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2010年12月14日 (火)

ICT権利保障等フォーラム(第11回)最終回

平成22年12月14日(火)10:30~
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/kenri_hosyou/38189.html

  • 議事次第PDF
  • 報告書(案)PDF
  • 報告書(案)別添資料編PDF
  • 参考資料PDF
  • 第10回会合議事録PDF
    最終報告書(案)
  • •「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」報告書
  • •「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」報告書別添資料編
  • ──────────────────────────────────────
    議論を続けよう!~ 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)より

    「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」が14日、最終回を迎え、報告書を採択して閉会した。当初、放送分野における独立行政委員会の設置が検討されたが、原口前大臣が示したその方針は、焦点をぼかされ、結果の出ないまま閉会を迎えてしまった。この最終回の様子は、http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/kenri_hosyou/38189.htmlから、見ることができる。

    年末で忙しいとは思いますが、聞き流しでもかまわないので、ぜひ、聞いてほしい。一様に、フォーラムで自由な議論ができたということを指摘している。審議会がいかに官僚によってコントロールされてきたかが、分かる。
     元フジテレビキャスターの黒岩祐治氏などは、官僚のリードがなかったからどっちに向かうか不安だったなどという趣旨の発言をしているくらいだ(私は官僚主導の審議会を受け入れますよ。次からも呼んでください、というサイン?)。


     本題に入ろう。
     皮肉なことに、報告書(http://www.soumu.go.jp/main_content/000094674.pdf)を読むと、何が問題かが逆に浮かび上がってくる。
     独立行政委員会の要否に関する議論は、3頁から記載されている。


     積極的な考えとしては、次の3つ紹介されている。
    ●ア) 電波法と放送法という2つの法律による、非常に歪んだ法的な枠組みになっていることが、放送事業者がコンプライアンスを確立しにくい、放送を巡る不祥事が後を断たない根本的な原因と言うべき。このような歪んだ法的な枠組みを解消する一つの方法として、新たな機関の創設が必要だということであれば、FCCのような組織の創設といった選択肢も十分にあり得る。【郷原構成員(第 1 回議事録P7)】

    ●イ) 独立行政委員会の設置は、通信・放送の独立と報道・放送の自由を保障するものとして重要。BPOの取組などを活かした政治からの独立を、社会全体の総力を挙げて実現すべき。【深尾構成員(関係者ヒアリングにおける意見)(第5 回深尾構成員提出資料P1、第5回議事録P12)】

    ●ウ) 全く行政指導を行わなかった大臣もいれば、多発している大臣もいる。大臣ごとの差異が恣意的だと断定するつもりはないが、恣意的な発動を防ぐためには、政府から独立した独立行政委員会が放送行政を担うことが重要。【日本弁護士連合会(日隅弁護士)(関係者ヒアリングにおける意見)(第4回議事録P20)】

     対して否定的な考え・消極的な考えは、13も紹介されている。
    ●ア) 砦を下手につくると、逆に自由を破壊することになり得るという危険性を感じる。例えば、政治的に公平であるということは、テレビの実際の最前線にいる人間ができるだけ公平にという志を忘れないようにすること以外に、守ることはできない。何か特別な、新たな機関をつくれば、突然、報道の自由が確保されるといったことはあり得ない。【黒岩構成員(第1 回議事録 P11)】

    ●イ) 砦をつくることによってうまくいくものだけではなく、今まで自主的な活動の中でうまくいっている部分、または展開ができてきた部分もあるのではないか。制度化されることによってうまくいく、又はうまくいってきた事例もあるかもしれないが、制度化されなかったことによる効用も、併せて検討する必要があるのではないのか。【音構成員(第2 回議事録 P12、P13)】

    ●ウ) 韓国のKCCなり台湾のNCCはうまくいっているのかというと、随分苦労しているという報告やレポートも、読むことがある。海外の事例というと、つい欧米を調べるケースが多いが、身近なところで起こっている事例も併せて調べてみると、随分参考になるのではないか。【音構成員(第2 回議事録P13)】

    ●エ) 視聴者・国民の利益拡大につながる放送サービスの在り方を積極的に模索する必要があると思うし、その1つの方向性として「砦」論議というのは非常に有用だと考えるが、「砦」が制度化されると、「砦」自体が権力化・形骸化してしまう危険性が常につきまとう。【音構成員(関係者ヒアリングにおける意見)(第 3 回議事録P11)】

    ●オ) 多くの国では、放送を規制する独立規制機関が存在している。これらはいずれもハードな内容規制の主体であり、政権交代を前提に、時の政権からの放送行政の独立性、中立性、専門性を確保することにあるが、委員の人選が政党政治の影響を受けないでいられるかは、韓国、台湾の例を見ても若干不安が残る。また、仮に放送・通信全体について企画立案権限も、規制権限も有するようなスーパー委員会のようなものを通常の政治プロセスから切り離してつくるとすると、国民生活に密着したICT分野の規律としていいか別途検討を要する。【宍戸構成員(関係者ヒアリングにおける意見)(第 4 回議事録 P6、P7)】

    ●カ) 議院内閣制のもとでは、行政だけではなく、国会・政党からの独立も必要。総務省だけではなく、その他の官庁、自治体、さらには与野党からの圧力からの盾でもなければならない。「砦」を強力にすればするほど、その「砦」を乗っ取ろうという誘惑も当然働く。人選の中立性をどのように確保するか。その政治化を招かないような仕組みが我が国でも可能か。ここは深掘りをして検討する必要がある。【宍戸構成員(関係者ヒアリングにおける意見)(第 4 回議事録 P8)】

    ●キ) 先日、CS放送の番組がネット中継された際、リアルタイムにツィッターでいろいろな人の意見が返ってきた。驚くほどまともな意見が多く、みんなで自由に監視する状況になっている。国が報道の自由を守る砦をつくること自体が、時代にそぐわなくなっているのではないか。新しいメディアの状況に入っているときに、前時代的な議論をしているのではないか。【黒岩構成員(第 6 回議事録 P12)】

    ●ク) 何もつくる必要はないと思っている。議論だけすればいいと思う。
    【黒岩構成員(第6 回議事録 P16)】

    ●ケ)「砦」をつくろうというその作業自体が言論の自由をつぶしてしまう。そういう危険性を感じる。「砦」というと、やはり我々の頭の中には「砦」が浮かぶ。そうすると、やはりデリケートな問題にかなり強力な圧力がかかってくる。もうそのこと自体が圧力になってくる。【黒岩構成員(第7 回議事録 P14、P15)】

    ●コ) 強権的な「砦」をつくると、そこが何らかの規制機関になる。規制機関によってメディアが萎縮することがあってはいけないし、そんな砦をつくることは誰の利益にもならない。【浜井構成員(第7回議事録 P17)】

    ●サ) BPOですら現場に対する萎縮効果を与える。いわんや、また新たな組織をつくったら、組織をつくれば何とかなるというのは、この日本の国の大きな過ちであり、病気。つくらない方がいい、つくったらもっと萎縮するだけ。【黒岩構成員(第 7 回議事録 P20)】

    ●シ) 独立行政委員会を仮に作るとすれば、考えなければならない前提は権利侵害問題と免許行政や行政指導の問題。二つを一緒に混在させた形で強力な独立行政委員会を作ることは、表現の自由なり通信の自由などについて非常に大きな問題があるということは、このフォーラムの議論で共有できた。
    今後、BPOでは足りないのか、独立行政委員会を作ることが必要なのかについては、このフォーラムで議論したことを踏まえ、政府、有識者、あるいは国民総体で考えていかなければならない問題。【宍戸構成員(第 10 回議事録 P31)】

    ●ス) 権力や権威に対する言論の自由や表現の自由を規制するのではなく、それを
    一層保障するという方向で進めていただきたい。以上の観点から、国が関与して砦なり制度を作った場合には、将来、権力や権威を守る砦に悪用されてしまうおそれが存在するのではないか。権利や自由を守っていくことの第一義的な義務は、やはり放送事業者が負っている。次いで、自主的な仕組みとして存在しているBPOを基本に考えていくのがいいのではないか。【TBSテレビ(城所副会長)(関係者ヒアリングにおける意見)(第3 回議事録P16)】

     この議論を読めば、反対・消極意見の中で、本当に反対とまで言える意見を述べているのは、テレビマンである黒岩氏と元官僚である浜井氏くらいで、TBSの副会長すら、及び腰の反対に過ぎない。
     
     テレビマンと官僚が足並みをそろえて、反対する制度…この議論を読めば、ますます、独立行政委員会が必要だということが分かってくる。
     後房雄委員も指摘していたが、このような問題は、官僚主導の審議会などでは解決できないと思う。民主党が主導となって、本気で独立行政委員会を設置する議論をしなければないし、我々がそのように要望しなければならない。
     テレビマンと官僚が口をそろえて反対する制度、ぜひとも導入したいって思いませんか?

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