改めて「籾井NHK会長の罷免を求める」申し入れと「最近のNHKの放送番組に関する質問書」を提出しました。
本日(2月6日)13時30分にNHK放送センターへ出向き、2名の視聴者部副部長と面会して、2件の文書を提出しました。
① ● NHK経営委員会宛て「改めて籾井NHK会長の罷免を求める申し入れ(回答要望付き)」
② ● 籾井NHK会長/石田研一放送総局長宛て「最近のNHKの放送番組に関する質問書」
(①、②へのNHK回答は末尾にあります。)
面会は約45分間。最初15分は醍醐より提出文書の要点を説明しました。以下は、その後のやりとりのメモです。
Q:昨日の国会質疑でNHKの役員は、NHKに1万2千件ほどの意見が寄せられたと答弁されたが、それは東京の放送センターに寄せられた分だけか?
A:各地の放送局に寄せられた分も集計したもの。
Q:それらの意見とは籾井会長発言に関するものだけか? 百田・長谷川両経営委員の言動に関する意見も含まれているのか?
A:NHKとして、まずトップについて寄せられた意見を集計した。経営委員に関する意見は含んでいない。
Q:2日ほど前からこれら2人の経営委員の言動についても大きく報道されているが、それについての意見はどれほど来ているのか?
A:・・・・・
Q:当会は2人の経営委員の言動についても文書を提出する準備をしている。その際の参考資料として反響を知りたいので、今現在の集計を教えてほしい。
A:・・・・ふつう、意見を寄せるのは批判や不満がある人がほとんど。満足している人はあえて意見を届けたりしないようだ。
Q:そういう面があることは否定しないが、私たちに届く意見の中には、「何を言っても通じない」、「もうNHKは見ない」「受信料を払いたくない」、「テレビはいらない」という声も多い。こいう視聴者に受信料の支払い督促をするだけではNHK離れ、テレビ離れを増やすだけではないか?
A:私たちも意見を言わない人たちはどういう状況なのかを把握する必要があると思っている。
Q:2人の経営委員の言動について寄せられた意見も集計して公表してほしい。
Q:今朝の新聞報道では上の2人の経営委員を国会に参考人として招致しようという動きがあるとのことだが、本決まりなのか?
A:そういう動きがあることは承知しているが、本決まりかどうかはわからない。
Q:新聞報道によると、百田、長谷川両経営委員の言動について、経営委員会事務局は、「個々の委員がどんな信条を持っていたとしても、経営委員会全体が偏らない判断をするならば問題ない」(注:「朝日新聞デジタル」2月4日13:05)と説明したとされている。
事務局がこういう発言をしたのは重要な意味を持つと思うが、何かの内規を根拠にしたものなのか? それとも取材に応じた事務局メンバーの解釈なのか?
A:この場ではわからない。
Q:重要な問題なので調べて教えてほしい。
A:経営委員会事務局の発言はどんな根拠によるのか、ということですね?
Q:そうです。追って、電話で確かめさせてもらうので調べておいてほしい。
(記:醍醐 聰)
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NHK経営委員会御中 2014年2月6日
改めて籾井NHK会長の罷免を求める申し入れ(回答要望付き)
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
貴委員会におかれましては、日頃より、NHKの公共放送として充実をはかるためご尽力されていることと存じます。
当会は1月27日に貴委員会宛に文書を提出し、その中で次の3点を申し入れました。
1. 1月25日に開かれた会長就任の記者会見の場で一連の発言によって、NHK会長の職に不適格な人物であることが明瞭になった籾井勝人氏をNHK会長職から解任するか、籾井氏に辞職を勧告していただくこと。
2. 会長就任早々、言論・報道機関の責任者としての自覚のなさをさらけ出す発言をするような人物を選任した貴委員会の任命責任を十分に協議され、その議事録を全面的に公開していただくこと。
3. 現在のNHK会長選考のシステムを、視聴者に開かれた、より透明なものにするよう抜本的に改革するための第一歩として、NHK会長選考のあるべき仕組みについて、広く視聴者から意見を求める機会(パブリックコメントや公聴会の開催)を近々に設けていただくこと。
以上のような申し入れをして以降、1月28日に開催された貴委員会での籾井会長発言をめぐる審議の模様が報道され、さらに1月31日には衆議院予算委員会に籾井会長が招致されて、質疑が交わされました。これらの新たな情報にもとづいて、改めて後掲の申し入れをいたします。これらについて、27日付けの上記の3点の申し入れと併せ、2月15日までに別紙宛に文書で回答をお送りくださるようお願いいたします(先日の申し入れでは2月10日までに回答をいただくようお願いしましたが、上記2,3の申し入れと今回の申し入れに対するご回答を2月15日までと変更させていただきます)。
籾井会長は1月25日の記者会見で、NHKが行う国際放送に関し、「領土問題については明確に日本の立場を主張するのは当然のこと。政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」と発言されました。こうした発言は「放送法」第65条で定められた、NHKが実施する国際放送は、明文にあるとおり、総務大臣からNHKに対する要請であって、NHKから言えば、それに応じるよう努める努力目標であって義務ではないこと、応じる場合も、放送番組の編集の自由に配慮すべきことをまったく理解しないものでした。
ところが籾井氏は1月31日の国会での質疑において、この点を質された場面でも、国際放送はNHKの義務かのように答弁し、「右」「左」を「赤」「白」に訂正するという意味不明の答弁をしました。
また、25日の会見での発言のどの部分を撤回したのかについても、「従軍慰安婦」に関する部分だけだったのかのような答弁をする一方、「全部取り消した」とも発言し、正確な真意はいまだ不明のままです。
国会での籾井会長の答弁は終始、背後に控えたNHK職員から差し出されるメモを頼りにしたもので、「放送法」はもとより、公共放送に関する同氏の理解の欠落が露呈したものでした。
これらの発言に接したNHK幹部からは「あの従軍慰安婦発言は無知すぎる。同じ組織の人間として恥ずかしい」という感想が出され、ある経営委員は「個人的な発言なので今回は支える。だが、2度目はない」と発言したと伝えられています(『西日本新聞』2014年1月28日)。
しかし、NHK会長に「見習い期間」や「試行期間」があるわけではありません。就任後は即、その言動にNHKのトップとしての責任が問われるのです。
貴委員会はひとまず個人的見解として収拾するとされましたが、貴委員会内の指名部会で同意された「会長資格要件」は選考時点での籾井氏の個人的見識なり資質なりを問うたものですから、「従軍慰安婦はどこの国でもあった」と述べて当時の政府や軍が関与した戦時性暴力を是認するかのような籾井氏の個人的見解こそが問われなければならないのです。当会は、そのような人権意識の持ち主が「放送を公共の福祉に適合するように規律し」、「放送が健全な民主主義の発達に資するようにする」(「放送法」第1条)職責を担えるとは到底、判断できません。
申し入れ
「放送法」は第55条で、「経営委員会は、会長、監査委員若しくは会計監査人が職務の執行の任に堪えないと認めるとき、又は会長、監査委員若しくは会計監査人に職務上の義務違反その他会長、監査委員若しくは会計監査人たるに適しない非行があると認めるときは、これを罷免することができる」と定めています。
当会は上記のような理由から、籾井勝人氏はNHK会長の「職務の執行の任に堪えない」人物であると判断し、同氏をNHK会長職からすみやかに罷免するよう求めます。 以上
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NHK会長 2014年2月6日
籾井勝人様
NHK放送総局長
石田研一様
最近のNHKの放送番組に関する質問書
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
貴職におかれましてはNHKの放送番組の充実のためにご尽力いただき、お礼を申し上げます。
私たちはNHKが国内外の諸問題について、様々な政治・経済勢力、とりわけ時の政権から自立した立場で、視聴者に多様な情報や意見を公平・公正に伝え、それを通じて視聴者が理性的な判断力を持って参政権を行使するのを支援する役割を果たすことを願っています。
しかし、最近放送された番組のなかで、こうしたNHKの使命にもとる問題が起こっています。以下、これらについて質問をしますので、ご多忙のこととは存じますが、2月14日(金)までにご回答を別紙宛先まで文書でお送りくださるよう、お願いいたします。
1.籾井勝人会長の就任記者会見での発言問題を28日まで自局のニュース番組で伝えなかったのはなぜなのか。
1月25日の会長就任会見で籾井会長は「従軍慰安婦」問題、靖国神社参拝問題、領土問題に関する国際放送、特定秘密保護法などについて言及されましたが、それらはすべて「放送法」に定められた公平・公平、不偏不党、多様な意見の反映に真っ向から反するものでした。特に、「領土問題については明確に日本の立場を主張するのは当然のこと。政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」という発言は、「国際的な紛争や各国間の利害が対立する問題などを取り上げる場合は、関係国の主張や国情などを客観的に伝えるとともに、日本の立場や世論の動向などを考慮して取り扱う」と定めた「NHK放送ガイドライン」にもとる暴言でした。
そのため、NHKには1,800件(1月29日現在)を超える意見が寄せられ、全国紙も26日朝刊以降、連日、多くの紙面を割いて籾井会長の発言の重大性を報道しました。
ところが、当会がNHK視聴者センターに問い合わせて確認したところでは、NHKは28日の19時と21時のニュース番組で、それも国会の質疑で籾井発言が取り上げられたのを短く伝えただけで、それ以前はこの問題をまったく伝えませんでした。
この問題を考えるに当たって当会は、NHKが取材する側とされる側の双方当事者となる場合の放送のあり方を厳しく問いかけなければならないと考えます。
「NHK放送ガイドライン」の末尾に添付された「BPOの主な決定(NHK関連)」の中で、2001年にNHKが4回シリーズで放送した「ETV2001 戦争をどう裁くか」の第2回「問われる戦時性暴力」を巡って、取材対象となった「女性国際戦犯法廷」を企画した市民団体がNHKに対して訴えを起こした裁判の報道を巡ってBPOが示した2つの意見・見解が掲載されています。2つは個別の内容に違いはありますが、NHKが報道する側とされる側の双方当事者となった点では共通しています。
1つ目は、「ETV2001」をめぐる東京高裁判決を伝えた「ニュースウオッチ9」がNHK側の言い分だけを伝え、訴えを起こした市民団体側の見解をまったく伝えなかった点について、BPOの放送人権委員会は、「NHK自身が、裁判の当事者だという特殊性を考えると、一般の裁判報道よりも公平・公正の点でより慎重な取り扱いが求められる」と指摘し、「相手方の見解になんら触れることなく、自らの解釈や番組への介入が疑われた政治家のコメントだけを放送したことは、公平・公正な取り扱いを欠き、放送倫理に違反する」とする見解を示したものです。
もう一つは、同じく「ETV2001」シリーズの第2回目の番組は放送倫理に反するとする市民の提訴に対して、BPOの放送倫理検証委員会が意見を表明したものです。この中で放送倫理検証委員会は、「国会担当の局長が制作現場の責任者に〔番組の〕改編を指示したことは公共放送にとって最も重要な自主・自律を危うくし視聴者に重大な疑念を抱かせる行為だった」と厳しく指摘しました。
【質問Ⅰ】 | |
Ⅰ-1 | NHKに対する国民の信頼を根底から揺るがす今回の籾井会長の発言を、国会で取り上げられるまで自局の放送で一切、報道しなかった理由をわかりやすく具体的にご説明ください。 |
Ⅰ-2 | NHK が報道する側とされる側の双方当事者となった場合、自局の放送で当該問題の報道を抑制するバイアスがからないようにするには、番組制作部門と経営 部門に利益相反が生じないようなファイアーウオール措置が必要です。これについて、NHKはどのような措置を講じているのかご説明ください。例えば、政治 部の記者などが取材で接触した政治家の意向を番組編集部門に公式・非公式に伝えるといった関与をさせない措置をどのように講じているのか、ご説明くださ い。 |
2.原発問題をテーマにしたラジオ番組の放送をなぜ中止したのか?
1月30日の午前5~8時のラジオ第1放送「ラジオあさいちばん」で出演予定の中北徹・東洋大教授が「原発の再稼働のコストと事故リスク」をテーマに取り上げようとしたところ、番組担当のディレクターに「都知事選中は原発問題はやめてほしい」とテーマ自体の変更を求められ、中北教授がこれを断ったため放送が中止になったと伝えられています。
これについて、NHK広報部は「都知事選では原発をめぐる問題が争点の一つになっており、選挙期間中はより公平性を期す必要がある。今回は出演上、そうした対応を取ることが困難だったため、テーマの変更を求めた」(『毎日新聞』2014年1月31日)と説明しています。
しかし、当会が入手したこの番組の原稿メモによれば、中北氏は、①事前の安全確保の対策、保険料などといった原発稼働のコストが世界的にアップしていること。②万が一の際、巨大事故がもたらす損害が膨大化していること。③日本の場合、廃炉の費用が発生しているが、それが企業の費用に明示的に計上されていないこと、などを根拠に挙げ、それぞれを裏付けるデータを解説した上で、原発(稼働)ゼロでも、経済成長が実現できることを論じようとしたものでした。
その上で、中北氏は解説の最後で、原発事故発生のリスクと巨大事故が起きた際の損害額との関係に触れ、原発発生のリスクである積(事故の発生確率と、その事故がもたらす損害賠償料との両者の掛け算)の値を確実に減らし、ゼロにできるのは、原発を止めることになるだろうと説き、安倍首相も呼びかけた国民的議論の活性化を望む、と述べて解説を結ぶ予定だったといわれています。
「NHK放送ガイドライン」は、「意見が対立する問題を取り扱う場合には、原則として個々のニュースや番組の中で双方の意見を伝える。仮に双方の意見を紹介できないときでも、異なる意見があることを伝え、同一のシリーズ内で紹介するなど、放送全体で公平性を確保するように伝える」と定めています。
この点でいえば、中北氏は番組の中で、即時脱原発路線を支持するのか、それとも、時間をかけながら、緩やかに原発依存を減らしていくのか、という費用の選択の問題になる、それは国民がどう選択するのか、という政治的な課題である、と説明する予定だったと言われ、都知事選で特定の候補者の支持・不支持を促すものではありませんでした。
このように反証可能な実証的データに裏付けられた問題提起的な論説までも、「不偏不党」の原則を盾に抑制するのはあまりに過剰反応であり、重要な政治経済問題について国民の間で議論を喚起するという公共放送の使命に逆行するものです。かりに、上記の「NHK放送ガイドライン」に沿って、中北氏の見解と異なる意見を紹介しようと思うなら、NHK側の番組出演者が別の見解を紹介するなり、別の意見を取り上げる番組を企画すればよいのであり、個々の番組の中で対立する意見を紹介しない番組はまかりならないなどといった判断は成り立ちません。
【質問Ⅱ】 | |
Ⅱ-1 | NHKは原発問題を取り上げる予定だった中北徹氏の出演予定の上記番組を、中北氏の不同意にもかかわらず、放送中止とした理由をわかりやすく、ご説明ください。 |
Ⅱ-2 | NHKは個々の番組の中で異なる意見を反映させない番組は常に放送しないという基準を採用しているのか、ケースバイケースで判断するのかどうかをお聞かせください。後者の場合は、どのような基準で採否を判断するのか、ご説明ください。 |
以上
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①へのNHKからの回答書
平成26年2月14日
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
共同代表 湯山哲守 様、醍醐 聰 様 経営委員会事務局
貴会より1月27日付けおよび2月6日付けで、経営委員会宛てに頂いた申し入れにつきまして、以下のとおりお答えいたします。
このたびの、籾井会長の就任会見における発言については、視聴者の皆さまから、さまざまなご意見、申し入れなどをいただいており、各方面にご迷惑をおかけしたものであると認識しております。
一連の動きに関する経営委員会としての考え方につきましては、現在行われている国会審議における答弁、ならびに経営委員会終了後の記者ブリーフィングや議事録などにより公表させていただいております。
したがいまして、ご意見、申し入れに関する個別のご回答は、現段階では、差し控えさせていただきます。
何卒、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
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②へのNHKからの回答書
平成26年2月14日
NHKを監視・激励する視聴者コミュニテイ
共同代表 湯山哲守・醍醐 聰様
日本放送協会 編成局
計画管理部長 黄木紀之
貴コミュニテイ共同代表、湯山哲守様、醍醐聰様より当協会会長及び放送総局長宛てにいただきましたご質問につきまして、会長、放送総局長に代わり小職より回答いたします。
【ご質問I-1について】
1月25日(土)の会長の記者会見での発言については、当日のニュースで、就任にあたって放送法の順守に努めるとともに、国際放送の充実に取り組む考えを示したことを伝えました。また、28日(火)には、衆議院本会議の代表質問で、民主党の海江田代表が取り上げた会長発言の質疑の様子をお伝えしました。さらに、2月7日(金)には、参議院総務委員会での質疑や、質問主意書に対する政府の答弁書の内容について放送しています。
就任会見における会長の個人的な見解については、質問を受けたため、会長が個人的なコメントと断った上で述べたもので、同じ会見での記者とのやりとりのなかで、「全部取り消す」と発言する経過をたどりました。また、会長は、個人的な見解を放送に反映させることはないと発言しています。
就任会見の報道にあたっては、こうした点をふまえてお伝えしました。
【ご質問I-2について】
NHKの番組の編集権と編集責任は、最終的には業務の執行を総理する会長にありますが、具体的な運用の権限は番組制作部門の各番組責任者に段階をおって授権されています。これに対し、経営部門には、番組編集権は授権されておらず、経営部門が番組編集に関与することはありません。各番組の責任者は、その責任範囲について、放送法や国内番組基準(国際番組基準)、放送ガイドラインの基準に基づき、それぞれが主体的に編集判断を行っていますので、そこに経営部門の意向が反映されることはありません。
また、NHKは放送法にもとづき、国内放送に関わる「中央放送番組審議会」と「地方放送番組審議会」、国際放送に関わる「国際放送番組審議会」を設け、放送番組の内容について学識経験のある方々の意見をうかがうこととしており、こうした制度上の仕組みも番組制作部門の自律を保障する役割を果たしていると考えています。
公共放送として、不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、また、報道機関として国民の知る権利に奉仕する観点から、何人からも干渉されず、ニュースや番組が外からの圧力や働きかけによって左右されてはならないとする放送の自主・自律の姿勢を堅持して、今後も国民の負託に応えていく所存です。
【ご質問Ⅱ-1について】
原発問題は東京都知事選挙の争点のひとつで、選挙期間中の番組でこの問題を扱う場合、NHKとしてはより公平性を期す必要かおり、中北教授が番組で述べようとした内容については、問題提起的な論説にとどまらないと判断いたしました。
中北教授の出演を予定していた「ラジオあさいちばん」の「ビジネス展望」は、経済、金融、中小企業などが専門のレギュラー出演者に、自ら設定したテーマについてお話しをしていただく、およそ8分間のコーナーです。キャスターと出演者を電話で結び、収録または生放送で伝えるのが基本スタイルです。
こうした番組の特性から、仮に異なる意見を紹介するような場合は、数日あるいは週を通じたシリーズを組んでお伝えする方法が考えられます。しかし、今回、中北教授から予定原稿がNHKに送られてきたのは、放送前日になってからのことでした。「ビジネス展望」のレギュラー出演者の方々には、大変多忙な中でご出演の予定を組ませていただいており、すでに年度末までの出演者が決まっておりました。
放送が翌日に追っている中で、急きよ、原発問題をテーマにしたシリーズに変更し出演者を調整し直すことは、時間的にも物理的にも困難でした。このため、中北教授には今回はテーマを変更していただくようお願いしましたが、理解が得られませんでした。
【ご質問Ⅱ-2について】
「個々の番組の中で異なる意見を反映させない番組は常に放送しない」というような基準はございません。NHKは、原則として、個々の番組において対立する意見の双方を伝えるよう努め、また企画や番組の演出により複数回にわたる場合は、同一のシリーズの中などで公平に取り扱うよう努めています。
このようにNHKの放送全体として、公平性を確保するようにしています。
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
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