民主党のクロスオーナーシップ規制の試み放棄は、白旗?!~自民党とマスメディアの蜜月は続く…
情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士
クロスオーナーシップ問題 / 2010-11-09 06:31:48
さて、皆さん。皆さんは、マスメディアのクロスオーナーシップがなぜ、問題なのか、考えてくれましたか?ここで何度か、触れてきました。新聞とテレビが同じ意見を述べることになり、流通する情報の多様性が失われることも問題ですが、もっとも問題なのは、利権だと指摘しました。この点、どうお考えですか?新聞とテレビが報道すれば、火のないところにも煙が立ちますが、逆に燃え盛っていても、報道されなければ、火事はなかったことになってしまう。新聞と放送局と長年にわたる自民党政権との癒着も、新聞と報道が一体化していれば、どこもそのことを報道せず、結局、癒着関係が拡大し、一般的にまともな報道ができなくなってしまう…。
だからこそ、諸外国では、新聞とテレビが同一の地域で資本を同じくすることを防ぐ法律があるわけです。 日本にはそれがなく、むしろ、新聞とテレビが系列化していることが当たり前のように考えられてきた。
民主党は野党時代、マスメディアが自民党政権によってコントロールされていることを快く思わず、マスメディアの独立を図るための方策を政策集に盛り込んだ。
(http://www.dpj.or.jp/policy/manifesto/seisaku2009/06.html)
【通
信・放送行政を総務省から切り離し、独立性の高い独立行政委員会として通信・放送委員会(日本版FCC)を設置し、通信・放送行政を移します。これによ
り、国家権力を監視する役割を持つ放送局を国家権力が監督するという矛盾を解消するとともに、放送に対する国の恣意的な介入を排除します】
【多様なメディアが存在する現状にかんがみ、表現の多様性を確保するために、クロスメディア所有(同一の者が新聞・テレビ・ラジオなど複数のメディアを所有すること)の是非も含めたマスメディア集中排除原則のあり方を検討します】
これを受けて、ICT権利フォーラムで独立行政委員会が検討され、放送法改正案の付則に、【政府は、この法律の施行後3年以内に、マスメディア集中排除原
則の制度の在り方について、新聞社、通信社その他のニュース又は情報の頒布を業とする事業者と基幹放送事業者との関係(いわゆるクロスメディア所有規制)
の在り方を含めて検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること等を規定する】という内容を盛り込もうとし
た。
しかし、すでに、触れたように、ICT権利フォーラムでの議論は、独立性を保つ方向には進んでいない。
さらに、放送法改正の与野党協議で、【野党側は、新聞社やテレビ局などを一つの資本が支配する「クロスメディア所有」の規制強化について「3年以内に制度のあり方を検討する」とした付則の削除も求めている。民主党は、この付則も削除する方向だ】(読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20101105-OYT1T00918.htm)という。
完全な白旗だ。マスメディアに対する民主党の降伏、そして、市民のマスメディアに対する降伏だ。 しかし、この出来事を大いなる教訓として、再度、仕切り直すことはできる。
野党である自民党が、クロスオーナーシップ規制に反対していることは、自民党がいまだにマスメディアとの関係がよく、マスメディアの経営陣との間に、親密な関係が続いていることをうかがわせる。
自民党は、情報コントロールによる政権奪還と政権維持を考えているわけだ。
だからこそ、民主党は、情報コントロールができない仕組み作りに取り組まなければならないはずだ。
そして、われわれ市民は、ネットで、クロスオーナーシップ規制へのエールを送るとともに、自民党とマスメディアの蜜月について批判を加えよう! インターネットが奪われてしまう前に…。
【ツイッターアカウント】yamebun
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