「開かれたＮＨＫをめざす全国連絡会」放送行政の独立機関化について提言を提出

「開かれたＮＨＫをめざす全国連絡会」（視聴者コミュニティも参加）は10月23 日、代表者が内藤正光総務副大臣と面会し、「『日本版ＦＣＣ』でない独立放送委員会を」と題する５項目の提言をまとめ内藤総務副大臣に提出しました。(全文はこちら)
午後からの記者会見（写真）では
松田世話人から提言の趣旨説明、岩崎世話人から内藤正光総務副大臣との会談の模様の報告、醍醐世話人から補足説明がそれぞれありました。
その後記者からは、①内藤副大臣との面談内容について更に詳しい説明の要請、②国の規制に関して、③連絡会の今後の取り組みについて、等々の質問がありました。

内藤副大臣との懇談の内容は岩崎氏(放送レポート編集長)から報告されました。

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参加者：松田浩、小滝一志、石井長世、松原十朗、岩崎貞明（敬称略）

松田さんから「提言」について口頭説明。以下、内藤副大臣の発言要旨。

○放送行政の独立行政委員会の問題については向こう1年間議論する方針だが、1年後には法制化すると決めているわけではない。もっとさまざまな問題が出るかもしれないし、第一期鳩山内閣の4年間で取り組む、という位置づけだ。

○原口大臣がアメリカでＦＣＣの視察をしてきたが、私もイギリス・フランスの規制機関やメディアを視察してきた。意外だったのは、メディア側から規制機関の評価が高かったことだ。エビデンスに基づいて専門的に検討してチェックする、という規制機関側の姿勢がその信頼の背景にあるようだ。政治的中立についても、当初は問題があったかもしれないが、いまは信頼を得ているようす。規制機関と政党などとのあいだで日常的に政策論議をして、政策立案にもかかわっているという。日本でも、政権交代を前提にした政権作りをすべきだと思っている。

○「日本版ＦＣＣ」という言い方は、当初は民主党でもしていなかった。「独立規制機関」という表現だった。ＦＣＣは大統領制のもとで機能しているので、日本とは異なると考えている。

○内容規制についてＢＰＯで対応するということに異論はないが、通信と放送が融合する中、誰もが情報発信できる環境で、ＢＰＯに参加していないようなところからの情報にどう対応するのか、皆さんからも意見を出してほしい。安心できるネットワークづくりのために、悪意に基づいた情報や違法情報、プライバシー侵害や虚偽情報などの有害情報にどう対応すればいいのか。

○通信と放送の融合を前提に考えていく。いまは、縦割り行政の影響を民間も受けている状態。表現の自由を守るために、ＢＰＯと規制機関との連携もとれるのでないか。ＢＰＯの自律的な変化に期待したい。フランスでは、規制機関が法学生を雇って報道番組における政党の発言時間を計測してチェックしていた。これがいいとは思わないが、番組への外形的なチェックの一つと考えられる。

○独立行政委員会については、論点整理しながら議論のスタートにつく、というところ。まだ何も決まったわけではない。また、表現の自由を守るために、規制ありき、というつもりはない。もし規制機関が動く、という場合があるとしても、それは例外中の例外だと理解してほしい。

○委員の人選については、公募制はよいと思うが、イギリスのように公募のための組織を作る必要がある。また、国会同意人事の中では、委員候補に対して国会の委員会での質疑を行うことは前提になるだろう。ＮＨＫの経営委員会も、今のメンバーではメディアの専門家がいない。
（まとめ・文責　岩崎）
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「視聴者コミュニティ」の考え方を醍醐聡ブログより転載します。

 　政権交代を機に放送行政を政府から切り離し、独立の第三者委員会（独立放送委員会・仮称）に移す構想が検討され始めた。その根本にあるのは「国家権力を監視する役割を持つ放送局を国家権力が監督するという矛盾を解消する」という理念である。この理念には国家と放送局のあるべき関係が凝縮されており、私も大いに賛同する。問題はこの理念を各論にどう貫くのかである。
続きは 放送行政の独立機関化について提言を提出: 醍醐聰のブログで