NHK福地茂雄会長 生中継中止「角界透明化に…」 外部の目線 変革に生かせ
NHK福地茂雄会長 生中継中止「角界透明化に…」 外部の目線 変革に生かせ
2010年7月24日(土)8時0分配信 産経新聞
「生中継取りやめが、日本相撲協会の明朗化につながればいい」-。NHKの福地茂雄会長(76)が、産経新聞のインタビューで、名古屋場所の生中継取りやめに至った経緯を詳しく語った。秋場所については「相撲協会の改革次第」とし、当面は推移を見守る考えを示したが、NHKの対応が不祥事続きの角界の透明化につながることに期待をにじませた。
主な一問一答は次の通り。
--中継中止の決断は正しかったか
「私としては、あれ以上の決断はなかった」
--なぜダイジェスト放送を選んだ
「相撲中継をやめろという声は多かったが、従来はわざわざ『やってほしい』という声は送られてこなかった。しかし、今回は何千もの『やってほしい』という意見があった。この意見を入れることが、視聴者目線だろうと感じた」
--ダイジェストを午後6時台にした理由は
「夜中ではお年寄りが見られないし、6~7時台しかない。この枠はローカル時間であり、(NHKは)『地域を大切に』と言っているが、今井環(たまき)理事が現場と編成の打ち合わせをしたら、『なんとか(平日に)22分とれそうです』と。それなら、ということになった。みんなが満足とはいかないが、みんな不満足でもないと思う」
--ダイジェストは予定調和だった?
「最初から考えていたわけではない。NHKは放送することが使命の会社。最後まで(日本相撲協会の)動きを見て決めたらいいと思っていた」
--相撲協会に何を望む
「理事や親方の中には、外部の理事長が好ましくないというような空気があるようだが、私はおかしいと思う。物事は、しがらみのない外部からの方が変えやすい。私はアサヒビール8代目の社長だが、私の前の7代のうち4代は外から来た人だ。中継中止は何も粋がってやったのではない。(みんな)NHKは必ず(中継を)するよと思っていたと思うが、いざとなったら中継をやめるんだということが、これからの相撲協会の明朗化につながったらいい」
--相撲協会の報告(6日)の感想は
「改革の道筋ができていなかった。独立委員会の人の名前も分からない。理事長代行が場所後もやるか分からない。そういった不透明な部分が随分あった」
--報告後の会議は
「一人として生中継をやった方がいいという人はいなかった。生中継中止は私が言い出さなければ仕方がないことだったが、みんなは反論しなかった」
--秋場所の生中継は
「公共放送として判断するが、相撲協会の改革がどう進むか、それを視聴者がどう受け止めるかによる。視聴者が納得できる動きが見えるかどうかが大事だ」
インタビューは21日に行われた。 (聞き手 佐久間修志、三宅陽子)
【プロフィル】福地茂雄
ふくち・しげお 昭和9年、福岡県出身。長崎大経済学部卒業後、アサヒビールに入社。営業部門責任者としてビール事業拡大を推進。社長、会長兼CEO(最高経営責任者)を歴任した。平成20年1月、NHK会長就任。日本相撲協会横綱審議委員。
【用語解説】名古屋場所の生中継取りやめ
大相撲賭博問題を受け、NHKは今月6日、「相撲協会の改革の方向性について具体的道筋が立っていない」などとして、名古屋場所の生中継中止を決定した。テレビで大相撲の生中継が行われないのは初めて。代わりにダイジェスト版を午後6時台に放送している。
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【大相撲中継中止】NHK福地会長「秋場所中継、改革次第」視聴者反応で判断
2010.7.21 23:49(sankei)
NHKが大相撲名古屋場所の生中継を取りやめた問題で、NHKの福地茂雄会長は21日、産経新聞のインタビューに応じ、「秋場所の生中継は、日本相撲協会
の改革がどう進むか、視聴者がどう受け止めるかで判断する」と述べ、協会の対応次第では秋場所も生中継を行わない可能性を示唆した。名古屋場所の中継取り
やめについては「あれ以上の決断はなかった」とし、妥当だったことを強調した。
6日の取りやめ発表以降で、福地会長が秋場所の中継に言及したのは初めて。
福地会長は、6日に相撲協会の村山弘義理事長代行から説明を受けた後のNHK幹部らとの会議について「誰一人として(生中継を)やった方がいいという人は
いなかった」と明かし、その理由を「改革の道筋ができていなかった。(外部有識者の)独立委員会の人の名前も分からない、理事長代行が名古屋場所後も続投
するかどうかも分からない、不透明な部分がずいぶんあった」と説明した。
ダイジェスト番組についても6日の会議で急遽(きゅうきょ)決
定。「夜中ではお年寄りが見られないが、一方で午後6~7時台は大切なローカル放送の時間帯。今井環(たまき)理事がその場で制作現場に問い合わせ、『平
日に22分取れそうだ』という話をもらった」と内幕を語った。
秋場所の中継については「決めていない。相撲協会の改革が進んだと思えばやればいいし、進んでいなければ(判断を)待てばいい」とする一方、判断材料として「視聴者が納得できる(改革の)動きが見えるかどうかだ」と強調した。
NHK広報局は同日、ダイジェストについて約500件の意見が寄せられたことを発表。内訳は「ダイジェストもやめるべき」が約2割、「中継すべき」「いまの番組でよい」がそれぞれ1割弱あったという。
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