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2010年9月 7日 (火)

「強制的な移行は困難」、NTTが「光の道」構想への見解を総務省に提出

-INTERNET Watch
 NTTは1日、総務省の「光の道」構想を検討している「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」に提出した資料を公開した。メタル回線(電話線)をFTTHに一斉に全面移行する計画に対しては、「ユーザーに切り替えを強制できない」「メタル並みの料金での提供は困難」などとして、強制的な移行計画の策定は困難と主張した。

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 「光の道」構想は、2015年をめどに日本の全世帯に光ファイバーの普及・利用を目指すもの。構想を検討しているタスクフォースでは、NTTに対してメタル回線からFTTHへの移行に関する見解を提出するよう求めていた。

 メタル回線からFTTHへの移行については、ソフトバンクの孫正義社長がNTTのアクセス回線部門を分離し、分離会社が一斉に回線を切り替えることで作業は5年で完了できるという提案を発表。試算の結果、ユーザーには現行の電話サービスやADSLサービスと同等以下の料金でサービスを提供でき、アクセス回線会社は黒字化するため資金も調達可能だとしている。

 これに対してNTTの資料では、アクセス回線はユーザーの選択で移行先(他社の光サービス、CATV、無線など)が決まるものであり、ユーザーに光からの切り替えを強制できないことなどから、強制的な移行の実施を前提とする計画を策定することは困難だと主張。電話サービスのみを希望のユーザーに対して、メタル並みの料金で現在の光アクセスを提供することは困難だとした。

 メタルから光への移行については、利用の促進やサービスの創造により需要を喚起することで移行を促進し、「光の道」構想の推進に貢献していく考えだと説明。NTTグループではブロードバンドの利用拡大に向け取り組みを進めているが、自治体が光ファイバー網を設置してサービスを提供している場合でも、光ブロードバンドサービスの利用率は全国平均と同じ3割程度だとする資料を示し、需要に基づかない強制的な移行はユーザーやコスト面での負担が大きいとしている。
 NTTでは、移行にあたってはまずコアネットワークに関わる課題について検討することが必要で、アクセス回線の光化・IP化は、コアネットワークのIP化に関する課題の解決が前提だと主張。電話網からIP網への移行は、現在のIPベースのサービスでは提供していない機能・サービスの扱いや、設備の寿命を考慮しつつ進めていくとして、メタル回線はメタルの固定電話サービスなどのユーザー数が少なくなった段階で、計画的な廃止に向けて取り組んでいくとした。

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