない。経営委員会の会合が公開されていないことも大問題だ。経営委員の中にジャ-ナリズム出身の人がいないのはおかしい。
今、イギリスではブレア政権がイラク戦争に参戦した経緯を検証する作業が進められているが、NHKはこの動きをまったく伝えていない。
*受信料を払う視聴者は、NHKは自分のものだと考え、いわばNHKの株主としてNHKをよ
く
しようと自覚することが大切だと思っている。経営委員は視聴者の代表だ。以前、関西代表として経営委員を務められたNさんと何度か自主的な懇談会を持っ
た。その後で、年数回の「経営委員と視聴者が語る会」が始まった。しかし、最近は参加人数を制限したり、抽選で決めたりしている。もっと視聴者とのつなが
りを大事にしてほしい。
*私たち「岡山の会」の活動の重点は、NHKや報道に関する情報について、「各種の入手情報をできるだけ広く伝える」こととしている。もちろん、NHKに関する情報が主である。全国の学者仲間に伝える、ということ。
その情報源として、各地でNHK問題に取り組んでいる市民団体から発信される情報、沖縄紙からの情報、所属する学会情報などである。
沖
縄と福島は、今回の参院選でも、現役の大臣を落選させた。片や基地、片や原発問題を抱え、住民の人権の意識が大きく、現政権の大臣だというだけの形式に左
右されず、人びとに主権者としての自覚があることの反映だと思える。沖縄紙は、情報源を世界から求めており(有識者の意見も世界から集めており、例えば
チョムスキーやストーン氏ら)、日常的に好ましい報道姿勢があると思う。
*経営委員長と委員長職務代行者が安倍政権と直結の人に替わった。NHKの局内では息苦しい空気になっていると聞く。
九州の財界人と安倍首相が会食し、その場で安倍首相は「川内原発はなんとかする」と発言したと伝えられている。その会食にNHKの経営委員長が出席したそうだが、自主自律の立場で対応せず、安倍政権と直結するようではNHKはたいへんなことになる。
*
私たちは籾井氏の再任は許さない。経営委員会は、収支を改善したことなどを籾井会長の功績と評価しているが、それは営利企業の場合の実績であり、NHKに
当てはめるのはおかしい。「原発報道は公式発表をベ-スに」と発言した籾井氏はNHKの会長として失格だ。前回の会長選考の時のことをある経営委員は、当
日、初めて面会で知った、と話している。
これで十分な選考がされたとは思えない。面接制と公募制・推薦制を採用してほしい。
*放送法では
会長を経営委員の3分の2以上の同意で選考すると決められている。しかし、1人に絞るまでの選考基準、選考方法、選考手続きについては何も定めはないか
ら、経営委員会がその気になれば、私たちが今日の申し入れで要望している推薦制を含む公選は今の放送法のままでも採用できる。
*(視聴者
コミュニティ)7月8日に石原経営委員長宛てに質問書を提出したが、その後の調べで、2014年7月18日に当時、経営委員になっていた石原氏が九州の財
界人の1人として安倍首相と会食し、その場で川内原発の早期原発を要望していたことがわかった。これは経営委員としてあるまじき行動なので、先の質問書に
この点を追加した版を今日、提出する。これに差し替えて石原委員長ほか経営委員に届けてほしい。
*今日は参加しておられないが、「NHK問題を考える奈良の会」から伝言を依頼されているので、お伝えする。以下は私も同意見。
さきほど、少し発言があったが石原氏は、受信料の収納率の向上などによるNHKの収支の状況の改善を籾井会長の功績と評価している。しかし、その背景には、
NHKから受信料収納業務を委託された営利企業が強引で乱暴な取り立てをしているという実態がある。これについては経営委員会でも指摘されている。
さらに、最近NHKは、訳ありで受信料の支払いを停止している視聴者も区別せず、支払い停止の理由に耳を傾けることなく、裁判に訴えると迫るやり方もしている。今、奈良では、裁判所を通じて支払い督促を受けたある視聴者が、裁判で争うという出来事が起こっている。
NHKは簡易裁判所で処理するよう求めたが、簡裁は、<被告(視聴者)は受信料制度と受信契約の本質を正面から争う意向である。そうした問題は迅速な処理をする簡裁でではなく、地裁で審理するのがふさわしい」という理由で地裁に移した。
経営委員会もこうした裁判が今、進行中であること、そこでは「受信料は特殊な負担金」と主張するNHKの考え方が争点になっていることを知ってほしい。その上で、収納率を改善しただけで会長の手腕を評価するのではなく、次期会長の資質をよく検討してほしい。
*
(福島の会)今回、東北を代表する経営委員として渡辺博美氏が選任されたが、渡辺氏の肩書を調べると、「全国防衛協会連合会」の主要役員に就任している。
この会は<防衛意識の高揚を図り、・・・・自衛隊の活動を支援・協力することを目的とする民間の全国組織>である。さらに、渡辺氏には「福島県自衛隊協会
会連合会会長」の肩書もある。このような肩書を持つ人物をNHKの経営委員に登用するのは慎重であるべきと考え、次のような質問書を石原経営委員長、渡辺
博美氏、経営委員各位に提出する。
「質問① 国民の民意を代表する国会に提出されたNHK経営委員会作成の渡邉博美氏に関する<任命理由><略歴>にこの事実が記載されなかったのはいかなる理由からでしょうか。
質問② 渡邉博美委員はNHK経営委員の任期中は「全国防衛協会連合会」及び防衛協会連合会会長」の組織から退かれるべきと当会は考えます。渡邉博美氏のご回答を求めます。」
*(経営委員会事務局)今のお話にあった渡邉博美氏に関する<任命理由><略歴>は経営委員会が作成したものではないので、その部分は直させてもらいたい。
*政府が国会へ候補者リストを提出する時に作成したものだと思う。
*(経営委員会事務局)そういうことです。
最後に、経営委員会事務局副部長から出席者に対し、あいさつと感想が述べられた。 以上
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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-13/2016071315_03_1.html
NHKは会長選考改革を 全国27市民団体共同で要請 2016年7月13日(水)
来年1月に任期が切れる籾井勝人NHK会長の後任選考が本格化するのを前に、全国27の市民・視聴者団体は11日、NHK経営委員会(石原進委員長)に対
し、「真に公共放送にふさわしい会長が選ばれるよう、選考過程の抜本的改革を求めます」との要請文を共同で提出しました。
要請したのは、放送を語る会やNHKを監視・激励する視聴者コミュニティ、日本ジャーナリスト会議ほか、全国で活動するNHK問題を考える視聴者・市民団体。
NHK会長は、経営委員12人のうち9人以上の賛成で任命されます。同委ではこの夏にも選考のための指名部会を立ち上げ、候補者をあげていくとしています。
要請文では、(1)籾井現会長の再任は絶対にしてはならない(2)公募制・推薦制の導入など、選考過程に視聴者・市民の意思を広く反映させる(3)会長の
資格要件に「NHKのジャーナリズム機能についての見識を持ち、政治権力からの自主・自立を貫ける人物」といった条項を加える―の3点を求めています。
また、NHKの今年度予算が国会で承認された際、付帯決議に「公共放送の会長にふさわしい資質・能力を兼ね備えた人物が適切に選考されるよう、選考の手続
きの在り方について検討すること」とした文言が2年続けて加えられたと指摘。「籾井会長の選任過程を問題視したものであることは明らか」だとのべていま
す。
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