「普天間」でもNHKを監視を/投稿:桂敬一(JCJ会員)
「開かれたNHKをめざす全国連絡会のみなさま」
「普天間問題」が大詰めですが、大メディアの報道にいろいろ問題があり、安心できません。
「普天間問題」をどう捉えるか考えるとき、鳩山首相の「5月末までに解決する」という、移設先の決定問題として眺めるだけでは、問題の本質を捉えきれません。この問題は、外務省が9日に公表する、密約調査に当たった「有識者委員会」の報告の内容がどうなるかということ、既存の数々の密約の情報公開を今後ちゃんと行うのかということ、とくに、きたる4月9日に出る予定の沖縄密約裁判の判決がどうなるかということなどと、密接に関わり合っています。
これら全体の適切な解決は、沖縄の問題としての「普天間問題」の解決でなく、日本全体がすでに腐朽した日米安保から解放され、長年の対米従属から抜け出すための、具体的な第1歩となるものです。沖縄現地では、問題をそう捉えて、熱気をはらんで問題の行方を注目しています。
本当なら、「普天間問題」で再び60年安保のときのように闘おう、という叫びが日本中で起こっていてもいいのに、とくに本土のほうでそういう動きが起こらないのには、メディアにそうした問題意識が欠落しているからだと思えてなりません。そう思って、直近のメディア状況について、感ずるところをJCJ(日本ジャーナリスト会議)のウェッブサイト「JCJふらっしゅ」に寄稿しました。考察の対象は新聞ですが、NHKもほとんど問題の核心に触れる報道は行っていません。なにか日米間の具体的な動きが生じたら、それを追認するしかない、といった雰囲気しか漂わせていません。
5月末まで、手をつかねて「普天間問題」を眺めていていいものではありません。今のインチキな動きを見過ごし、新たな密約をまたつくらせて、ウソで固めた日米同盟で日本を、いっそう強くがんじがらめにしてしまうことがないように、メディアに頑張ってもらう必要があります。以下に拙文を、添付ファイルでお送りします。ご覧のうえ、「普天間問題」報道をNHKがちゃんとやっているかどうか監視する際、参考にしていただければ幸いです。
添付ファイル (マスコミ9条「普天間」シンポ構成案、趣旨、新しい「密約」を産み出す動きが生じていないか、小沢氏不起訴に米の影?)
また、私が呼びかけ人となっている「マスコミ九条の会」が3月20日、東京・日本記者クラブ・10階ホールで、シンポジウム「『普天間問題』のウラに隠された真実―進行中の米軍グアム統合計画の意図を探る」を開催しますので、その企画趣旨の文書とシンポジウムのプログラムも、添付ファイルでお送りします。ぜひご覧ください。ご参加を歓迎します。
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■3月20日(土) マスコミ九条の会
「普天間問題」のウラに隠された真実
─進行中の米軍グアム統合計画の意図を探る─
●主催 マスコミ九条の会
沖縄の海兵隊の「7割」がグアムに移転する。日本が頼んだからではない。米軍自身の世界戦略による「再編計画」のためだ。なのに、なぜ普天間の代替基地を差し出さなくてはならないのか?
メディアはなぜこれらの事実を伝えないのか?
安保改定から50年、普天間問題に象徴される日米同盟のゆがみを明らかにし、真っ当な世論の形成をめざす!
日時:3月20日(土)開会 13:00~16:30 (開場 12:30から)
場所:日本記者クラブ・10階ホール
(千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンター内・地図参照)
http://www.eastech.co.jp/span/forum/forum_map.html
<報告・パネラー>
「米軍のグアム統合計画の実態」:吉田健正(国際問題ジャーナリスト。沖縄在住)
「ウラ安保に食われた日米関係」:前田哲男(軍事評論家)
「普天間問題とメディアの問題」:鳥越俊太郎(ジャーナリスト)
コーディネーター:桂 敬一(マスコミ九条の会呼びかけ人)
参加費:1000円、学生500円
主催:マスコミ九条の会
メール:postmaster@masrescue9.jp
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