メモ:第4回 総務省「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」--メディア総合研究所
3月29日(月)午後5時~、総務省の第一会議室で開催されました。
この日は関係者ヒアリングで、
① 構成員の宍戸常寿准教授(一橋大学、憲法学者)
② BPO(飽戸弘理事長)
③ 東京都地域婦人団体連盟(長田三紀事務局次長)
④ 日弁連(日隅一雄弁護士)
宍戸さんは放送をめぐる政府、国民、他のメディア(新聞や市民メディア)や利害関係者(報道被害者)、BPOなどの権利関係を図式にして示したうえで、規制の在り方を提示。
結論的には、内容規制に踏み込んで罰金などを課す「ハード」な規制機関をつくるなら政府からの独立性が必要で、EUのようなメディア事業者との「対話型規制」の「ソフト」な規制機関なら、BPOの機能拡大でいい、とした。
どちらが望ましいかについてまでは言及せず。
飽戸さんはBPOの機能や取り組みの現状を報告。「メディアの自律を応援する機関」であることを強調して、ペナルティを課すような強力な権限はないことを説明した。
婦団連は消費者基本法における消費者の権利をベースに、BPOの取り組みを評価しつつも、それが一般にはほとんど認知されていない現状を指摘。また、東京都の青少年条例などを引き合いにして、行政による内容規制の危険性をアピールした。
(青少年保護を強調するのかと思っていたのでこれは意外でした)
日隅さんは表現の自由の観点から放送行政の独立行政委員会化を訴えるとともに、マスメディアの領域におけるパブリックアクセス導入の重要性を述べた。(ネット利用の市民メディアが日本では発達しないことがその理由)
それぞれについて若干の質疑が行われ、郷原信郎構成員(元検事の弁護士でコンプライアンスの専門家)がBPOに対して「放送局の自主的取り組みがちゃんと行われているがチェックするのがBPOの役割であるべきなのに、それが十分でない」と批判した。
また言論NPO代表の工藤泰志構成員も、BPOの提言に放送局がちゃんと対応していないことを指摘して、BPOの取り組みを促していた。全体として、BPOに対して厳しい態度だった印象。
ジャーナリストの上杉隆構成員は日弁連が記者クラブ問題を取り上げたことがあるかを質問、日隅氏は記者クラブは開放すべきという意見を日弁連としても持っていることを紹介した。
京都NPOの深尾昌峰構成員はパブリックアクセスの必要性について日隅弁護士に質問、日隅氏は「市民から出てくる情報がマスメディアにも流れるという道筋が必要だ」と説明した。
会合の終わりごろに原口総務大臣が到着してあいさつ。各省庁の記者会見開放度を調査してランク付けしたものを発表する、と述べた。
次回もヒアリングの予定。日程は4月23日(金)午後5時~。
会合模様(オンデマンド配信)
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