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2009年11月18日 (水)

バラエティー番組にBPO意見書…イラスト・口語多用

 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は17日、テレビのバラエSatonaka ティー番組について、性的表現や内輪話などが視聴者のテレビ離れを招いていると指摘し、番組づくりの見直しを求める意見書(PDFダウンロード)を日本民間放送連盟に通知した。「さァ、イッてみようっ」「これはレッドカード、即退場」など、くだけた口語を多用する異色の文体で、制作現場の若手に共感してもらえるよう工夫した。
 意見書では、バラエティー番組を「古い秩序や権威を笑い飛ばし、常識や社会通念を揺さぶってきた」と評価した上で「相当数の視聴者が不快感・嫌悪感を持ち、反発する問題点がある」と指摘。

 具体例として(1)性的表現などいわゆる「下ネタ」(2)いじめや差別 (3)芸人同士の内輪話やバカ騒ぎ(4)わざとらしい笑い声など見え透いた手法(5)死を笑いごととして扱うなど生きることの基本を粗末に扱う――の5点 をあげた。  改善策としては、NHKと民放全体で議論、検討した上で倫理上の指針を定めることなどを提言した。
 バラエティー番組については、視聴者の苦情が多いことを受けて9カ月にわたって審議。常識と非常識、ウソと真実の境界線上で表現する持ち味を守るため、倫理基準を機械的にあてはめなくてもすむ方法を探った。
 意見書の原案は従来型だったが、全面的に書き直され、委員の一人でマンガ家の里中満智子さんが描き下ろしたイラストも交えた「バラエティー番組風」の異色の意見書となった。
 意見書は「このあと、すぐッ」「ふーっ」「では、CMです。ハイ、BPOの」といった口語表現を多用。
  番組について「芸人やアイドルのアドリブと瞬間芸、はしゃぎぶりとノリのよさ、才能と才覚にお任せということなのだろうか。それだけのことなら、バラエ ティーが昨今の制作コスト削減、お手軽・安上がり番組の尖兵(せんぺい)に使われている、というにすぎないのではあるまいか」と厳しく論評した直後、「い やー、ごめんごめん。きついこと言っちゃった。だって、これってバラエティーだからさ」と続けるなど、制作者の視線に寄り添おうと心がけた。
 視聴者が社会に抱く閉塞(へいそく)感を受け止め、「バラエティーが堂々と切り込んで、息苦しい世の中をひっくり返してほしい」と励ましの言葉も盛り込んでいる。(赤田康和、松田史朗)

 広瀬道貞・民放連会長の談話 前例のない全く新しいスタイルで、バラエティー番組の制作者に対する熱いメッセージを感じる。制作者レベルにまで範囲を広げて幅広く議論を深めていく。
2009年11月17日19時54分  asahi

放送界全体で議論を バラエティー番組 
2009年11月18日 朝刊  東京
 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(川端和治委員長)は十七日、テレビのバラエティー番組について意見書をまとめ、民放連に提出した。現状を「視聴者意見を見ると、相当数が不快感を持っている」としつつも、機械的な倫理基準を適用すれば「もっともテレビらしいジャンルを窒息させる」として、放送界全体で議論・検討することなどを訴えている。 (高橋知子)
 近年、バラエティー番組の内容について、視聴者から多数の不快感や嫌悪感を趣旨とする意見が同委員会に寄せられており、九カ月にわたって討議・審議を重ねていた。
 意見書は、イラストを添え「よーく考えてください」などと砕けた表現でまとめられた。「バラエティーが『嫌われる』五つの瞬間」=表参照=として視聴者の声を分類し、放送局・番組名を伏せ二十六の具体例を掲載。視聴者の反発を招いた要因として、制作者側との意識のズレなどを挙げた。

 また「放送倫理として放送表現に課せられた枠組みを四角四面に適用したのでは、バラエティーという表現形態の特性を殺してしまう」と理解を示した上で、シンポジウムの開催をはじめ、民放連の放送基準にバラエティーに関した項目を設定したり、放送基準とは別にバラエティーについての実効的な指針を作ったりすることが適切な場合もあると言及。ただ「意見をたたき台に現場の制作者に考えてほしい」としてそれ以上は踏み込まなかった。
 「意見書を受け“べからず集”を作るのでは意味がない」。この日の会見で、川端委員長はこう話し「現場がより自由な表現ができるものを考えてほしい」と促した。
 放送の質向上・倫理について考える委員会が、個々の番組ではなく、バラエティー全体に対して意見することについて、漫画家の里中満智子委員は「バラエティーに対して抱いていた危惧(きぐ)が現実的なものになって、本来の役割とはちょっと違うが、こういう立場にいる責任感もあり意見をまとめることになった」と説明。「どの現場も大変だと分かる。仕事に誇りを持って頑張ってもらうためのエールと思って意見書を読んでほしい」と話した。
 また、作家の吉岡忍委員は、「視聴者もあるワンシーンだけを見て意見している場合もあり、意見のすべてが正しいとはいえない」と視聴スタイルや受け止め方の変化にも触れ、「視聴者に対しても『寛容さを持つ』という一言を意見書に入れた」と説明した。

 意見を受け会見した民放連の広瀬道貞会長は「バラエティーの意義を高く考えていただき、良いバラエティーを作るよう激励されたと受け止めた。放送基準審議会や小委員会、制作者レベルまで範囲を広げて議論を深めたい」と語った。

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