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2010年10月23日 (土)

〈メディア激変134〉韓国から―12 韓国版FCCが教えるもの

〈メディア激変134〉韓国から―12 韓国版FCCが教えるもの
2010年10月22日 asahi http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201010220350.html

外の目には、日本が不思議に見えることもあるらしい。韓国のメディア界でしばしば耳にするのは、こんな疑問だ。

「言論の自由が進んでいる日本で、なぜ総務省が放送・通信行政をやってるんですか?」
韓国は10年前に新放送法が施行され、放送行政は、それまでの公報庁から、合議制の放送委員会に移った。米連邦通信委員会(FCC)がモデルだった。

放送と通信の融合が進んだ08年には、情報通信省と統合されて放送通信委員会(KCC)になった。 確かに今や、総務省が放送局に免許を与える強い権限を持ち、行政指導を繰り返す日本のような国は少数派になりつつある。
だが、委員会方式にすればそれですべてうまくいくとは限らないことも、韓国の例から見えてくる。
まず、政治との距離だ。KCCは大統領直属の機関で、委員5人は大統領が任命する。2人を大統領が、残る3人を国会が推薦するが、そのうち1人は与党側から入るから、政権寄りの人物が過半数を占めてしまう。
実際、いまの崔時仲(チェ・シジュン)委員長は李明博(イ・ミョンバク)大統領の側近で、前回見たYTNの社長人事と同様に、政権との距離を問う声があった。
しかも、東亜日報出身。どの新聞社を新局(総合編成チャンネル)に選ぶかがKCCの最大の課題になる中で、新聞との距離まで問われかねない。 次に、特に通信との統合後に感じられているのが、意思決定の遅さだ。李明博政権になってやったことなのに、与党ハンナラ党の国会議員で、放送通信の常任委員長をしている鄭柄国(チョン・ビョングク)さん(52)は「個人的意見」と断って、「KCCになって良い点より悪い点が多い」と言う。 「放送が志向するのは公平性や公正性。通信は時代の先端産業で、急激な動きに対応しないといけないから、委員会で合議していては非効率。規制・監督は委員会がいいが、産業振興などは省庁でやった方がいいでしょう」 似た意見を別の人からも聞いた。

携帯通信のSKテレコム顧問で大学でメディア論を教える金栄培(キム・ヨンベ)さん(51)。放送委員会の事務局で産業部長などをやったあと、民間に転じた人だ。 「放送と通信は事業は融合しても、価値観が全く違う。放送は急な変化は少なく、政府との距離が大事。独立した委員会がいい。通信は急速に変わり、政策がもろに消費者に影響を与える。迅速で一貫した意思決定が必要な産業振興は省庁に残し、許認可などは委員会がいい」

日本も民主党政権になって、「日本版FCCを」の声が高まった。隣国の試行錯誤を参考にしてはどうだろう。(編集委員・隈元信一)

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Media_300_2 メディア激変

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