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2016年5月10日 (火)

NHKの原発報道を大本営発表に貶める籾井会長を即刻罷免するよう求めます

                         2016年5月9日
NHK経営委員会御中
NHK経営委員各位

NHKの原発報道を大本営発表に貶める籾井会長を即刻罷免するよう求めます
                       NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                       共同代表 湯山哲守・醍醐 聰

 委員各位におかれましては、公共放送の監督・議決機関のメンバーとしての職務にご精勤のことと存じます。
 4月23日の各紙朝刊の報道によると、籾井会長は4月20日に局内で開かれた熊本地震と関連した災害対策本部会議で、「原発については、住民の不安をいたずらにかき立てないよう、公式発表をベースに伝えることを続けてほしい」と指示したとのことです。
  さらに籾井会長は4月26日、衆議院総務委員会で、委員から「公式発表とはなにを指すのか」と訊かれたのに対し、「原発に関しては周辺の放射線量を測定す るモニタリングポストの数字、原子力規制委員会の見解などを伝えていこうと。不必要な混乱を避けるという意味で、不安や心配を周りの人に根拠もなく出して いくのは、ちょっと変ではないか」と答弁しました。
 このような籾井会長の発言を知るにつけ、当会は、主体的な「調査・取材にもとづく報道」こ そ、報道機関の自主自立の要であるという認識が籾井氏には欠落していると考えざるを得ません。より具体的に言うと、籾井氏は「NHK放送ガイドライン 2015」を読まれたのか、読まれたとしても、そこで謳われた取材にもとづく報道の意義を全く理解されていないと思えます。
「ガイドライン」は「2.放送の基本的な姿勢」の冒頭で次のように記しています。

「NHKのニュースや番組は正確でなければならない。・・・しかし、何が真実であるかを確かめることは容易ではなく、取材や制作のあらゆる段階で真実に迫ろうとする姿勢が求められる。」

 さらに、「ガイドライン」は「10.災害・非常事態」の冒頭で次のように記しています。

  「○・・・公共放送として期待に応え、正確でわかりやすい情報をより早く伝えるため、取材と報道に全力をあげる。」
  「○災害・非常事態の報道にあたっても、放送の自主・自律を貫く。」

  現に、NHKは東日本大震災に伴う福島原発事故に際して、放射線観測の第一線で活躍する科学者らと協力して、震災3日後から放射能の測定を始め、被ばくに よる人体への影響と土壌汚染への対策のための詳細な汚染地図を作成した「ETV特集 ネットワークでつくる放射能汚染地図 ~福島原発事故から2か月~」 を制作して2011年5月15日に放送し、高い評価を得ました。これは、原発災害から避難する人々や故郷に残る人々の混乱と苦悩を見つめた貴重な記録であ ると同時に、「いたずらに不安をかき立てない」と称して、放射能汚染の広がりの実態を隠した政府の「公式発表」の不真実を見事に立証したものでした。
  要するに、「ガイドライン」は政府や規制当局の公式発表を「真実」と鵜呑みにし、それのみを伝えたのでは国民がNHKに求める自立した報道にならないと定 めているのです。籾井会長の発言は、「NHK放送ガイドライン2015」の上記の各項に真っ向から反すると同時に、番組制作スタッフの創意的な調査・取材 を抑制しかねない有害極まりないものです。

 今回の籾井会長の発言は、会長就任会見の場での「政府が右と言う時、左とは言わない」という 発言、会長就任1年後の会見の場での「いわゆる慰安婦問題については政府のスタンスが決まるまではNHKの方針は決まらない」という発言と軌を一にするも のであり、籾井氏が自立した公共放送の何たるかを全く理解できていないことを改めて示したものです。
 そしてこれは、かつて「日本軍の一連の『敗 北』の戦闘行為を隠蔽し、『転進』などの虚偽報道をした大本営発表を「公式発表をベース」として報道したNHKの報道姿勢を彷彿とさせるものです。戦後二 度とこのような報道をしないと誓って再出発したNHKの「反省」を無知蒙昧に蹂躙するものです。
 貴委員会が、これほど公共放送の使命をわきまえない人物をNHK会長に選任し、会長就任後も籾井氏が公共放送のイロハについて無知無理解をさらけ出す発言を繰り返してきたのを放置してきた不作為責任は極めて重大です。

 当会は任期満了まであと8ヶ月ほどになった籾井氏の会長再任は論外のことと考えていますが、今回の発言に接し、任期満了まで残り少なくなられた委員各位も含め、貴委員会が瑕疵のある人物をNHK会長に任命された責任を果たされるよう、次のことを申し入れます。

 1. 「NHK放送ガイドライン2015」に反する、「原発報道は公式発表をベースに」という発言を撤回するよう籾井会長を指導・監督すること
 2.   公共放送の使命のイロハを理解せず、それに反する言動を確信犯的に繰り返す籾井氏を即刻、罷免し、会長職から退かせること
                            以上
(印刷用PDFはこちら) 
(籾井会長宛PDFはこちら)

【関連記事】NHK会長「原発はコメント加味せず報道」 再び持論:朝日新聞デジタル 
http://digital.asahi.com/articles/ASJ4V7560J4VUCVL02P.html

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コメント

表現の自由は権力と距離を置く姿勢をメディアが守り続けることによって初めて実現すると考えます。籾井会長就任後のNHKは目に余る状況です。

投稿: 梅原俊夫 | 2016年5月14日 (土) 00:24

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