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2009年9月13日 (日)

「「坂の上の雲」を考える”市民シンポジウム実行委員会”」が再度質問状を提出

7月22日京都で行われた「 ”NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」を考える”市民シンポジウム実行委員会」が提出した「公開質問書」に対するNHKからの”問答無用”に近い回答(こちら参照)に「実行委委員会」は再質問をおこないました。
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「坂の上の雲」放送に関してNHK会長に送った公開質問状に対する返事 がエグ ゼクティブプロデューサー西村与志木氏から会長に代わってが「回 答」が寄せ られたことをご紹介しましたが、「回答」の体をなしていないこ とから「実行委委員会」は再度質問状を送りました。湯山哲守。(共同代表)
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再度の公開質問書
          2009(平成21)年9月4日
日本放送協会 放送総局「坂の上の雲」プロジェクト
エグゼクティブプロデューサー
西 村 与 志 木 様

“NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」を
考える”市民シンポジウム実行委貞会
実行委員長 岩 井 忠 熊
(連絡責任者)弁護士 中 島  晃
〒604−0847
京都市中京区烏丸通二条下ル西側
ヒロセビル2階市民共同法律事務所
TEL075−256−3320/FAX075−256−2198

 私たちが、2009(平成21)年7月22日付で貴協会に提出した公開質問書に対して、貴協会の会長に代って、貴職から平成21年7月20日付で回答書が送付されてきました。しかし、貴職から送られてきた上記書面の内容を見ると、私たちが提出した質問事項に対して、何らまともに答えていないばかりか、私たちの質問の趣旨を全く理解していないのではないかと疑いすらもたざるをえず、実質的に回答を拒否するものに等しいものとなっています。
 貴職は、上記書面のなかで、「司馬遼太郎氏は小説『坂の上の雲』を戦争賛美の姿勢で書かれたものではありません。」と述べていますが、公開質問書を読んでいただければおわかりのように、私たちは司馬遼太郎が「坂の上の雲」を戦争賛美の姿勢で書いたなどといっているわけではありません。

 私たちが問題にしているのは、司馬遼太郎が生前、「坂の上の雲」の映像化を拒み続け、その理由として、ミリタリズムを鼓吹しているように誤解される恐れがあること、しかもその誤解が弊害をもたらすかもしれないことをあげていることは非常に重要だと考え、こうした誤解や弊害をおそれた作者自身の遺志に反してまで、NHKがあえてこの時期に「坂の上の雲」をテレビドラマとして放映するのは何故なのかであり、そのことについて、NHKの見解を問いただしたいと考えて、上記公開質問書で5項目にわたる質問事項を提出したものです。
 しかし、貴職の上記回答は、上述したとおり、私たちの質問事項に全く答えようとしておらず、きわめて不誠実なものであって、NHKとして説明責任をはたしていないのそしりをまぬがれません。
 しかも、貴職は、上記書面の本文6行目以下で「スペシャルドラマ『坂の上の雲』は司馬氏のこうした思いを生かしたかたちで制作するものです。」と述べていますが、貴職の上記書面には、「司馬氏のこうした思い」を示す文章が欠落しており、前後の脈絡のない意味不明の文面となっています。
 このように見てくると、貴職の上記書面は、回答の名に値しないばかりではなく、日本語の文章としての体をなしていない非常に乱暴なものであって、NHKの会長に代って回答してきた「坂の上の雲」プロジェクトエグゼクティブ“プロデューサー”である貴職の見識が問われる内容となっています。
 そこで私たちは、あらためて、上記公開質問書で提起した5つの質問事項に対して、NHKとしての見解を是非とも具体的に明らかにされるよう重ねて回答を求めるものです。念のため、末尾に質問事項を添付いたしますので、この質問事項に即して、具体的に回答していただきたいと存じます。ご多用中、まことにお手数ではありますが、平成21年9月25日まで、文書をもって回答いただきますようお願い致します。
                                                                                       以上
〔質問事項〕
1、作者が生前、具体的な理由をあげて、「坂の上の雲」のテレビドラマ化に同意しなかったにもかかわらず、今回NHKが遺族の同意をとりつけて放映することは、作者の遺志をふみにじるものであって、将来に大きな禍根を残すものといわなければなりません。NHKが何故、作者の遺志を無視してまで、「坂の上の雲」の放映に踏み切るのか、その理由を明らかにして下さい。
 また、作者の司馬遼太郎が生前放映に同意しない理由としてあげていた、ミリタリズムを鼓吹するおそれや、それによってもたらされる弊害については、根拠のないものなのか、NHKとしての見解を明らかにしていただきたい。
2、司馬遼太郎が、生前「坂の上の雲」の映像化を拒み続けた理由となっているミリタリズムを鼓吹するおそれや、それによってもたらされる弊害は、決して無視することのできないものといわなければなりません。そこで、おたずねしますが、NHKは今回「坂の上の雲」の映像化にあたって、作者の指摘している上述したおそれや弊害をとりのぞくために、何らかの対応をとることを検討されているのでしょうか。もし、そのことを検討されているとすれば、その具体的な方策を明らかにしていただきたい。
3、「坂の上の雲」は、日露戦争を祖国防衛戦争ととらえています。NHKがこれをテレビドラマ化することは、日露戦争を祖国防衛戦争とみる、特定の誤った歴史観を視聴者に押しつけることになります。
  したがって、NHKは、公共放送の立場から「坂の上の雲」のドラマ放映にあたって、日露戦争が植民地争奪戦争であることを視聴者に正確に伝える必要があり、そのことは中国や朝鮮半島など北東アジアの人々との関係でも重要なことと考えます。そこで、おたずねいたしますが、NHKは今回の、「坂の上の雲」の映像化にあたって、その点について、どのような検討をされ、またどのような措置をとられるのか具体的に明らかにしていただきたい。
4、「坂の上の雲」の主人公は、秋山好古、真之兄弟であり、日露戦争を闘った職業軍人であることはいうまでもありません。また、秋山兄弟の四国松山の同郷であり、真之の親友であった正岡子規も、日清戦争には自ら望んで、従軍記者として参加しています。
 しかし、その−方で、戦争に反対し、これを批判した明治の若者がいたことも、まぎれのない事実であり、これを無視することは、作者が誤解されることをおそれたようにミリタリズムを鼓吹することになることは明らかです。
 そこで、おたずねいたしますが、NHKは今回、「坂の上の雲」の映像化にあたって、日露戦争に反対し、これを批判した内村鑑三、幸徳秋水、堺利彦、与謝野晶子など少なからぬ人々がいたことについても視聴者に正確に伝える必要があると思われますが、この点について、どのような検討をされ、またどのような措置をとられるのか具体的に明らかにしていただきたい。
5、平成22年5月から、憲法「改正」手続法が施行され、国会で3分の2以上の議決により、憲法「改正」が発議されると、国民投票が実施されることになります。NHKが公表している「坂の上の雲」の放送計画によれば、平成22年秋の第8回から平成23年秋の第13回(最終回)まででは、日露戦争そのものがテーマとなり、このままでは、国民のなかにミリタリズムを肯定する雰囲気を醸成して、憲法9条改悪の世論換作に利用される危険性をはらんでいるといわなければなりません。
 そこで、おたずねいたしますが、NHKは、今回「坂の上の雲」の映像化にあたって、上述した憲法「改正」の国民投票との関係で、憲法9条改悪の世論換作に利用される危険性について、どのように検討されたのか、また上述した危険性をとりのぞくために、どのような手だてをとられるのか、具体的に明らかにしていただきたい。

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