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2010年11月23日 (火)

「光」構想、大きく後退 NTT分離見送り--総務省最終報告案

 ◇大臣交代が影響
 15年までに超高速ブロードバンドを全世帯に普及させる「光の道」構想を協議する総務省の作業部会は22日、NTTのアクセス回線網の分離・別会社化を見送る最終報告案を大筋で了承した。分離・別会社化はソフトバンクの孫正義社長が提案し、同構想の最大の焦点になっていたが、現実重視の結論に落ち着いた。また、普及目標時期については、旗振り役の原口一博前総務相の交代を受け、最終報告案には明記されず、NTTも早期の普及に慎重姿勢を崩していない。構想は大きく後退することになった。【乾達、赤間清広】毎日新聞 2010年11月23日 東京朝刊


 「安く、早く全国に光回線を提供するという我々の案で示した目標が実現できない。日本が情報革命で後れを取ると、50年、100年後の人たちが困る」--。傍聴したソフトバンクの孫社長は作業部会終了後、不満をぶちまけた。
  約1年の議論の焦点は、NTTから光回線などのアクセス回線網を分離するかどうか。アクセス回線は、電話局から各家庭を結ぶもので、NTTは、ほぼ唯一の 提供事業者。KDDIやソフトバンクなどの他の通信事業者は、ほとんどの場合、NTTからアクセス回線を借りてブロードバンド接続サービスを提供してい る。
 ところが、回線設備を持ち、貸し出す立場のNTT東日本、西日本は、自らが提供する接続サービスの営業を一体で行っており、他事業者からは 「公平性が保たれていない」と批判が強い。急先鋒(せんぽう)のソフトバンクは、NTTのアクセス回線網を分離・別会社化し、政府と通信各社が共同出資 し、5年間で電話回線をすべて光回線に置き換える案を主張した。 作業部会は、事業者間の競争を活発化する必要があると認め、アクセス回線部門をNTTグ ループ外へ分離・別会社化する案、現体制のままサービス部門との機能区分を厳格化する案などを比較・検討した。 別会社化案は、公平性の確保には有効な一 方、NTTの株主利益を損ねたり、2年程度の時間がかかるとして見送った。特にソフトバンクが示した光回線の整備計画は、事業性や技術面の不確実性が高い とした。
 そのうえで、金融商品取引法などを参考に、人事、情報、会計などの業務部門間の壁を強化する機能区分案を「最も現実的かつ効果的」と結論づけた。

  一方で、最終報告案は、8月の中間報告に盛り込まれた15年の構想実現という目標には言及しなかった。NTTも光回線普及の目標を示しておらず、作業部会 メンバーからは「NTTに目標を出させ、達成できなかったら別会社化を検討するようにしないと、5年、10年同じ議論を繰り返すことになる」(経済評論家 の勝間和代氏)と、時期の明示を求める意見も出た。
 ただ、15年の目標は、原口前総務相が作業部会の議論を先取りする形で設定し、これにあわせ て孫社長がNTT分離・別会社化案を提唱した経緯があり、原口氏が9月に退任したことで、最重要課題としての意味が薄れた面もある。作業部会のメンバーの 一人は「原口氏の肝いりで走り出しただけに、重しが取れた状況で踏み込んだ結論は難しかった」と振り返る。

 ◇高額接続料、ネックに
  最終報告案は、光回線網を独占的に握るNTTに対し、接続料の引き下げを求めた。09年度末時点で光回線のインフラ整備率が91・6%に達しているのに対 し、利用率は33・4%に低迷。この要因の一つに高額の接続料の問題があると判断した。利用率の向上には使いやすい料金体系の確立が不可欠だ。
  NTT東日本のケースでは、光回線を使ったブロードバンドサービスの月額利用料が6510円(09年度末時点)なのに対し、電話回線を使ったADSLの利 用料は3538円。全国網が完成している電話回線と違い、光回線は接続料に設備投資負担を上乗せしていることが要因だ。光回線の未整備地域を解消するに は、さらに1・5兆円の追加投資が必要との試算もあり、利用料金の引き下げは簡単ではない。
 実際、最終報告案でも、接続料の引き下げで市場競争 を活発化することで、消費者が支払う利用料の軽減につなげる道筋は示したものの、引き下げ幅や時期など具体策には踏み込めなかった。 現状の枠組みの中で 料金体系を抜本的に見直すには、公的資金の投入など新たな方策が必要となりそうだ。
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 ◆「光の道」構想・最終報告案骨子◆
・無線ブロードバンドの普及に向け大胆な周波数再配分が必要
・NTTの接続事業者に対する光回線接続料引き下げを検討
・NTTアクセス回線部門の他部門との機能区分を厳格化・ソフトバンクの別会社化案は不確実性が高い
・NTT規制を子会社に順守させる措置を講じる
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NTT光分離、総務省退ける ソフトバンクは反発

2010年11月23日1時43分朝日

  光ファイバーなど超高速ブロードバンドの普及策を検討している総務省の作業部会は22日、ソフトバンクが求めていたNTTから光回線網を分離する案を退 け、NTTの組織形態は現状を維持したまま、規制強化で競争条件を整えるべきだとする最終報告案をまとめた。ソフトバンク側はこれに反発、政界に働きかけ て「逆転」を狙う。

 作業部会は昨年9月の政権交代後、「2015年までに超高速通信を100%普及させる」という「光の道構想」を掲げ た原口一博前総務相が、実現策を議論してもらう場として設けた。争点の一つは、NTTから光回線の設備を切り離すかどうかだったが、部会は現状を維持する ことを打ち出した。その分、NTTには光回線を他社に貸す時の接続料の引き下げを求め、規制も強める。

 根底にあるのは、競争を加速させ てサービス価格を下げ、普及を図るという考え方だ。また、NTTは全国エリアの9割に敷かれる光回線を他社に貸す際、他社の顧客情報を知りうる立場にあ る。電気通信事業法はこれらの情報を営業活動に活用することを禁じている。だが、実際に営業活動を行う子会社は規制外だったため、子会社にも規制を広げる よう求めた。
 NTTは「すでに世界でもまれなほど厳しい規制下にある」として規制強化に反対してきたが、新たにカンパニー制の導入や営業体制の見直しを迫られる可能性がある。総務省は12月中に政務三役も交えた作業部会の上部組織を開き、政策方針を決める。
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ソフトバンクはこれまで、光回線をNTT東西から分離するよ う主張してきたが、最終報告案では「不確実性が高い」として退けられた。 独自の光回線網を持たないソフトバンクは、NTTの光回線網を政府や通信各社が 共同出資する新会社に移すべきだとしてきた。銅の電話回線を2016年までに光回線に取り換え、税金の投入なしで月に1150円の光サービスを全世帯に普 及できる――との内容だ。業界からは「iPhone人気で容量が増えたデータを、電波だけでなく、家庭内の『小型基地局』などを通じて光回線に振り分ける 狙いでは」との見方がくすぶるが、孫正義社長は「天下国家のための主張だ」と強調してきた。

 しかし、大学教授や経営コンサルタントなど 委員の疑問は解けなかった。光回線の利用率は3割にとどまっており、需要にかかわらず強制的に敷く手法に国民の理解は得られない▽会社分離や設備投資で必 要とされる4兆6千億円の資金をどう調達するのか▽受け皿会社に国の出資を見込んでおり「税金投入なし」とはいえない――などだ。

 通信会社でもNTTのほか、独自で光回線を引くKDDIやケーブルテレビ会社などもソフトバンク案には反対論を掲げた。
  ソフトバンク側は今月半ばから、政治家や世論への働きかけを強めた。孫氏は10日、原口氏が会長を務める民主党の情報通信議員連盟で持論を説明。20日に は都内のホテルで菅直人首相に会った。22日の部会後、孫氏は記者団に「一部の専門家による密室の議論で決まった。国会議員が最終判断する問題だ」と述べ た。今後も政治家への働きかけを続ける考えだ。(和気真也、堀口元)

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