« 2015年11月 | トップページ | 2016年2月 »

2015年12月

2015年12月29日 (火)

岸井成格氏に対する不当な攻撃に屈せず、報道の自立を堅持するよう求める要望書

                                                                                  2015年12月2日
TBSテレビ 
報道局長 西野智彦様
ニュース23担当各位

  岸井成格氏に対する不当な攻撃に屈せず、報道の自立を堅持するよう求める要望書

                                                                            NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                                                                             共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
 
 さる11月14日と15日の産経新聞、読売新聞に貴社の「ニュース23」でアンカー役を務める岸井成格氏の一部の発言を問題視する一面全面の意見広告が掲載されました。特定の報道番組における個人の発言を捉え、攻撃する意見広告が掲載されること自体、異例ですが、私たちはその背景、内容を検討した結果、報道の自由、自主自立の原則に照らし、とりわけ、意見広告が引用した放送法第4条の解釈をめぐって、本件は、NHK問題に関わる当会にとっても黙過できないと考え、皆様宛てに標題のような申し入れを致します。
 
 今回、意見広告が問題にしたのは、さる9月16日に放送された「ニュース23」における岸井氏の発言(「メディアとしても廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」)は、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」等を定めた放送法第4条に違反するというものです。これを理由に意見広告主は総務大臣やTBSに是正を求めています。
 しかし、こうした主張は、放送法第4条の趣旨に照らしても、岸井氏が問題にした安保法案の性格に照らしても、的はずれです。
 
 そもそも、放送法第4条第1項の「政治的公平」にしろ、同条第4項が定めたできるだけ多くの角度から論点、意見を反映するという点にしろ、その趣旨は、1つの番組で完結するよう求めたものでないことは放送界の常識となっています。まして、放送法第4条を持ち出し、報道番組にコメンテーター等として出演した人物も、その番組中の自らの発言に多様な意見を反映しなければならないなどと解釈するのは甚だしい曲解です。対立する意見も含め、様々な意見、論点が幾人かのコメンテーターやキャスターによって番組に反映されるよう留意するというのが当該条項の趣旨です。
 
 次に、岸井氏が廃案に向けてずっと声を上げるべきと語った安保法案は、大多数の憲法学者、元最高裁判事、元内閣法制局長官らがこぞって違憲と指摘した法案です。しかるに、日本国憲法は第98条第1項で、「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」と定めています。それでも安保法案を提出したいなら、憲法改正の手続きを踏んでからというのが大義です。
 こうした手続きを経ず、違憲論にまともな反証もできないまま、安保法案を強行採決しようとした政府・与党のやり方に警鐘をならし、不条理な法案の成立に待ったをかける発言をするのはジャーナリストとして何ら咎めだてをされるいわれはありません。

 なお、意見広告の主となった「放送法遵守を求める視聴者の会」は今年の11月に発足した団体とのことですが、呼びかけ人に名前を連ねた7人はすべて右派文化人として知られ、そのうちの渡部昇一氏、すぎやまこういち氏、上念司氏は2012年に「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の発起人に加わった人物です。ここから、上記「視聴者の会」の実体は安倍首相と親密な人物の集まりであり、意見広告の狙いは政権が気に入らないジャーナリストや番組を排撃する点にあったとみて差し支えありません。

 以上から、私たちはTBSならびに皆様がいわれのない攻撃に屈することなく、自主自立の報道姿勢を堅持して、権力の言動を厳しく監視する役割を果たしていかれるよう、強く要望するものです。
 いやしくも、岸井氏について、政府・与党の意を体した人物からの攻撃に屈したと視聴者、国民に受け取られるような処置を取られないよう、強く要望いたします。
                                                                                       以上
──────────────────────────────────────
TBS前で視聴者が集結し抗議行動!TBSは要請文受け取り拒否!「言論弾圧許さない」
http://biz-journal.jp/2016/01/post_13516.html

http://健康法.jp/archives/12211

| | コメント (1) | トラックバック (0)

「出家詐欺」放送への「反省」を奇貨としたNHK番組「クローズアップ現代」の弱体化を許すことはできません

                                                                                        2015年12月7日
NHK会長 籾井勝人様
NHK放送総局長 板野裕爾様
「クローズアップ現代」 制作スタッフ様

「出家詐欺」放送への「反省」を奇貨としたNHK番組「クローズアップ現代」の弱体化を許すことはできません

                                                                                     NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                                                                                     共同代表 醍醐 聰・湯山哲守

 さる11月6日、BPOはNHKが昨年4、5月に報道した“出家詐欺”を扱った2つの番組「クローズアップ現代」と「かんさい熱視線」について、「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を公表しました。そして同時にこの中で、NHK自身による今年4月28日の「調査報告書」を受けて直ちに、高市早苗・総務大臣が行ったNHKに対する「厳重注意」の行政指導および自民党情報戦略調査会がNHK幹部を呼びつけ行った「BPO問題を説明させる」などの報道の自由を阻害する行為を厳しく非難しました。その根拠としたものは、放送法第3条「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」でした。この非難は当然のことです。この条項をないがしろにした総務大臣と自民党はその非を認め、憲法21条に基づく「報道の自由」尊重の姿勢をあらためて表明すべきです。

 ところで、NHKの板野放送総局長は記者会見で、「BPOの指摘を真摯に受け止めている」としつつ、「再発防止策については、単に形を整えるだけでなく、実際に現場の業務に落とし込んでいく」と述べています。「実際の現場の業務」が何を意味するかに関して、大変懸念すべき情報が聞こえてきます。「NHK幹部の間で、『クロ現』は来年3月末で打ち切りになるという方針が大筋で決まったようです。また同時に、7時からの『ニュース7』の放送時間も短くし、現在の30分を15〜20分にするという案が出ている」(11月10日付「週刊現代」)と。週4日7時半から30分間放送される「クローズアップ現代」は、幅広い分野で起きる現代の日本が直面する課題を分かりやすく解説・分析し、時として政府・与党の政策にも鋭いメスを入れる番組として、これまで数少ない貴重な報道・時事番組の役割を果たしてきました。

ただし、一昨年の「秘密保護法」問題、昨年の「集団的自衛権行使容認」問題、そして今夏の「安保法案」問題など安倍政権の重要な憲法違反の諸法案・決定に関して、まったく取り上げなかったことは政治的に意見が対立する問題に踏み込まない腰が引けた姿勢と受け取らざるを得ません。唯一「例外」なのは、皮肉にも昨年7月3日、集団的自衛権行使容認の閣議決定を「広報」すべく、菅官房長官がその時間枠を占有してしまったことです。その際に、キャスターからの数少ない「予定されなかった」質問が発せられたことに首相官邸が気色ばんだという事件がありました(雑誌FRIDAY昨年7月25日号)。また、金曜日限定、関西限定の「かんさい熱視線」も「クローズアップ現代」の「関西版」として好評です。


 最近の「クローズアップ現代」が厳しい環境にさらされながらも、依然として貧者、弱者に寄り添い、不正告発に鋭くメスを入れる貴重な番組を提供していることを評価し、「かんさい熱視線」と合わせて今後もその精神を堅持した番組の継続を切に要望します。             以上

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年12月26日 (土)

15.11.7NHK包囲全国統一行動レポート できました。

15.11.7NHK包囲全国統一行動レポート できました。
PDFダウンロード→
https://app.box.com/s/3wx3tzunsj0uf2w1bgpdazld2e76hha8

181

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年11月 | トップページ | 2016年2月 »