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2009年10月 9日 (金)

NHK番組改変事件 ~何が残された問題か~(9/26)レポート

本レポートはニューズレター第14号のトップ記事にしました。
放送を語る会20周年記念のつどい「NHK番組改変事件 ~何が残された問題か~」(9/26)は当事者、関係者オールスター総出演、満員御礼、立ち見続出 "NHKもChange!" の熱気につつまれた盛会となりました。「視聴者コミュニティ」からも多数の参加があり、「NHKを政治家と官僚から市民の手にとりもどすこと」を確認しあいました。
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番組改変問題に関わった重要人物がパネリストとして勢揃いした画期的つどいとなりました。NHK裁判の原告側の当事者とNHK側の当事者とが同席して「真相解明」を行うなどかつては想像もつかない光景でした。壇上には、バウネット・ジャパン共同代表の西野留美子さんと永田浩三ディレクター、長井暁デスク、そしてジャーナリズムの現状に警鐘をならし、その再生をリードする重鎮、原寿雄さんが並んだのです。戸崎賢二さん(第2部は野中章弘さん)の名司会で「2001年の番組改変時」の重要な局面について一つひとつお二人がとった行動、そのときの心中が吐露されました。長井さんが東京高裁での証言で、「・・・もしここで本当のことを言わなかったら,一生私は後悔して生きることになるなというふうに思いました。・・」と述べられ、永田さんも「1月29日改ざんをやった後タクシーの中で泣きながら家路についた」と証言されましたが今回あらためてそれを吐露されました。参加者は水を打ったようにそれに聞き入りました。 湯山哲守(共同代表)
レポート詳細はこちらから
いくつかの発言を紹介します。
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NHKは「政治的配慮で番組改変を行った事実はない」という公式見解に固執しています。これに対し
永田氏:総局長から「調べれば政治家の介入があったという結論しかないじゃないか」といわれた。だれもそう思っているが一度きめた「そんな事実はない」という見解を変えられない官僚体質。
長井氏:「外務省密約」とおなじ。「そんな事してどうやって予算とうすの」といわれた。 先日総局長の会見後、横にいた名乗らない人が「今の総局長の見解はNHKの公式見解ではない。」と発言した。(こういう官僚群が変えさせない)
新聞記者もダンマリだ。Img_4920_21_2

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戸崎氏:当時彼らは孤立していた。局内でもディレクタの横のつながりもなかった。市民運動も弱く連帯がなかった。
西野瑠美子 氏  (VAWW-NETジャパン共同代表)
●国際法廷をゆがめて報道し証言者への人権侵害。重大な民主主義の侵害。
●報道機関の自由と責任放棄。
●この番組のテーマは「和解はいかにしておこなわれるか。」
●女性国際戦犯法廷は「処罰なくして和解なし」
●1997年 すべての歴史教科書に慰安婦問題記述あり(村山談話、官房長官談話)
自民議連 地方議会決議 政官民一体の政治家主導の「慰安婦攻撃」開始 
2000年 新しい歴史教科書初採択 4社の教科書から慰安婦が消えた。
 寿雄 氏 (ジャーナリスト)
●外国の報道に比し日本の報道陣は「女性法廷」取材をほとんどしなかった。
 日本の報道陣は「女性法廷」を忌み嫌っている。
●放送法で保証された自由を放棄。
●本田雅和氏が夕張に左遷されたことを知ってる人はすくない。
●公平中立にと穏便に5分だけ言われたのか。本当のことはわからない。
●権力に弱いのはNHKだけでない。みんな自分の企業利益に弱い。
●日本のジャーナリズム全体が弱い。朝日の揚げ足取りに徹した野次馬ジャーナリズム。
●「朝日の虚偽報道」と公共放送を私したNHKに対する批判が少ない。
●「期待権」という新しい権利を発展させるべき。
永田浩三 氏  (元NHKプロデューサー・武蔵大学教授)
天皇タブーについて
●「食料メーデー」などを見ると天皇タブーがなかった時もあった。
●「ETV2000」ではノーマ・フィールドさんの「天皇責任の研究」はそのまま放送された。批判もなかった。
●「東条内閣の秘密記録」をやったとき”天皇は参謀本部と一体になって戦争指導をしていた数日間”があり戦争責任はないという議論は無理があると思っていた。
●「期待権」が編集の自由を侵すのではなくNHKの編集権の放棄、編集権の濫用によりこの問題がおきた。
西野瑠美子 氏
●VAWW-NETが取材協力を依頼されたときの「放送のコンセプト」が守られなければ協力を断った。
●「期待権」はマスコミに矮小化されてしまった。VAWW-NETはバッシングされ取り返しのつかない状態になった。
長井 暁 氏
●「731細菌部隊」を作ったときは、局内に公表したのは直前。
(早く知らせると政治部記者にご注進されつぶされる。)
●企画が正式承認されたものは上層部が守ってくれると信頼していた。
●報道局は政治に過敏、番制局は局長まかせ。今回事件は国会担当が直接総局長を動かせるという悪例をつくった。
野中章弘 氏(司会) (アジアプレス・インターナショナル代表)
NHKとは何回も一緒に仕事をしてきたがNHK番制局ディレクタ、プロデューサの誠実さ、能力、緻密さ、これはもう大変なものだ。そういう人たちの中でこの問題がおきたことに深刻さがある。
報復人事にたいし、抵抗の動きがなかったことは重大。
 寿雄 氏
極東裁判では天皇免罪のため、GHQは苦労した。日本政府の一部には天皇責任は自分たちで裁きたいという動きがありGHQに申しこんだがGHQにけられた。
民衆法廷は日本人がはじめて戦争責任を裁こうとしたものだ。
だから安倍グループが異常な行動をおこした。右翼政治家の琴線にふれた。
ジャーナリズムの強さは労組の強さと関係しているが今は個人に期待するしかない。
永田浩三 氏
裁判の中でほんとのことを言おうと思ったのは長井さんの記者会見の後だが、取材対象にはほんとのこと言ってくださいといいながら自分はそうしていないと遅まきながら考えた。
CPと言う仕事は自分の言葉が何百万の人びとに直接伝えられる特権があり、この仕事を失いたくないと言う思いとの葛藤があった。
報復人事に対し私たちを守る動きはなかったわけではない。(局内で)
外の人と協力して番組を守ろうという意識は希薄。
「期待権」などという言葉は高裁の中ではない。(法的保護の期待と信頼云々はある) 特段の事情がある場合と限定して使われたのにメディアが「期待権」とミスリードした。
長井 暁 氏
報復人事が若い人に与える影響が心配。
西野瑠美子 氏
お二人を犠牲者、被害者、守れない組織ジャーナリズムの限界とみる見方に違和感。
NHK改革の扉を開いた人。
教科書会社が慰安婦削除したのは社会のムードといった。
DJがNHKに渡したビデオが検証のスタート。
原 寿雄 氏
NHKが検証番組を作れないなら我々に渡せ、といえないか。あれは視聴者の物ではないか。
政権交代で初めてこんな事を考えた。募集すればいろいろアイディアはあるのでは。

質疑応答
国際婦人年連絡会 西野さんと同じ思い。お二人は犠牲者でなく「英雄」
?: 米山リサさんのコメントは150°くらいねじ曲げられていた。
兵庫Niさん:神戸に長井さんを迎えお話を聞いた。
      長井さんの生き方に感動し受信料拒否をやめたという人もいた。
茨城Nさん:NHK問題を考える市民運動の横の連帯をとる方法はあるか。
川崎泰資氏  
権力の介入は常にある。最近の「緒方元長官事件」への安倍氏の介入などいい例。
元職員氏:
1,野島局長→松尾局長に「呼ばれたんじゃなくてこっちから行ったことにしよう」
  松尾局長 「忘れたことにしよう」
  野島局長 「中川氏にあったのは2/2」
  伊東局長 「放送の後!よかった。バンザーイ これでアタシ関係ない」
  吉岡部長「ものすごい口裏合わせ大会を見物してきたぞ」
2,落とされた兵士の証言の人はNスペで出演した人。
  この兵士の証言に疑いをはさむとNスペ自体が否定される。
3,「失神したから落とした。」失神してない東チーモールの人も落とした矛盾。
4,2夜分目は今は見られない。
5,素材、台本は全部残っている。検証にはじゅうぶん。多くの人がもっている。本田記者のテープがあればすばらしいオーディオビジュアルの番組ができる。
6,あれ以降誰も慰安婦はやらない。
今ならyoutubeもあるし出来るのではないか。
出来ることはNHK内部でも市民運動もやった。残っているのは””ジャーナリズム”だけ。
永田浩三氏:ETVを何とかしたい人はNHK内部でいい仕事をしている。
長井 暁 氏:NHK内部から検証の動きが出てくることが理想。独立行政委員会に期待
西野瑠美子 氏
英雄という言葉は常に戦争と結びついてきた。今回つかうのはどうか。
裁判資料、BPO意見書を英訳し国連人権委員会に来年3月提出する予定。
裁判記録を誰でも読めるよう準備中。
 寿雄 氏
政治の介入を受けた被害者NHKは「被害を受けていない」という。
国民が被害を受けているのにマスコミがいわない。
今日これだけの人が集まったことから再出発。

なお「放送を語る会」も議事録をUPしています。こちらもご覧ください。
                       資料

 ●今井潤氏(放送を語る会代表)
「公共放送NHKの幹部が政治に屈服してゆく姿はあらためて大きなインパクトを参加者に与えました。裁判の原告バウネットと被告の二人が同席したことも画期的なことでした。この番組改変事件の検証番組を作るようNHKに求める声も会場から、またゲストから提案されました。民主主義を守る上でNHKは変わらねばならないという熱い雰囲気があふれた集会になりました。
 このNHK番組改変事件は、NHKと政治、組織ジャーナリズムと個人、放送と視聴者市民、「編集権」など様々な問題を我々に問いかけています。この問題を知る人もまだ知らない人もともに今後も考えていきたいと思います。」
「 シンポジウムには、裁判の原告でもあった西野瑠美子氏(バウネットジャパン共同代表)も参加。「97年から始まった右派議員による慰安婦攻撃が、教育界のみならずついにメディアにも及んだ、という衝撃があった」と、当時を振り返った。司会の野中章弘氏(アジアプレス・インターナショナル代表)は、「報復人事がなされた際、NHKの内部から問題にできなかったことは大きな課題だ」と指摘。NHKの元職員からは、「番組の素材はすべて残っている。検証番組はすぐ作れる。あとは、『朝日』を含めてジャーナリズムが横につながってこの問題に取り組んでいけるかどうかだ」、と訴えた。放送研究者の松田浩氏は、「いま視聴者運動は、現実を動かしていく確かな流れになってきた」と分析。政権交代で放送行政をめぐる情勢は流動的だが、それは運動によって変えていくことも出来るということだ、と展望を語った。
 会場からは、永田、長井両氏の証言から勇気をもらった、との励ましの声が相次いだ。ジャーナリストの原寿雄氏は、「我々が今日このような集会をもって二人の話を直接聞くことができた。ここから出発するしかない、出発できる」と締めくくった。集会を終えて永田氏は、「これだけ多くの皆さんの前に立ち、しかも裁判の原告の方とも同席できたということが信じられない思いだ。NHKの外に出てみると、とても健全な風が吹いていることを感じることができた。これまで支えてくれたNHKの仲間、そして市民の方々との関係を大切にしていきたい」と感想を述べた。
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