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2015年7月 2日 (木)

国会議員として言論の自由を保障した憲法21条と99条の遵守を要望する

 安倍晋三首相に近い自民党の若手議員の会「文化芸術懇話会」で戦争法案に批判的な動きに対する不満が噴出しました。
曰く、「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」、「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない。」、「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」、等々
”自公政権を批判するメディアはつぶせ”というような暴言は許せません。
 当会は(7月1日)付で「勉強会『文化芸術懇話会』」に参加した37人の自民党国会議員に「国会議員として言論の自由を保障した憲法21条と99条の遵守を要望する」要請文を郵送しました。
また同時に、沖縄の琉球新報社と沖縄タイムスの両編集局長宛に「オール沖縄の闘いと県民の矜恃を支えるジャーナリズムに敬意を表します」との激励文を送りました。
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                                         2015年7月1日
自由民主党 衆議院議員
  ◯   ◯   ◯  様
                           NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                            共同代表 醍醐聰・湯山哲守

国会議員として言論の自由を保障した憲法21条と99条の
遵守を要望する

 私たちは、「安保関連法案」の国会審議に重大な関心を持っています。審議に参加される貴議員の一挙手一投足にも注目しています。
 しかし、上記法案は、あまりにも複雑かつ大分量であり、国民には分かりにくく、理解が進んでいるとはいえません。しかも安倍政権の「法案説明」が不十分であることは、各種世論調査に明らかで、国会審議が開始されてから、時間が経つとともにその「不十分さへの不満」はポイントを増やしているのが現状です。しかもその「違憲性」を多数の憲法学者が指摘したこともあって、国民の間で法案に対する疑問や批判が日々増大しているのが実情です。したがってこれらの法案およびその審議内容を国民に分かり易く伝えるマスメディアの責務は重大です。
 このようなときに、貴党が「憲法改正を推進する勉強会『文化芸術懇話会』の初会合」を党本部で開き、講師に百田尚樹氏を迎え、マスメディアを敵視する内容に気炎を上げたことは、「国民への背信」といわなければなりません。貴議員も同懇話会に出席されたと報道されています(「毎日」6月27日付)。いうまでもなく、「言論・出版の自由」は無条件に保障されると憲法21条は謳っています。そして、国会議員は同99条で天皇・国務大臣らとともに「この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と厳しく定められています。
 報道によれば、上記「文化芸術懇話会」に出席した議員らは口々に「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番」などとマスメディア批判の言動を展開したとのことです。中でも看過できないことは、百田氏との質疑の中で、沖縄の日刊2紙をやり玉に挙げ、「沖縄のメディアは左翼勢力に乗っ取られている。なんとか知恵をいただきたい」(自民党出席議員)と述べ、同氏の「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」などのとんでもない主張を引き出しました。これらが憲法21条違反の発言であることは明らかです。
 
 報道によれば28日、自民党・谷垣幹事長は、「看過できないと判断し」勉強会代表の木原稔・党青年局長を更迭し、1年間の役職停止処分とすることを決め、さらに「マスコミをこらしめるには広告料収入がなくなることが一番だ」と発言した大西英男氏、「番組ワースト10とかを発表して、それに(広告を)出している企業を列挙すればいい」と述べた井上貴博氏、「沖縄の特殊なメディア構造をつくってしまったのは戦後保守の堕落だった」と発言した長尾敬氏の3人を厳重注意としたとのことです。
 しかし権力与党・自民党としてこれで十分でしょうか。これらの国会議員による一連の言動が「言論・出版の自由」をないがしろにした「憲法違反」であること、および自民党総裁としての安部首相の責任は明白であります。分けても首相の「友人」である百田氏を招いて講演会を行って、沖縄のメディアと沖縄県民を侮辱する発言を行わせたことには謝罪が必要であり、その発言は撤回させなければなりません。百田氏が第2次安倍政権の推薦によってNHK経営委員になり、数々の暴言を吐き続けたことにより、本年2月、その再任を断念せざるを得なかった事情を貴議員は承知されていないのでしょうか。

 以上重ねて、貴議員が言論・出版の自由を保障した憲法21条と、国会議員の憲法遵守を定めた憲法99条を十分に踏まえて行動されるよう、強く求めます。
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                                         2015年7月1日
琉球新報社    編集局長・潮平芳和 様
沖縄タイムス社  編集局長・武富和彦 様

オール沖縄の闘いと県民の矜恃を支えるジャーナリズムに
敬意を表します
                           NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                            共同代表 醍醐聰・湯山哲守

 さる6月25日、自民党若手議員らは講師として百田尚樹氏を迎え、「憲法改正を推進する勉強会『文化芸術懇話会』」と称する会合を党本部で開きました。その中で、マスメディアを敵視し、かつ沖縄の県民とジャーナリズムを冒涜した講演とディスカッションが行われたことに強い憤りを覚えます。
 翌日付で、直ちに貴2紙は「百田氏発言をめぐる琉球新報・沖縄タイムス共同抗議声明」を発表され、その中で「政権の意に沿わない報道は許さないという”言論弾圧”の発想そのものであり、民主主義の根幹である表現の自由、報道の自由を否定する暴論」と糾弾され、特に政権与党の国会議員らが普天間基地の「歴史」を歪曲していることに訂正を求められています。

 私たちは貴2紙のこうした毅然たる対応に敬意を表するとともに、全面的にその「抗議」に賛同します。
 当会、「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」は2007年2月以来8年間(前身の「NHK受信料停止運動の会」から数えると10年間)、NHKの報道・番組に対する監視と激励の活動を行っています。一昨年来は、安倍政権によって周到に準備され送り込まれた、籾井勝人会長による粗暴かつ専横なNHK支配に対して厳しく対峙しています。さらには今回の「事件」につながっている、昨秋来の安倍政権による執拗な「メディア支配」の野望に対しても重大な関心を寄せてきました。
 今回、上記「懇話会」に出席した37人の自民党衆議院議員に対して、別添のような発言の撤回と謝罪、言論・報道の自由を定めた憲法の遵守を求める「要望書」を送付しました。「言論・出版の自由を厳しく保障」した憲法21条と「国会議員に対する憲法遵守」を定めた99条の遵守を厳守するように強く求めた文書です。ご高覧頂けましたら幸いです。

 最後に、7月12日には、当会も参加した首都圏のメディアウォッチ4団体の呼びかけによるシンポジウム「沖縄 戦後70年:基地問題とジャーナリズム」開催をご案内します。別添のチラシのように、山内健治・明治大学政経学部教授の講演および沖縄を厳しくかつ暖かく見つめてきておられる、TBSキャスター・金平茂紀、映画「圧殺の海」監督・景山あさ子、沖縄タイムス東京支社報道部長・宮城栄作の3氏によるパネル討論を企画しています。

 これからも、オール沖縄の闘いと県民の矜恃を支える報道を続けて頂くよう心から祈念します。
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