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2010年9月23日 (木)

QUAE クアエ テレビ採点サイト 8月の番組採点から

2010年8月31日夜放送の番組採点・集計結果 (2010.9.21掲載)

3-2) ニュース・スポーツ系番組

ニュースに関しては、相変わらず『NHKニュース7』が高視聴率をたもち、その網羅性、効率的な伝え方が期待どおりという見方が強いです。「構成が基本的にぶれないので、落ち着いて視聴できる(奇をてらった演出などで驚かされることがない)」(男 24)、「その日1日の出来事(ニュース)を簡潔に30分間で知ることができるので、毎日必ず見るようにしている番組です。民放のニュース報道には、その局ごとの特色があり、それはそれでいろんな視点からニュースを見る機会ではあるのですが、コメンテーターなどの感情抜きに事実のみを淡々と伝えるNHKのニュースは事実を知り、自分はどう思うのかを考えるための材料を提供してくれる番組だと思います」(女 33)。というわけで、夕方7時はNHKニュース、と決めている家庭も多く、視聴率的にもすべてのジャンルを通じて一番高い数字をとっています。

ただし、今回のQUAE評価となると同じNHKでも『ニュースウォッチ9』が娯楽性と品質性で得点が高いのです。 コメントにも「大越健介、青山祐子、キャスターコンビが非常に良い。大越キャスターのスポーツ全般、特に野球に関する話題は説得力がある。元東大のエース(?)であった見識か(???)」(男 71)というコメントがついています。が、それは放送時間の長さとも関連しており、「多くの出来事をコンパクトに伝える」7時のニュースと、「特定の事柄をつっこんで伝え、スポーツにも時間を使う」ものとの違いということができるでしょう。

『報道ステーション』は夜10時という時間帯にしては視聴率的にも健闘しています。古館キャスターになってからは、昔の久米宏が司会していた『ニュースステーション』における軽みのある企画がなくなり、「怒り」が前面に出てきているので、娯楽性が弱まったのが評価に表れています。でも、これはニュース番組ですので、それはそれとして構わないことでしょう。 以上三つのニュース番組は、評価者が10名以上のものを取り上げました。

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次に、評価者が2名なので統計や図表にはあえて示しません が、注目株が出現しています。それはBSフジの『プライムニュース』です。この番組は「実用」評価が4.30を取り、他を引き離してトップになっていま す。倫理でも地上波の他ニュースと並んでトップ、娯楽と品質では中間に来ています。BS放送ゆえに地上波のような視聴率は取れないし、また、視聴率表にも 載りませんが、じわじわと評価を高めてきています。その理由は、2時間の放送枠を使って「じっくり話を聞く」からです。コメントには、「時局・政局にあっ たテーマを採り上げ、出演者発言の嫌みも無く、ほぼ毎日楽しみにしている番組です」(男 60)、「世の中で関心の高い問題の1つに焦点をあてて掘り下げ て議論しているのが面白い」(女 34)と評価するものがついています。

地上波の多くの報道番組は、時間の制約もあってつっこみのない表面的なことに終始する場合が多いですし、『朝まで生テレビ』のようなものの場合は、自己顕 示欲の強い人たちが脈絡なく発言する場面が見られます。この番組は本当によく聞きよく話すので、じわじわと評判が広がってきています。 来年7月には地上波のデジタル化が予定されていますが、そうなるとBSと地上波はリモコン上ではほぼ同じ条件となります。BSフジのこのニュース番組は、 今後のBSの行き方としても注目されます。

今回は、スポーツでは目立つものはありませんでした。番組としては『すぽると』がありますが、2件の評価のみでした。BS日テレで『プロ野球巨人-ヤクル ト』がありましたが、1件のみの評価でした。ちょっと前までスポーツはテレビに必須のコンテンツでしたが、現在はプロ野球の凋落をはじめとして、日常的に 行われるリーグ戦のような国内スポーツ生中継はめっきり減りました。限定された視聴者の好みとして、今後は地上波からBSに移っていくのかもしれません。
BSには大人の鑑賞に耐える番組が多いと言われています。「バラエティについていけず、また、平日のゴールデン帯など、地上波がまったくどの局も見たいと いう番組がない時があり、その場合は、BS or CS、またはインターネットを見る」(女 43)、「BSやCSの視聴率狙いの無い番組に見ごたえのあるものが多い」(女 70)という声も来ています。

アナログからデジタルへの切り替えは、単に技術的な問題だけでなく、テレビ放送の内容にも影響を及ぼすことは必至です。

Quae

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