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2009年9月24日 (木)

BPOがNHK番組改編問題でブックレット

毎日新聞 2009年8月22日 東京夕刊
 <放送倫理・番組向上機構(BPO)は10日、NHKの番組改変問題をまとめたブックレット「『ETV2001戦争をどう裁くか第2回問われる戦時性暴力』委員会意見とNHKの見解」を発表。「放送倫理とともに放送番組の質について審議することは、委員会の本来の任務」などと改めて指摘した。
 今年4月、BPOは教育テレビの番組改変に関し放送倫理上の問題があったと認定し、「自主自律を危うくした」「質の追求をないがしろにした」などとする「意見」を出した。これに対しNHKは6月、「番組の『質』は本来、放送倫理とは別に考えるべき問題」などと反論していた。ブックレットは約1500部作製し、放送各局やマスコミなどに提供した。>
ーーと報じられていますがこのブックレットについての説明がBPOのHPにのっています。
当該局の見解についての委員長のコメント(「刊行にあたって」)
当該局(NHK)の見解

これによると

1.「政治家への事前説明」については「放送総局長は(中略)予算説明の際に同行して必要と思われる範囲で説明をしたもので、問題があったとは考えていません」との従来の見解から
「決 して、番組制作部門の担当者が、放送前に個別の番組内容を国会議員等に直接説明することを念頭 においたものではありません」「委員会意見で指摘された国会対応の窓口と放送・制作現場との組織的な分離については、すでに実現されています」とニュアン スが変ってきていることから
「いかなる経緯によるにせよ、国会対 応の担当者が番組制作の現場に足を踏み入れて番組内容について指示をするこ とや、番組の放送後、政治家からその内容について説明を求められた場合であ っても、番組制作局長が対応することなどは、現在は一切あり得なくなってい ると理解できる。委員会としては、NHKが自主・自律の堅持のための組織的 保障を実現したことを高く評価したい。」としています。 

2.いわゆる「質の審議」についてはNHKが
<「番 組の質」について「完成度に まで踏み込んで評価していることにも疑問が残ります」 「番組の完成度が高いか低いかという『質』は、本来、放送倫理とは別に考えるべき問題です」「『番 組の完成度』と放送倫理とを関連付けて議論を進めることには慎重であるべき だと考えます」>としていることに強く反論しています。
「委員会運営規則第4条に「委員会は、放送倫理を高め、放送番組の質を向上させるため、放送番組の取材・制作のあり方や番組内容などに関する問題について審議する」と規定されている(略)
放送倫理とともに放送番組の質について審議することは、委員会 の本来の任務なのである。また番組の質の追求が放送人の究極の倫理であり、その誇りの源泉でもあることを疑う人はいないだろう。」
<「番組の質」とりわけ「番組の完成度」への評価は、見る人の価値観によって異なってこざるを得ない面 が>あるため「番組の改編の内容の当否を評価することは一切しないで、もっぱらその改編の過程が質の向上を目指すものであったと言えるのかどうかだけを問 題にしたのである」としています。

3.最後にNHKが<委員会が「閉じた態度」と指摘したことには、「承服しかねる」>としていることには
「少なくとも、このシリーズ全体をビデオオンデマンドのライブラリーに掲載するなどして是非広く公開していただきたい。そもそも問題とされた番組を誰も見ることが出来ないという状況は、「閉じた態度」と評されても仕方がないのではなかろうか。」としています。

BPOがこのような指摘を「ブックレット」という形でだしたこと、BPOの立場、環境について”マスコミ市民8月号”が興味ある記事「特集★番組改変問題とBPOの役割」を載せています。

以下”マスコミ市民8月号”「特集★番組改変問題とBPOの役割」より
許可を得て転載
全文はこちらから
川端BPO委員長とのインタビューを企画した川崎泰資氏は
 「このたび川端委員長にお話を伺いたいと思いましたのは、新聞各社や放送局がまともに取り上げなかったからです。これだけ立派な仕事をされているのに、なぜ委員長に取材して経緯を明らかにしないのでしょうか。私どもは小さな雑誌ですが、このインタビューは歴史に残ると思います。」としています。

川端BOP放送倫理検証委員長の発言
川端 私どもは、NHKがホームページに出している文書と、最高裁が認めた範囲での事実認定だけで「意見」を書こうと決めておりました。(略)NHKが自ら認めた事実と裁判所の事実認定に依拠するほかないと考えたのです。

川端 私たちも4つの番組を並べて見ましたので、2番目だけぜんぜんつくりが違うことがよく分かりました。そして、シリーズの意図、仕上がり、出来栄えについて、「いま日本でこういう番組が作られ放送されていることは素晴らしい」と、皆で確認しあいました。

川端 NHKへの質問に対する回答で、NHKは個別番組に関する政府高官・与党政治家への事前説明の可能性を否定なさらなかったので、少なくともこの点については「意見」を出さなければならないということになったのです。NHKとはこのワンポイントでしか接触していなかったので、NHKの態度云々という印象はもちませんでした。こんな素晴らしい番組を作っているのになぜ公開しないのか、という素朴な印象です。

川端 私どもは、限られた任務と権限しか与えられていない委員会ですから、その範囲内で何ができるかということを考えざるを得ないのです。強制的な権力をもっているわけではありませんから、説得力で勝負をするしかありません。限られた権限で集められる材料に基づいて、しかも限られた任務のなかで実現できる範囲の発言をして、それが説得力を持って相手に伝わるのが理想です。「もっとできるではないか」と言われる方もいますが、それをやりだすと「あなたたちは何様のつもりだ」という議論が必ず起こってきます。それは逆に私どもの説得力を弱めるだけだと思いますので、今までも与えられた任務の範囲を守ってきましたし、これからも守って行きたいと思います。

川端 放送の誤りは放送で正してほしいというのが、私どもの基本的立場です。誤りが起こったら検証番組をしっかり作って、なぜこうなったのかを自分で徹底的に追求していただきたいのです。

川端 検証委員会は、番組についておかしなことがあれば具体的に指摘して、その指摘の説得力があれば、相手が納得して変わっていただけるのを期待するというポジションです。現に、それしかできない機関だと思います。

川端 そもそも番組の質の向上を目指して審議して意見を述べるということは、委員会の権限としてNHKもお認めになっていますので、それに違和感を示されると、「NHKと民放連で定めた運営委員会規則4条に書かれている文言についてどう思われるのですか」と、言いたくなるのです。

川端 私どもとしては、できるだけ多くの、特に若い人にこれ全部読んで考えてほしいと思っています。ですから、要約版を作りませんでした。きちんと読んでいただければ、必ず考えるきっかけになりますし、仲間で討論をする材料にもなります。そういうものが下から積み上げられていくことによって、はじめて放送がよい方向になる契機が生まれるのではないかと思います。

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