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2011年2月10日 (木)

NTTが分割回避に躍起、光ファイバー接続料を3割値下げ:東洋経済

NTTが分割回避に躍起、光ファイバー接続料を3割値下げ(1) - 11/02/10

 NTT東日本とNTT西日本は1月21日、超高速ブロードバンドが可能な光ファイバー回線を他事業者に貸し出す際の接続料について、大幅に引き下げる料金改定案を総務省に申請した。
 1芯当たり月額4610円(東日本の場合)の料金を、
2011年度からの3年間で段階的に引き下げ、約3割安い3380円にする。認可されれば、4月1日から新料金が施行される計画だ。
 大幅な値下げに動く背景には、昨年来、
ソフトバンクとの間で火花を散らしてきた「光の道」論争がある。

 一昨年の12月、総務省は原口一博・前大臣の下、
超高速ブロードバンドの利用率10割を目指す「光の道」を構想した。光回線の利用率は現状約3割にとどまる。原因として槍玉に挙がった一つが、接続料の高さだ。

 NTTは、回線の敷設に欠かせない電柱、とう道など、
固定資産の大半を保有。そのため、同社には他事業者への設備の公平な貸し出しが義務づけられている

 ソフトバンクは、NTTの接続料が高止まりしているため、
加入者が支払う光回線の利用料も高くなると主張。NTTから光回線部門を分離した新会社の下で、銅線から光回線への一斉切り替えなどを効率的に行えば、光回線の貸し出し料をADSL並みの月額1400円にまで大幅低減できると提案した。
接続料の改定が認められれば、消費者が支払う光回線利用料の引き下げにつながる可能性は大きい。NTTはすでに、現在より安いプランの導入を検討しているもようだ。

 同社の光回線の加入件数は、1400万超。シェアこそ75%
を握るが、かつて目標に掲げた3000万契約には程遠い。現在の目標である2000万の達成もメドが立っていない。日興コーディアル証券の通信担当アナリスト、森行眞司氏は「(今回の値下げは)踏み込んだ料金設定。併せてユーザー向けに割安な新料金を導入すれば、需要が喚起される」と話す。
 また、NTT東日本の中川裕・経営企画部長は「
原価である接続料が下がることで、(各社が)ADSL並みの料金で光ファイバーを提供する環境が整う」と発言。KDDIの田中孝司社長は「接続料の値下げ幅が大きいに越したことはない」と、おおむね歓迎の意向を示している。

 ただし、ソフトバンクだけは強硬に反対姿勢を貫く。「
公正な競争環境が整っているとはいえず、このままでは競争の進展が望めない。(中略)非常に問題であると考える」との書面を公表した。
 問題視するのは、NTTが1芯(8回線)単位でしか貸していない点だ。高価な光ファイバーを8回線借りても、うち数本しか契約を取れなければ、採算は合わないと主張。年明けには片山善博・総務相に対し、1回線から貸し出しを求める要望書を提出した。

 総務省は、NTTの申請内容を有識者から成る情報通信行政・
郵政行政審議会に諮問。今後1~2カ月で、認可に向けた検討をする。
 「光の道」構想の延長線上にある今回の値下げ。
ソフトバンクは同構想の最終報告案がまとまった後も、テレビCMやインターネットなどを通じて、国民に自社案への賛同を求めている。同社がNTT案に反対し続ければ、もう一悶着起こる可能性はある。

 申請どおり認められても、
利用率が総務省の思うように上昇しなければ、分割論が再燃しかねない。NTTの悩みの種はつきない

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