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2010年3月21日 (日)

「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」 構成員の皆さんへ ~放送行政の民主化のための議論を期待します~

「開かれたNHKをめざす全国連絡会」は2010年3月17日次の申し入れを行いました。
                                ◇   ◇   ◇   ◇
総務省の「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」において、「言論の自由を守る砦」のために熱心な議論を重ねておられる皆さんに、心より敬意を表します。
私たち「開かれたNHKをめざす全国連絡会」は、NHKのあり方、日本の放送行政のあり方に強い関心を持つ市民団体として、「フォーラム」での議論に大きな期待を寄せています。
とくに、このフォーラムの発足の原点であった「メディアによって監視される国家権力がメディアを監視するという矛盾を解消する」という目標の下に、欧米ではかねてから常識となっている、政府から独立した機関による放送行政の実現に向けた活発な議論を心から期待しているところです。
しかし、これまで開催された3回のフォーラムを傍聴している限りでは、議論の進め方がフォーラムの所期の目的・課題からそれているのではないかという危惧を感じざるを得ません。

3月1日の会合で濱田純一座長より示された「アジェンダ設定」では、放送事業者やBPO(放送倫理・番組向上機構)による番組内容の自主規制の検証など優先的に議題として掲げられ、これまでの自民党政権時代の放送行政のあり方の検証は、むしろ後回しに追いやられている印象を持ちます。
これまで政府(郵政省・総務省)は放送局に対して、番組内容に踏み込む行政指導を繰り返してきましたが、このような対応こそ放送の自由への侵害に他ならず、「言論の自由を守る砦」のためには、そうした行政のあり方に対する批判的な検証がまず行われるべきではないでしょうか。
それを踏まえて政府から独立した機関を創設する構想の具体化が図られるべきものと考えられます。

ところが、上記の「アジェンダ設定」では、行政に関する検討項目は「第三者的な監視組織の必要性及び課題」と表記されています。これでは行政機関の権限は現行のままで、放送業界の自主規制機関であるBPO(放送倫理・番組向上機構)のような組織を行政機関としてさらに設置するような議論となってしまうおそれがあります。
いま議論すべきは放送局への免許権限・監督権限をいかに政府・総務省から分離させるかであり、それがなければ国家権力を健全に監視・批判できる放送ジャーナリズムは期待できません。
また、国会での予算承認や経営委員任命など、NHKと政府の関係の見直しが検討項目に上ってないことにも強い疑問を感じます。公共放送の権力からの独立と表現の自由の確保は、私たちの民主主義社会にとって死活的に重要な問題で、「言論の自由を守る砦」のためにはNHKに対する国の関与を定めたこれら現行制度の見直しは欠かせない論点です。

そこで、私たちは当面、以下のことを申し入れます。
1.今後の議論の進め方を拝見する限り、関係者を中心としたヒアリングは予定されていますが、私たち市民に対する意見聴取の機会は設けられていません。
せっかくフォーラムがインターネット中継も含めた公開原則の下で開催するという画期的な対応を取られているのですから、この際、議論そのものへの市民参加の道を開くために、中央・地方で市民代表にも意見陳述・意見交換への参加の機会を設けた公開ヒアリングを開催されるよう強く希望します。

2.先の申し入れにおいても指摘しましたが、放送行政に関わる権限を総務省から切り離すことを重要なアジェンダとするフォーラムの事務局を総務省職員が取り仕切るのは矛盾であり、フォーラムの運営の公正性に疑義を抱かせます。
今後の議論の中でフォーラム構成員の皆さんが、事務方の用意した枠組みにとらわれることなく、フォーラム発足の原点を共有されながら、放送行政の民主的改革と、NHKの国家権力からの独立に向けた「砦」の検討を積極的に進めていかれることを強く要望いたします
                    以 上
─────
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総務省情報通信国際戦略局情報通信政策課 御中
前略
 日ごろのご活動に敬意を表します。
私たち「開かれたNHKをめざす全国連絡会」は、NHKのあり方、日本の放送行政のあり方に強い関心を持つ全国の市民団体の緩やかな連絡協議体です。いま、総務省において進められている「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」に関して、同フォーラムの構成員の皆様に、別紙のとおり私たちの要望をお伝え願いたく、お願い申し上げる次第です。
ご多忙の折お手数をおかけして誠に恐縮ですが、市民の声をフォーラムの議論に少しでも反映させていただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。
本件に関するお問い合わせは以下の連絡先で承ります。      草々
                      2010年3月17日
                開かれたNHKをめざす全国連絡会
           世話人 松田浩 醍醐聰 隅井孝雄 岩崎貞明

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さらに総務大臣あてに「放送法改正への意見」を提出しました。

総務大臣 原口 一博 様
        「放送法改正案」に異議あり!
                        2010年3月17日
               開かれたNHKをめざす全国連絡会
 私たち「開かれたNHKをめざす全国連絡会」は、NHKのあり方や放送行政のあり方に強い関心を持つ市民が集う緩やかな連絡協議体です。
このたび、放送法・有線テレビジョン放送法などをひとまとめにする放送法改正案が今通常国会に提出されるとの報に接し、その内容に以下のような重大な懸念を抱いていることを表明します。法案審議の参考にしていただけますようお願いいたします。

1.なぜ法改正を急ぐのでしょうか
 現在、総務省では「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」が開催され、有識者や市民メディアの担い手などの方々が放送行政のあり方も含めて熱心な議論が行われています。
このフォーラムでの議論を踏まえて放送法制・放送行政のあり方を根本的に見直すのなら理解できますが、フォーラムの議論がほとんど進まないうちから、法改正案ばかりが早々に国会で審議されることに強い疑問を覚えます。
これでは、自民党政権時代からの「情報通信法案」を2010年通常国会に提出する、という総務官僚の手による当初からのスケジュールに乗っただけで、官僚主導の従来の放送行政と決別する姿勢は微塵も感じられません。

2.ハード・ソフト分離は内容規制の強化にならないでしょうか
 改正案の内容を見ると、あらゆる放送についてインフラ設備を受け持つハード部分と、番組などのソフト部分とに分離され、ハードについては従来どおり無線局免許制とする一方、ソフト事業への参入には「認定」手続きが導入されることになっています。
これは、放送業への新規参入を容易にする措置のようにも受け取れますが、政府による番組内容の「認定」手続きが、新たなメディア規制として表現の自由にかかわる深刻な問題を招くことにならないでしょうか。

3.NHK経営委員会に会長を加えることに問題はないでしょうか
 改正案の15条ではNHKの組織について「経営委員会は、委員12人および会長をもって組織する」としています。
会長を任命する権限を持つ経営委員会の構成員にその会長が参加するという矛盾、また本来分離され相互に緊張関係を保つべきNHKにおける業務の監督と執行を混在ないしは一体化させるという問題などから、今回の改正に私たちは賛成できません。
むしろ、公選制などを含めてNHKの会長、経営委員の選出過程の透明化、視聴者・市民の参加を推進することこそが、いま求められる改革であるはずです。

4.議論の過程が明らかにされないのはなぜでしょうか
 条文の数が倍以上に増えるという大改正であり、また上記のような重大な問題をはらむ法改正であるにもかかわらず、放送法改正案策定の過程がまったく公開されなかったことに、私たちは強い遺憾の意を表明します。放送のあり方は私たち市民の強い関心事で、さまざまな立場からの意見を反映させながら制度改正を図るべきだと考えます。 以 上

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