「籾井会長、百田経営委員の言動」についてNHK経営委員会と監査委員会に申し入れを行いました。
6月6日午後当会は「籾井会長、百田経営委員の言動」についてNHK経営委員会と監査委員会に申し入れを行いました。
≪参加≫
視聴者コミュニティ:醍醐共同代表、渡邉運営委員
(オブザーブ:放送を語る会2名 )
NHK=視聴者部 米森副部長、経営委員会事務局 菅沼明彦副部長
監査委員会事務局 古堅裕康副部長
初めに以下の申し入れ文書2通の趣旨・補足説明
1・経営委員会 委員各位 「百田経営委員の辞職勧告の申し入れ」
2.監査委員会御中 「籾井会長、百田経営委員の言動に関する申し入れ」
≪主な質疑≫
Q:監査委員会の議事録が見当たらないが、定例開催(たとえば月2回の経営委員会の開催日の前後の時間に)されているか?
監査委員会事務局 :これまでの開催記録はHPに公表されているが、経営委員会の前日、月曜日に開催していた。6月には2回開催予定。次回は来週の月曜日。
Q:では、来週9日の監査委員会に間に合うよう、今日の申し入れ文書を届けてほしい。その場合、ただ、机の上に置きましたではなく、事務局なり、常勤監査委員から、これこれの申し入れが届いていると報告してもらい、取り扱いが議論になるようしてほしい。
監:了解した。机の上に置くだけにはならないよう伝える。
Q:籾井会長が就任して以来、会長や百田、長谷川経営委員の言動をめぐって色々と報道され、多くの視聴者から意見が寄せられているが、3名の言動について監査委員会及び監査委員は何か対処をしたか?
監:監査委員会のHPにある以上の事は言えない。
【百田氏の委員会出欠実績】
Q:事前に調査をお願いした百田委員の出欠の実績は?
経営委員会事務局:昨年11月に就任以来、5月末まで15回の委員会があったが4回欠席。
Q:欠席理由は?
経:①就任後当初の11月の会合は元々の予定があったとのこと。②2月25日は海外出張、③3月11日は体調不良、④5月27日は仕事のため。
Q:仕事のためと言うが、委員には職務専念義務があるのではないか?その点で④はどのような仕事だったか監査委員会は確認したか?経営委委員の報酬は日当制ではないというが、報酬年額496万円を年間20数回の会合として一回当たりでみれば20万円を超え、他の政府審議会委員会などに比べて破格である。そんな待遇のなか、15回のうち4回欠席とはどういうことか?
【服務準則の確認?】
Q:「申告書」(正確には「経営委員会委員の服務に関する準則」の遵守についての確認書)は、いわば誓約書であるが実際には自己申告だけで、監査委員が申告内容を調査した事例はあるか? また、自己申告はどのタイミングで提出されるのか?
監:HPにある以外は言えない。
(注)毎年、監査委員会は経営委員から「経営委員会委員の服務に関する準則」の遵守についての確認書の提出を求め、受領した旨を「監査委員会活動結果報告」(直近では平成26年4月22日開催の経営委員会に提出)に記載している。)確認書のひな形は下記に収録されている。
http://www.nhk.or.jp/kansa-iinkai/condition/pdf/report_140422.pdf
Q:常勤の監査委員は、経営委員長(非常勤の場合)よりも高額の報酬を得ているにも拘らず何をしているか分からない。業務の実績を明らかにすべきではないか?
監:HPをご覧いただきたい。それ以上のことは言う立場にない。
Q:監査委員会の会合の議事録はあるのか?
監:内部には記録を残している。
【報道と理事会議事録との齟齬】
Q:4月30日の理事会で消費税の報道をめぐって、籾井会長と理事との間で紛糾したやり取りがあったと報道されたが、公表されたこの日の理事会議事録にはやり取りの一字も無い。報道が間違いなのか、議事録が虚偽なのか?報道が間違いなら、訂正を求めるべきだ。
視聴者部:・・・。その質問は視聴者部が受けることになる。
Q:では、追って文書で質問をするか考えたい。
Q:今日、提出した2つの申し入れについて、期限を設けて文書で回答をお願いしたい。追って、回答要望書を提出するので、各申し入れの宛先に届けてほしい。
視聴者部:副部長の山本宛てに提出してもらったら、届ける。
(注)当日、後刻、回答要望書を提出した。回答期限は経営委員会宛て申し入れについては6月14日(土)、監査委員会宛て申し入れについては6月30日(月)とした。<2014.6.6 渡辺記>
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NHK経営委員会への「百田経営委員の辞職勧告」の申し入れ書
さる5月24日、貴経営委員会の百田委員は、自民党岐阜県連の定期大会に出席し、「軍隊は家に例えると、防犯用の鍵であり、(軍隊を持つことは)しっかり鍵を付けようということ」と語った。さらに軍隊を持たない南太平洋の島しょ国バヌアツ、ナウルの国名を挙げ、「家に例えると、くそ貧乏長屋で、泥棒も入らない」などと両国をやゆする発言をしたと報道されました(時事通信 5月24日)。
百田発言の重大な問題は、「軍隊をもって守る必要がないほど貧乏な国」としてバヌアツ共和国とナウル共和国をあげて蔑視し、かつ口汚く「くそ貧乏長屋に住んでいる」と両国の誇りを傷つけたことです。すでに同委員はさる2月の東京都知事選挙において特定の候補を党派的に応援し、対立候補全てを「人間のくず」と罵って顰蹙を買った「実績」があります。
このように他人や他国を不当に貶める言動をし続ける百田経営委員は「日本放送協会の名誉や信用を損なうような行為をしてはならない」とした「経営委員の服務に関する準則」違反者として経営委員失格です。上記2つの「侮辱発言」を反省することもなく居直る姿勢からは、「経営委員会委員は、放送が公正、不偏不党な立場に立って国民文化の向上と健全な民主主義の発達に資するとともに、国民に最大の効用と福祉とをもたらすべき使命を負うものであることを自覚して、誠実にその職責を果たさなければならない。」(同準則2条、服務基準)という立場に立つことを期待することはできません。
以上述べたことから、当会は貴委員会に次のことを申し入れるものです。
1.百田委員に対して、5月24日自民党岐阜県連定期大会におけるバヌアツ共和国、ナウル共和国に対する蔑視的発言の自己批判・謝罪を求めること。
2.知事選挙での横暴な発言および上記両国に対する侮蔑的発言が、「経営委員の服務に関する準則」第5条、「信用失墜行為の禁止条項」に違反するものとして同委員に「辞職勧告」を行うこと。 以上。
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NHK監査委員会に対する「籾井会長、百田経営委員の言動に関する」申し入れ書
監査委員各位におかれましては日頃より、放送法が定めた重責を果たすため、尽力されていることと存じます。
さて、籾井勝人NHK会長は本年1月25日の会長就任記者会見の場で数々の問題発言をしました。これについて、経営委員長あるいは経営委員会から3度も籾井会長に対して苦言、注意が申し渡されるという異例の事態となっています。
とりわけ、籾井会長が国際放送においては「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」と発言したのは、NHKが政府の要請に基づいて国際放送を行う場合でも、「放送法」第65条第2項によりNHKの番組編集の自由が確保されていることをまったく理解していないことを意味すると同時に、「各国の利害が対立する問題については、一方に偏ることなく、関係国の主張や国情、背景などを公平かつ客観的に伝える」と定めた「NHK放送ガイドライン」に明白に違反しています。
また、安倍首相の靖国神社参拝について「総理の信念で行かれた。それをいい悪いという立場にない」とか、特定秘密保護法について、「政府が必要だと言う説明だから、様子を見るしかない」とか述べた籾井会長の発言は放送法ならびにNHK定款の全体を貫く放送の自主自律の立場を根底から覆すものです。
籾井会長は、これらの発言は個人的見解であり、自分の考えを放送に反映させるつもりはないと断っています。しかし、会長就任会見で籾井氏は、「最終的には会長が決めるわけですから・・・・私の了解をとってもらわないと困る。NHKのガバナンスの問題ですから」と述べています。現に、4月30日の理事会で籾井会長は番組内容を検証した考査報告をめぐって議論が交わされた際、消費税率の引き上げで生活が苦しくなるという高齢者の声を伝えた街頭インタビューに口を挟み、そうした声を伝えるだけではニュースにならない、政府が検討している低所得者対策も個々の番組の中で伝えるべきだという持論に固執したと伝えられています。
こうした経緯を踏まえれば、籾井会長は、NHKの番組は国際放送にとどまらず、国内放送でも、政府の政策をくみ取ったものであるべきだという意見の持ち主であると同時に、それを個人の見解に留めず、番組制作にまで浸透させる意図を持っていると考えざるを得ません。
こうした意図が今後も現実の行為として実行される可能性が高く、そうなれば、NHKは自主自律の立場で放送を行うという視聴者の信頼を著しく損なうことは明らかです。
問題発言は籾井会長にとどまりません。本年1月22日、参議院議員会館講堂で開かれた「戦争反対! 女性大集合」に出席したNHK経営委員の長谷川三千子氏は、「私は安倍首相の応援団長です。このたび、NHKの経営委員にもなりました」と公言しました。
NHK経営委員の百田尚樹氏も、さる2月3日、都内3か所で都知事候補の田母神俊雄の応援演説を行い、田母神氏以外の候補者を「人間のクズ」と罵倒しました。さらに、百田氏は本年5月3日の憲法記念日に改憲派が開いた集いに登壇し、「護憲派は大ばか者」と放言したほか、5月24日には自民党岐阜県連の定期大会に出席し、「軍隊は家に例えると、防犯用の鍵・・・・」と述べ、軍隊を持たない南太平洋の島しょ国バヌアツ、ナウルは「家に例えると、くそ貧乏長屋で、泥棒も入らない」などと暴言をほしいままにしました。
これら2人の経営委員の発言について、経営委員会は、経営委員も職務外の言動言論は自由という見解を繰り返し、問題視しない態度を取り続けています。しかし、百田氏の最後の発言について、浜田経営委員長は「もう少し慎重に発言した方が良かった」と苦言を呈し、上村達男経営委員長職務代行者も他国を「くそ貧乏長屋」に例えたことは「いささか品格を欠く」と批判的な見解を示しました。
私たちは、NHKの役職者にも職務外の場では言論の自由が認められることは十分承知しています。しかし、政府首脳の場合がそうであるように、NHKの会長や経営委員が職務の内と外で公人、私人を使い分けることが通用するかどうかは、その地位、発言がなされた場面等の状況に照らして判断すべきであり、当事者の主観的意識だけで決まるものではありません。このことは、内閣総理大臣や閣僚の靖国神社参拝の例を見ても明らかです。
したがって、籾井会長、百田・長谷川両経営委員の上記のような言動を個人の言論の自由を盾に放免するのは不適切だと私たちは考えます。
現に、経営委員長職務代行者の上村達男氏は、籾井会長が国際放送に関して「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」と発言した点、特定秘密保護法の報道に関して「(成立したので)もう言ってもしょうがない。政府が必要だと言う説明だから、様子を見るしかない」と発言した点を挙げて、「私は〔こうした籾井会長の〕個人的見解そのものに『誤り』があると考える」と断言しています。その上で、上村氏は「こうした見解を持ち続けたまま会長職を続けることはできないはずだ」とまで述べています(「毎日新聞」2014年5月5日)。
また、百歩譲って、百田氏の一連の言動が職務外のものだったことを考慮するとしても、同氏の上記のような品位と人権への配慮を欠く言動は「経営委員の服務に関する準則」に反するものです。なぜなら、「服務準則」の第5条で禁じられた信用失墜行為(NHKの名誉や信用を損なうような行為をしてはならないとする定め)は、人事院の指針を見てもわかるように、飲酒運転やセクハラ行為など、職務外の言動も含んでいるからです。
実際、NHKでも1991年、キャスタ-を務めていた松平定知氏が、泥酔してタクシーの運転手を電話機で殴ったり足蹴りをしたりするなどの暴行を働いた責任を問われて「NHKモーニングワイド」を年度途中で降板するとともに局次長級エグゼクティブアナウンサーから部長級チーフアナウンサーに降格されました。
NHKの最高議決機関である経営委員会の委員が他国や他者を侮辱する暴言を吐いた行為がNHKの信用に及ぼす影響は、松平氏の暴行が及ぼした影響よりもはるかに広く、重いのは間違いありません。
そこで、当会は貴委員会および委員に対し、以下の申し入れを行います。
【申し入れ】
放送法は第46条で、「監査委員は、役員が協会の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によつて協会に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該役員に対し、当該行為をやめることを請求することができる」と定めています。
1.籾井会長の放送法等からの逸脱行為の差し止め
前記のような籾井会長の一連の発言は、放送法第46条が定めた「役員が協会の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によつて協会に著しい損害が生ずるおそれがあるとき」に十分に該当するとみなされます。
そこで、当会は監査委員各位に対し、放送法第46条を発動して、籾井会長に対し、国策に沿った放送を行うとの言動ならびに指揮をやめることを請求するよう申し入れます。
2.百田経営委員の服務準則違反行為の差し止め
百田経営委員の野卑で人権を冒涜する発言、政治的公平を蹂躙する言動は目に余るものがあります。特に、5月24日に自民党岐阜県連の定期大会に出席し、「軍隊は家に例えると、防犯用の鍵・・・・」と述べ、軍隊を持たない南太平洋の島しょ国バヌアツ、ナウルは「家に例えると、くそ貧乏長屋で、泥棒も入らない」などと暴言を吐いたことはNHKの国際的信用をも失墜させる行為であり、経営委員の服務準則に違反することは明白です。
しかも同氏のこれまでの言動から考えて、こうした信用失墜行為が繰り返される蓋然性は極めて高いと考えられます。
よって、当会は監査委員各位に対し、放送法第46条を発動して、百田経営委員に対し、NHKの信用を失墜させる言動を差し止める措置を講じられるよう申し入れます。 以上
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NHK経営委員会に対する「本日の申し入れに対するご回答」の要望書
本日、当会は貴経営委員会に対し、「百田経営委員の辞職勧告の申し入れ」を提出しました。これにつきまして、貴委員会でどのように対処いただいたかを6月14日(土)までに書面で下記宛てに回答くださるよう、お願いいたします。
なお、最近、当会を含む団体が共同で貴委員会宛に回答要望付きで提出した質問書について、貴委員会は、会長、経営委員長などの国会での答弁、記者ブリーフィング、議事録等で明らかにしているとおりで、個別の質問への回答は控える旨の返答を繰り返しておられます。
しかし、
1.当会ほかの質問は、どれも、公表された会長、経営委員長などの国会での答弁、記者ブリーフィング、議事録等では明らかにされていない重要事項に関わるものです。
2. 貴委員会は本年2月12日付で「経営委員の言動についての経営委員会の見解」と題する文書を公表され、その中で、「経営委員会は、『経営委員会委員の服務に関する準則』をみずから定めており、経営委員はこの準則を遵守する義務を負っている。」「経営委員会において、経営委員一人ひとりが、この準則にのっとり、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚するとともに、一定の節度をもって行動していくことを、あらためて申し合わせた。」と記されています。
しかし、本日、当会が提出した申し入れ書で指摘したとおり、百田尚樹経営委員はその後も、他人や他団体、他国の尊厳を貶める品位のない言動を繰り返しています。
今回の当会の申し入れは、こうした百田経営委員の「経営委員会委員の服務に関する準則」に明確に違反する行為について、貴委員会に自浄措置を求めるものですから、すでにどこかで説明済みといえるものではありません。 以上
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参考:醍醐聰のブログ:百田NHK経営委員に辞職勧告を:視聴者コミュニティ、経営委員会に申し入れ
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コメント
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投稿: 中村 孝 | 2014年6月 8日 (日) 12:14