18日のNHK前アピール行動も雨予想のため中止します。今後の企画については現在相談中です。(10.17日PM3:50分現在)

18日のNHK前アピール行動も雨予想のため中止します。今後の企画については現在相談中です。(10.17日PM3:50分現在)
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台風のため11日のNHK前アピール行動は中止、18日に順延します。
18日は30分繰り上げて17時からとしています。
新チラシPDFダウンロードは従来と同じく http://bit.ly/2nFaXNw
です。
Kanpo2
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NHKは日本郵政の圧力にひるむな!

郵政の圧力に加担した石原経営委員長は辞任せよ!

かんぽ不正を追及したNHKに対し、日本郵政が元総務次官の肩書を使ってもみ消し圧力。あろうことか、それに経営委員長が加担するという前代未聞の事件。上田会長の弱腰も大問題。

郵政の圧力に加担した石原経営委員長の辞任を求め、NHKの番組制作スタッフへの激励を込めてアピール行動を決行します! 
10月18日(金) 17時~18時 NHK西門周辺

チラシPDFダウンロード
  

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2019年10月15日 (火)

日本郵政による番組制作への介入に関して「抗議と質問」の文書の更新版を提出しました。

当会は去る10月1日、日本郵政による番組制作への介入に関して 経営委員会とNHK会長宛てに「抗議と質問」の文書提出しましたが(→こちら)、NHK視聴者部から回答延期の申し入れがありましたので、前の質問書をその後の情勢を踏まえ更新して本日NHKに提出しました。

質問は大きく3つの項目に分け、それぞれ、2~3の細目に分けて、項目ごとに石原経営委員長あるいは森下委員長代行の言動が、「放送法」「NHK放送ガイドライン2015」に違反したもの、または違反した可能性が強いものである点を指摘し、責任の認識を質しています。
【質問1】NHKに対する日本郵政からのクレームに関する経営委員会の対応について
【質問2】NHK会長への「厳重注意」がなされた際の議事について
【質問3】本件に関する議事録の作成、もしくは不開示についてこれら質問について、10月24日(木)までに文書による回答を求めています。新しい質問書は以下のとおりです。

*******************************************
NHK経営委員長 石原 進 様                    2019年10月15日
同 委員長職務代行者 森下俊三 様
同 経営委員 各位
                    NHK を監視・激励する視聴者コミュニティ
                       共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
                       
日本郵政によるNHKの番組制作への介入に係る経営委員会の対応に関する質問(更新版)


本年10月1日に貴委員会宛てに提出しました文書「日本郵政による番組制作への介入に関する経営委員会の対応への抗議と質問」のうちの2項目の質問を、その後の国会審議、野党合同ヒアリングに出席された貴委員会委員の応答ならびに関連報道にもとづき、以下のように差し替えます。本質問書について、10月24日(木)までに、書面で、別紙宛てにご回答くださるよう、お願いします。

簡保生命保険の不正販売を取り上げた「クローズアップ現代+」(2018年4月24日放送とその続編のための取材)に対する日本郵政グループの一連の干渉(以下、「本件」という)について、日本郵政副社長の鈴木康雄氏は、NHKのガバナンス体制を問題にしたものであって、番組への圧力を意図したものではないと釈明しています。
しかし、
①日本郵政が昨年7月以降、NHKの当該番組制作スタッフが番組専用サイトにアップした動画の削除を執拗に要求したこと、②日本郵政が鈴木康雄氏名で貴委員会宛てに送付した文書の中で「放送番組の企画・編集の各段階で重層的な確認が必要である旨指摘」した事実に照らせば、NHKに対する日本郵政の一連の干渉の本意は、自社商品の不正販売の実態が内部通報でさらに公になるのを食い止めようとした点にあったことは明らかです。

【質問1】NHKに対する日本郵政からのクレームに関する経営委員会の対応について

〔質問1-1〕 日本郵政のNHKに対する一連の抗議・処置要請が、NHKのガバナンス体制を問題視する口実のもとに、個別の番組編集、そのため取材をけん制し、干渉、圧力を及ぼす狙いが本意であったことを十分、認識できたにもかかわらず、貴委員会は、それを跳ね返すどことか、逆に日本郵政のクレームを取り次ぎ、上田会長に「厳重注意」をしました。そして、それが大きな要因の一つとなって、「クローズアップ現代+」は番組専用サイトにアップしていた動画を削除し、予定されていた続編を延期することになりました。
このような経緯に照らせば、貴委員会の対応は「放送法」第32条で禁じられている個別の番組編集への直接の干渉または間接の干渉(干渉の斡旋)にあたると判断できます。
この点を貴委員会はどのように認識しておられるか、各委員の意見を集約した上での説明を求めます。

〔質問1-2〕 経営委員長職務代行者の森下俊三氏は、昨年10月5日付で日本郵政3社の社長名で経営委委員会宛てに文書が送られる前の9月25日に鈴木副社長と面会し、鈴木氏からNHKへの不満を直に聞いていたことが判明しました。その際、森下氏は「経営委員会に正式に申し入れてほしい」と述べたと伝えられています(『朝日新聞』2019年10月12日)。
下線部分の報道は事実かどうか、森下氏に説明を求めます。事実でないなら、すでに訂正を申し入れられたのか、あるいはすみやかに訂正を申し入れる予定があるのか、お答えください。

〔質問1-3〕 そもそも、経営委員が、自社商品の不正販売が社会的に大きな問題となり、当該問題を取り上げたNHKの番組の取材対象となった法人の首脳と非公式に面会し、そこで聞き取ったクレームを経営委員会に取り次ぐ言動をするのは、「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」と定めた「放送法」第3条に抵触する疑いが濃厚な行為です。
さらに、森下氏の言動は、NHKの全役職員が「放送とは直接関係のない業務にあたっても」「放送の自主・自律の堅持が信頼される公共放送の生命線であるとの認識に基づき、すべての業務にあたる」と定めた「NHK放送ガイドライン2015」に違反する行為に当たると当会は考えます。
これについて、森下氏はどのように認識されているか、また、経営委員会はどのように認識され、対処されるのか、お答えください。

【質問2】NHK会長への「厳重注意」がなされた際の議事について

〔質問2-1〕 報道によれば、ある経営委員は、経営委員会名で上田会長に「厳重注意」をした際、委員の間で意見が分かれ、議決をしないまま注意がされたと語っています。
 このような「議決を経ないまま」との報道は事実なのかどうか、議事録に基づいて、あるいは全経営委員の確認を経て、明らかにされるよう求めます。

〔質問2-2〕 報道が事実とすれば、経営委員会名でのNHK会長に対する「厳重注意」は、「経営委員会の議事は、別に規定するものの外、出席委員の過半数をもつて決する。可否同数のときは、委員長が決する」と定めた「放送法」第40条第2項に明確に違反する行為となります。となれば、経営「委員会の会務を総理する」(「放送法」第30条第3項)責務を負った石原経営委員長が法令違反を放任した責任は極めて重いことになります。
この点について経営委員各位はどのように認識されているのか、石原経営委員長は責任をどのようにとるつもりなのか、明確にお答えください。

【質問3】本件に関する議事録の作成、もしくは不開示について

〔質問3-1〕 森下委員長職務代行者は、10月3日に開かれた野党合同ヒアリングにおいて、「議事録は作成したが、相手方がある話なので内規により公開をしない」と発言しました。しかし、翌4日に開かれた野党合同ヒアリングに出席した高橋正美経営委員は、「非公表を前提に議論しており、議事録はない」と発言しました。
 議事録の作成・存在に関して、森下氏と高橋氏の発言のどちらが真実なのか、お答えください。

〔質問3-2〕 NHKのガバナンス体制あるいは会長の番組編集権に関わって経営委員会が会長に「厳重注意」をするのは前例のないことですが、これは「放送法」第29条の1のハで定められた「協会の業務の適正を確保するために必要なものとして次に掲げる体制の整備」に関わる経営委員会の正規の職務の一環として行われたものと考えられます。
 であれば、こうした経営委員会の職務の執行に係る協議は議事録に残すのが「放送法」に基づく経営委員長の義務です。にもかかわらず、高橋氏の発言のとおり、当該議事について議事録を作成していないとすれば、石原経営委員長の脱法責任は免れません。
 また、議事録は作成しているが、内規により、「相手方」云々を理由に公開しないのなら、それは経営委員会の内規を法令に優越させ、「放送法」第41条後段の定めを脱法する行為とみなして差し支えありません。
 この点について、石原経営委員長は議事録の作成・公表に係る「放送法」遵守責任をどのように認識されているのか、お答えください。   以上

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日本郵政の回答書に対し当会のコメントを長門社長、鈴木副社長宛に発送しました。

当会は10月4日、日本郵政本社を訪ね、広報部グループリーダーの渡邊卓也氏と面会して、長門社長、鈴木副社長宛に「NHKに対する貴社の抗議の撤回、NHKの視聴者に対する謝罪を求める申し入れとそれに関連した質問書」を提出(→こちら)していましたが
10月11日付けでこのような回答文書(→こちら)が当会に届きました。
当会の運営委員会では、この回答文書を検討して、こちらのようなコメントをまとめ、本日、これを長門社長、鈴木副社長宛に発送しました。下記に貼り付けます。
**********************************

日本郵政株式会社からの回答に関するコメント               2019年10月15日
                NHK を監視・激励する視聴者コミュニティ
                         共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
                  
 当会が、2019年10月4日に日本郵政株式会社の長門正貢社長と鈴木康雄副社長宛に「NHKに対する貴社の抗議の撤回、NHKの視聴者に対する謝罪を求める申し入れとそれに関連した質問書」を提出したのに対して、10月11日付けで日本郵政株式会社から別紙のとおりの回答が届いた。以下は、それに対する当会のコメントである。

(1)今回の回答で、日本郵政はNHKの上田会長と経営委員会に3点の文書を送付した事実を認めたが、当会が質した4点の質問にはすべて回答を拒む不誠実なものである。
(2)日本郵政は社長がNHKの番組は事実であり、これに抗議したのは誤りだったと謝罪する一方、鈴木副社長はNHKの取材方法を「暴力団まがい」と非難し、抗議を撤回する意思はないと公言している。
今回の回答は、日本郵政のガバナンスにかかわるこうした根本的疑問に全く答えない無責任極まりないものである。これでは、NHKのガバナンスを咎める資格はない。
(3)回答は、NHK会長や経営委員会への申し入れは、NHKのガバナンス体制の検証と善後策を求めたもので、取材・制作現場への圧力を目的としたものではない、と強弁している。
しかし、
①動画の削除を要求したこと、
②日本郵政が鈴木副社長名で経営委員会に送った文書の中で、「放送番組の企画・編集の各段階で重層的な確認が必要 である旨指摘」したこと、から考えて、日本郵政の抗議の真意が、自社のかんぽ生命保険の不正販売が内部告発でさらに公になるのを食い止めようとする点にあったことは明らかである。
(4)以上から、当会は、不正な商品販売をはびこらせた日本郵政のトップが、それを謝罪するどころか、不正販売を伝えたNHKに逆切れして、報道の自立を侵害した自らの卑劣な行為を全く反省しない今回の回答に強く抗議するとともに、市民の知る権利を守る運動にさらに注力するものである。
                                                                    以上

 

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2019年10月 4日 (金)

日本郵政の社長と副社長への申し入れ~NHKへの抗議の撤回と視聴者への謝罪を求める

                                                      2019.10.04
~日本郵政の社長と副社長への申し入れ~
NHKへの抗議の撤回と視聴者への謝罪を求め、関連した質問書を手交

「NHKを監視・激励する視聴者コミュニニティ」では、10月1日のNHKへの文書提出に続いて、NHKに圧力をかけた側の日本郵政本社を訪れ、長門正貢社長と鈴木康雄副社長宛の文書を手交しました。事前の面談アポの電話を何回も繰り返して漸く実現した面談ですが、当日も本社受付前で立ったまま受け取ろうとするので強く異議を申し入れ、ロビー内のテーブルで約10分間面談しました。
日 時:2019年10月4日 14時30分から10分間

≪対 応≫
日本郵政:経営企画部門 広報部グループリーダー  渡邉 卓也
視聴者コミュニニティ: 醍醐 聰 共同代表、  渡辺 力 運営委員

≪やり取り≫
「実は私、醍醐先生とは郵政省時代の審議会でお会いしています。」との話から、いつ頃か?などの話で始まる。その後、申し入れ文書の要旨説明。
視聴:この申し入れ文書は、今日中に宛名の相手に届けてもらえるか?
郵政:努力します。
視聴:①9月30日、社長の会見では「NHKへの抗議や申し入れを深く反省している」とある。ところが➁鈴木副社長は経営委員会に対し、文書で「番組の最終確認」を求め、放送法が禁じた個別番組への関与をさせようとしており、その後もNHKを暴力団呼ばわりするなど開き直りの発言が報道されている。また③広報担当の執行役は社長発言を無視するかのようにNHKに対する抗議を撤回するつもりはないといった説明をしている。日本郵政の会社としての真意は何なのか明確に分かるように回答をお願いしたい。
郵政:伝えます。

当初5分間に制限しようとしていたが、結局10分間面談し、終了後、ロビーを出て三階のエスカレーター乗り場まで見送りがありました。
その後、時事通信の記者の取材もありました。
             以上
                                              (文責:渡邉)
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「日本郵政に抗議撤回求める 市民団体が申し入れ書 『知る権利を侵害」」
https://mainichi.jp/articles/20191004/k00/00m/040/208000c?pid=14509&pid=14509
毎日新聞2019年10月4日 19時27分(最終更新 10月4日 19時27分)

「NHKの報道を巡って昨年、日本郵政グループが再三抗議した問題で、市民団体『NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ』(醍醐聡東京大名誉教授・共同代表)が4日、日本郵政の長門正貢社長と鈴木康雄上級副社長宛てに、『視聴者の知る権利を侵害した』として、NHKに対する抗議撤回などを求める申し入れ書を提出した。
 この問題では、鈴木上級副社長が3日、記者団に、NHKから昨年「取材を受けてくれるなら(情報提供を呼び掛ける)動画を消す」と言われたとし、その取材手法を『暴力団と一緒』と発言。NHK側と対立している。野党議員からは『取材上の駆け引きを暴力団と同じと言うのはいくらなんでも暴言だ』との声も上がっている。(共同)」

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                                                                 2019年10月4日

日本郵政株式会社
 社 長 長門正貢 様
 副社長 鈴木康雄 様

NHKに対する貴社の抗議の撤回、NHKの視聴者に対する謝罪を求める申し入れとそれに関連した質問書

                                          NHK を監視・激励する視聴者コミュニティ
                       共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
                       http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/blog/

 皆様におかれましては、ご多忙の毎日をお過ごしのことと存じます。
 9月26日以降の『毎日新聞』等の報道によって、貴社は昨年4月に放送された「NHKクローズアップ現代+」の、かんぽ生命保険の不正販売の報道につき、何度か、動画の削除、ガバナンスの強化など「善処」を申し入れてこられたことが明らかになりました。
 しかし、長門社長は9月30日の記者会見で、番組内容は事実であり、NHKに抗議や申し入れをしたことを深く反省していると陳謝しました。
 ところが、10月3日の『朝日新聞』朝刊に掲載された鈴木副社長名のNHK経営委員会宛ての書簡(2018年11月7日付け)では、「当方からの貴委員会へのお願いにつきましては、貴委員会にても、また執行部にても、充分意のあるところをお汲み取りいただいた」ことについて謝意を述べると同時に、鈴木氏の職歴を記しながら、「ひとりコンプライアンスのみならず、幹部・経営陣による番組の最終確認」も求めています。
 このような貴社のNHKに対する抗議と干渉、続編放送に対する妨害は、かんぽ生命保険の不正販売の実態について、NHKの視聴者の知る権利を侵害するものにほかなりません。
 以上のような経過に関して、次のとおり、申し入れと質問をいたします。申し入れについては、どのように受け止め、対処されるのか、質問については、項目ごとに、書面で、10月10日(木)までに、別紙宛てにご回答をお送りくださるよう、お願いします。

申し入れ

 1.9月30日の長門社長の謝罪を踏まえて、貴社が昨年来、NHKに抗議や「善処」の申し入れをしたことを撤回するとともに、NHKの視聴者の知る権利を侵害したことについて、NHKの視聴者に謝罪するよう、要求する。

 2.鈴木副社長名のNHK経営委員会宛ての前記書簡の中で、経営委員会に対して、「番組の最終確認」も求めたのは、「放送法」第32条が禁じた経営委員による個別の番組編集への関与・干渉を教唆するものであり、それこそ、NHK役職員に課されたコンプライアンス違反を扇動するに等しい。この点について、鈴木副社長の謝罪と当該求めの撤回を要求する。

質 問

1.長門社長が9月30日の記者会見で上記のような謝罪をした後、貴社広報担当の木下範子執行役は取材に対し、NHKへの抗議について、「当時の状況下で行ったこと」と述べ、謝罪したり、抗議や申し入れを撤回したりする考えはないと明言している(『毎日新聞』2019年9月30日)。
執行役が社長の謝罪を覆す発言をするのでは、貴社のガバナンスが疑われる。長門社長の謝罪発言が貴社の真意なら、木下執行役の発言を撤回するのが当然と考えるが、どうなのか、貴社の正式の見解を求める。

 2.鈴木副社長は、これまで、NHK執行部ならびにNHK経営委員会に対する「善処」の申し入れは、NHKのガバナンスの徹底を求めたものであって、番組編集への介入、圧力にはあたらない、と説明してきた。
 しかし、鈴木氏がNHK経営委員会宛てに送った前記の書簡の中で、「ひとりコンプライアンスのみならず、幹部・経営陣による番組の最終確認」も求めていたことは、日本郵政によるNHKへの一連の抗議、申し入れの実質は個別の番組への干渉、圧力にほかならず、ガバナンス云々は口実に過ぎなかったと考えられる。こうした指摘を貴社はどう受け止めるか、見解を求める。

 3.長門社長の謝罪発言が貴社の公式見解なら、鈴木副社長の従前の言動は撤回され、謝罪のうえ、鈴木氏に対し、しかるべき責任が問われて当然である。貴社は鈴木副社長を何らかの引責処分することを考えていないのか、見解を求める。

                                                         以上

 

 

 



 

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2019年10月 2日 (水)

日本郵政による番組制作への介入に関して「抗議と質問」の文書提出しました。

2019.10.01 「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」は、<日本郵政による番組制作への介入に関して「抗議と質問」の文書~NHK経営委員会の対応と上田会長の対応について~>を提出しました。
文書は下記にあります。
(1) 経営委員会宛て 日本郵政による番組制作への介入に関する対応への抗議と質問
(2) 上田会長ほかあて 日本郵政による番組制作への介入に関する抗議と質問 

(1) のPDFダウンロ-ド
(2) のPDFダウンロ-ド

以下は面談の記録です。
日 時:2019年10月1日 11時30分~12時20分
手交した見解の宛先                 
① N HK経営委員会委員長 石原 進 様          NHK経営委員 各位
② NHK会長 上田良一 様、 放送総局長 木田幸紀 様、  NHK理 事   各位 

NHK:経営委員会事務局 松沢明次 副部長
広報局視聴者部 藤田浩之 副部長、  七尾秀明 副部長
視聴者コミュニニティ: 醍醐 聰 共同代表、  渡辺 力 運営委員

渋谷のNHKに出向いて、経営委員会事務局と視聴者部と50分面談し、①経営委員会宛と➁理事会宛に「抗議と質問」を提出し約15分で要旨を説明。その後、別途質問。
≪質疑≫
1)視:番組ツイッターに公開していた動画とは、放送した番組の一部か?
NHK:確認して後でお伝えする。
2)視:藤田さんは昨日、電話でのやり取りの中で、日本郵政のクレームでNHKが影響を受けたことはないと言われたが本当にそう言えるのか? 昨年4月に放送された「クロ現+」の続編は、昨年8月に放送予定だったが…?
NHK:「クロ現+」ではないが、今年7月に二回目の放送があった。
視:時期が問題だ。一年も遅れた。当初時期に放送されていたら、不正販売の拡大を防げた可能性がある。その意味では影響を受けたことになる。
3)会長の番組編集権をめぐるNHKと日本郵政のやり取りについて。
視:日本郵政から「放送法上、最終的な番組編集権は会長にあることを持ち出された」と報道にあるが、放送法の何処にそのような定めがあるか?
NHK:即答できないので確認しましょう。
視:放送法の中で会長の職務に触れたのは、第51条第1項の「会長は、協会を代表し、・・・その業務を総理する」という定めだけ。調べなくてもこれくらいは答えられるのではないか。ここでの「業務を総理する」という文言から、会長に番組編集権がある、会長は番組編集にも関与するなどと解釈するのは明らかに飛躍ではないか?
NHK:追って確かめてから答えたい。

4)上田会長が、「会長の編集権について、番組幹部の説明は放送法の共通理解と違っていた」と非を認める文書を届けたと報道されている件について。
視:番組編集権について、NHKの正式理解は? 番組幹部は文書回答したのか?口頭で説明したのか?
NHK:確認する。事実として知らない。
視:「編集権と編集責任は最終的には会長にあるが、具体的な運用の権限は各番組制作責任者に段階を追って授権されている」というのが、これまでNHKが表明してきた公式見解ではないか? だとしたら、伝えられているような日本郵政に対する番組幹部の説明は舌足らずな点はあったかもしれないが、従来からの公式見解に沿ったものであり、取り立てて非はなかったと思うが。
NHK:確かめてから、追って答えたい。
5)経営委員の中から「ネットで情報を集める取材方法はおかしい。非はNHKにある」との強硬意見がでたと報道されている件について。
視:NHKの取材の方法についてきめ細かなルールを定めたのは、「NHK放送ガイドライン2015」だと理解してよいか?
経:ガイドラインに詳しく書かれていることは承知している。
視:では、ガイドラインのどこかに、公益に資する情報提供でも内部からの通報を呼び掛ける取材は控える、あるいは戒めるような決まりはあるのか?経営委員に対して事務局から何か助言したことがあるか?
経:確認する。

6)「厳重注意」を主導したのは経営委員会の首脳陣と報道されている件について。
視:「首脳陣」とは誰を指すのか?
NHK:新聞の言う「首脳陣」との言葉の定義が分からない。
視:経営委員会の中では首脳陣と言えば、委員長か職務代行者しかいないではないか?
NHK:分からない。新聞報道をベースに質問されているが、報道が事実かどうか、確
かめないと何ともいえない。
視:もし、誤報なら、毎日新聞は経営が傾くくらいの信頼失墜になるから、十分な裏
付け取材をもとに報道したと思う。NHKは事実と違うとして訂正なり抗議なりの
申し入れをしたか?
NHK:私にはわからない。
視:議事録に残していれば、はっきりすることだ。
 
視:文書での質問は期日までに文書でお願いするとして、今、口頭で質問したものには確認出来たら、早目に文書で回答してもらえないか?
NHK:今日の口頭での質問をメモで頂けないか?
視:わかった。メールで良ければ質問文書を届ける。             以上                                 
(文責:渡邉)

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(1) 経営委員会宛て 日本郵政による番組制作への介入に関する対応への抗議と質問

2019年10月1日

NHK経営委員長 石原 進 様
NHK経営委員 各 位

日本郵政による番組制作への介入に関する経営委員会の対応への抗議と質問

NHK を監視・激励する視聴者コミュニティ
                       共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
                       http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/blog/

 さる9月26日付けの『毎日新聞』の報道により、日本郵政グループが、昨年7月以降、かんぽ生命保険の不正販売を取り上げた「クローズアップ現代+」(2018年4月24日放送)に関して、NHKならびにNHK経営委員会に対し、執拗な抗議と対処を求めていたことが明らかになりました。こうした抗議を受けて、NHKが続編の放送を「延期」したことも明らかになりました。
 このこと自体、NHKの放送番組に対する不当な干渉、圧力であり、看過できませんが、さらに重大なのは、日本郵政から貴委員会宛てに届いた、「NHKのガバナンス」を名目に上田会長に対する指導・監督の要請を取り次ぐ形で、貴委員会が上田会長に「厳重注意」をしたことです。
 しかし、問題の番組は社会を揺るがした、かんぽ生命保険の悪質な不正販売を伝えた貴重なものであり、郵政職員に情報提供を呼びかけたことも、公益に資する取材方法の一つであり、問題視するいわれはありません。また、NHKが日本郵政に対して行ったNHK会長の編集権なるものに対する説明は、NHKが従来から国会内外で示してきた見解を踏襲したものであり、かりに多少の説明不足があったとしても、仰々しく「注意」をするには及ばないものです。
 むしろ、不正のさらなる発覚を恐れ、放送行政を所管する総務省の元事務次官という肩書を使って、公共放送に圧力をかけた日本郵政の行為こそ、厳しく指弾されなければなりません。
 にもかかわらず、貴委員会の上田会長宛て「厳重注意」は、「ガバナンス」を口実にした、経営委員による個別の番組への干渉であり、こうした行為を禁じた放送法第32条に違反する行為です。
こうした貴委員会の今回の対応は、一部の委員から「郵政側の要求は言い掛かりであり、応じるべきではない」という反対意見があるなかで、石原委員長ら首脳陣の主導で進められたと伝えられています(『毎日新聞』前掲記事)。
 そこで、当会はこの件について、貴委員会に対し、以下の通り、抗議を申し入れるとともに質問をします。質問については、書面で、10月11日までに別紙宛てにお送りいただくよう求めます。

抗議と申し入れ

1.日本郵政グループからの不当な干渉に抗議するどころから、それを取り次いで上田会長に「注意」をした貴委員会の対応は、「NHK放送ガイドライン2015」で、経営委員を含むNHKの全役職員が放送業務の生命線として厳守することを誓約した放送の自主自律に背く行為である。このような視聴者の信頼を裏切る貴委員会の行為に厳重に抗議するとともに、速やかに「注意」を撤回し、放送への不当な干渉・圧力に屈した自らの姿勢を謝罪するよう求める。
2.今回の対応を主導したとされる石原委員長は、悪名高い籾井勝人氏をNHK会長に選任する選考を主導した張本人であったが、その会長選考にあたって「政権・与党の関係がしっかり築ける方がいい」と公言している(『朝日新聞』2016年6月29日)。
このようにNHKの自主自律の基本すら理解できていない石原委員長のもとで、経営委員会が次期会長選考を進めるのは容認できない。直ちに石原氏の委員長並びに経営委員辞任を求める。

質 問

1. 前掲『毎日新聞』の記事によれば、日本郵政が貴委員会に対してNHKのガバナンス体制の検証を求める文書を送ったのは昨年10月5日とされているが、それ以降の経営委員会議事録を検索しても、本件が議題にされ、議論が交わされた形跡は一切ない。なぜ、このような形になったのか
――経営委員会で議論しなかったのか、議論はしたが議事録に載せなかったのかーーー理由を添えた明確な説明を求める。

 2. これまで当会は貴委員会宛てに何度か質問書を提出してきたが、貴委員会は「経営委員会議事録や委員長の国会答弁で説明済み」として回答を拒んできた。
 例えば、2016年7月8日付けで、石原氏が新しい経営委員長に選任されたのを受けて質問書(別添)を提出したが、7月19日付で届いた文書は、「経営委員会としての考え方につきましては、経営委員会及び経営委員会終了後の記者ブリーフィング、国会における答弁などで公表しており、個別のご意見、申し入れなどに対する回答は、差し控えさせていただいております」というものだった。

 しかし、この時の当会の質問は、石原氏の上記の「政権・与党の関係がしっかり築ける方がいい」という発言、あるいは「原発を全廃すれば、電気料金が2倍となり」、原発ゼロでは「日本国家が潰れ、失業者だらけになる」という経営委員在任中の発言、さらには石原氏が九州財界人とともに安倍首相と会食したのは、NHKの自主自律、政治的公平と相容れないことを質したものである。
これらに対する回答にあたるものが経営委員会議事録等に一切ないことを確認のうえ、提出した当会の質問書には木で鼻をくくるような文書を送って済ませる一方、不当な介入にあたる日本郵政からの要請は、仰々しく取り次いで、会長に「注意」をした、この本末転倒の非対称な対応は、なにゆえか、明確な回答を求める。 

以上
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(2) 上田会長ほかあて 日本郵政による番組制作への介入に関する抗議と質問 

2019年10月1日

NHK会長 上田良一様
NHK放送総局長 木田幸紀様 ほか理事各位

日本郵政による番組制作への介入に関する上田会長の対応についての抗議と質問


NHK を監視・激励する視聴者コミュニティ
                       共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
                       http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/blog/

 さる9月26日付けの『毎日新聞』の報道により、日本郵政グループが、昨年7月以降、かんぽ生命保険の不正販売を取り上げた「クローズアップ現代+」(2018年4月24日放送)に関して、NHKならびにNHK経営委員会に対し、執拗な抗議と対処を求めていたことが明らかになりました。こうした抗議を受けて、NHKが続編の放送を「延期」したことも明らかになりました。
 また、NHK経営委員会が日本郵政からの要請を受け、上田会長に対し、会長の番組編集統括上の問題として「厳重注意」をしたのに対し、上田会長は日本郵政に対して、昨年11月6日、謝罪文書を送っていたことも明らかになりました。
 しかし、問題の番組は社会を揺るがした、かんぽ生命保険の悪質な不正販売を伝えた貴重なものであり、郵政職員に情報提供を呼びかけたことも、公益に資する取材方法の一つであり、問題視するいわれはありません。むしろ、不正のさらなる発覚を恐れ、放送行政を所管する総務省の元事務次官という肩書を使って、公共放送に圧力をかけた日本郵政の行為こそ、厳しく指弾されなければなりません。
 また、石原進委員長が主導したとされる経営委員会の上田会長宛て対応要請は、「ガバナンス」を口実にした、経営委員による個別の番組への干渉であり、こうした行為を禁じた放送法第32条に違反する行為です。
 この件について、当会は貴職らに以下の通り、抗議を申し入れるとともに質問をします。質問については書面で、10月11日までに別紙宛てにお送りいただくよう求めます。

抗議と申し入れ

日本郵政ならびに経営委員会からの違法・不当な干渉に押し切られ、日本郵政に事実上の謝罪文書を送った上田会長の対応は、「NHK放送ガイドライン2015」で、NHKの全役職員が放送業務の生命線として厳守することを誓約した放送の自主自律に背き、「NHK会長、副会長および理事の服務に関する準則」の第4条で定められた職務への忠実義務に違反する行為である。
このような視聴者の信頼を裏切る上田会長の行為に厳重に抗議するとともに、速やかに謝罪を撤回し、放送への不当な干渉・圧力に屈しない姿勢を内外に表明するよう求める。

質 問

 これまで当会ほか、いくつかの視聴者団体がNHK会長、放送総局長宛てに提出した質問や情報公開請求に関しては「NHK独自の編集権」を盾にいっさいの回答を拒んできたNHKが、元総務事務次官の肩書を添えた申し入れには易々と応じ、抗議に対して、事実上の謝罪文書まで届けたのはなぜなのか? 
不当な干渉にはひれ伏すかのように即応し、視聴者からのまっとうな質問には木で鼻をくくったような対応をするのはなぜなのか? あるべき姿から逆立ちしたそのような対応を改める意思があるのかどうか、明確な応答を要求する。

以上

 

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2019年8月 1日 (木)

「N国党」の言動とNHK受信料制度等に関する当会の見解

「NHKから国民を守る党」の社会の良識から逸脱した同党の挙動は別として、当会は、この機会に、NHKをめぐるN国党の主張を吟味し、批判すると同時に、NHK受信料制度に関する当会の見解・提言を明らかにしておく必要があると考え、「『NHKから国民を守る党』の言動とNHK受信料制度等に関する当会の見解」(PDFダウンロード)をまとめました。

●この構成と要旨は次のとおりです。
<NHKの受信料制度等に関する当会の見解と提言>

  (1)行政用語の誤った準用である「特殊な負担金」を金科玉条に振り回す愚を根本から改めるべき
ここでは、冒頭で、NHKに対し、民間営利事業者への集金委託を通じて、威嚇的な受信料取り立てを行っているのを直ちに止めるよう、再度、要求しています。
次いで、NHKが旧郵政省時代に設置された一調査会の答申で使われたに過ぎない「特殊な負担金」という用語の由来を確かめ、行政用語として使われる片務的な「負担金」を、双務契約に基づくはずのNHKの受信料の定義に誤用している実態を指摘し、こうした用語を濫用してNHKが、
① 受信料の一律定額制を擁護していること、
② NHKの国策報道化に受信料支払い保留で抗弁する視聴者運動を否認し続ける姿勢を厳しく批判しています。

 (2)受信料体系に従量制を導入する当会の試論的提言   
 ここでは、さまざまな搭載機能の一つとして、NHK視聴機能を備えた機器を持っているというだけで、NHKの番組をほとんど視聴しない人にまで受信料課金の網をかけるのは、「送りつけ商法」と非難されてもやむをえない面があると考え、こうした不条理を根本的に改めるには、端末機器のいかんを問わず現行の一律定額制を改め、視聴者の番組選好を受信料に一定程度、反映させる体系へ受信料制度を転換させる以外にないと当会は判断し、現在、NHKのハイビジョンが使用している12のセグメントを、例えば6つのセグメントに再編して、標準画質で3チャンネル同時放送をする、視聴者は自分の選好に合わせて見たいチャンネルを登録し、それを従量料金として定額部分に上乗せするという仕組みを試行案として提案しました。

 (3)NHKは視聴者の意見、議論に真摯に応答する責務を果たすべき  
  ここでは昨今、NHKが当会ほか多くの視聴者から番組について寄せられた意見に対し、NHKの編集権を盾に応答を拒んでいる実態を取りあげ、「放送法」第27条、「NHK放送ガイドライン」17項に明確に違反するこうした応答拒否を直ちに根絶するよう、求めています。


●視聴者コミュニニティでは、渋谷のNHKに出向いて視聴者部の副部長二名と約1時間面談し、当会の見解文書(4ページ)について説明しました。以下面談の記録。
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「NHKから国民を守る党」の言動とNHKの受信料制度等に関する当会の見解
(NHKへの手交の報告)
日 時:2019年7月31日 10時30分~11時20分
手交した見解の宛先
① NHK経営委員会 委員長 石原 進 様、 NHK経営委員 各位
② NHK会長  上田良一 様、        NHK 理 事  各位 
NHK:広報局視聴者部 藤田浩之 副部長、  七尾秀明 副部長
視聴者コミュニニティ: 醍醐 聰 共同代表、  渡辺 力 運営委員

≪面談について≫
見解のポイントは、2点で①N国党に対する見解、➁受信料制度はこれでよいのか? であり、文書に沿って約20分説明。
会:(総務省「公共放送を巡る現状と課題について」平成28年6月、p. 4にもとづいて質疑)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000424431.pdf

NHKはこの資料にある「特殊な負担金」という言葉を使って受信料を説明するのが慣例になっている。しかし、資料にもあるように、「負担金」は国又は地方公共団体が特定の事業を行う場合に採用される賦課金のこと。行政機関でないNHKの受信料の説明に、このような行政上の用語を準用するのは間違っている。それともNHKは国家機関に準じると言う認識があるのか?

NHK:資料にもあるように辞典に出ているのを引用しただけではないか?
会:出所はそうだが、このような定義の用語をNHKは裁判の場でも何度も引用しているのだから、NHKもコミットしていることになる。
NHK:「負担金」という言葉でなければどんな言葉が良いのか?
会:言葉の問題というより、内容の問題。現実の行政事務に「負担金」が登場するのは、水道事業の「加入負担金」や旧電電公社が採用した「設備負担金」(その後、「施設設置負担金」と改称)など。
公益的事業が行う施設設置のうち、特定の加入者や住民にのみ利益が帰属する場合(回線を共用部分から先の屋内に引く場合など)に要する経費の一部を加入時に一時金として徴収する場合が多い。
このような意味の負担金を、毎年、継続的に徴収される双務的な受信料の説明に用いるのは論外。
NHK:(応答なし)
会:資料では「負担金」に関する内閣法制局長官の国会答弁が紹介されているが、「放送法」のどこにも出てこない「負担金」の性格について、内閣法制局長官に答弁する資格(役所がよく使う言葉でいうと「有権的解釈権」)があるのか?
NHK:国会でこう答弁したということではないか?「有権的解釈権」という言葉は知らない。

会:次に昨日、NHKがHPに掲載した告知文書について
https://pid.nhk.or.jp/jushinryo/pdf/jushinryoandkoukyouhousou.pdf
      ① この文書はN国党を念頭にしたものか?    
NHK:違う。
会:②当会も例えば、籾井前会長が辞任するまで受信料の支払いを止めるよう、呼びかけをした。文中の「受信料を払わなくてもいい」と発言する人たちに、私たちの会も含まれるか?
NHK:(営業局から)情報がきていないので答えられない。
会:③文中、「自主自律を堅持しながら」とあるが、本当にそう確認しているのか?
NHK:(応答なし)
会:④文中、「みなさまの不公平感を解消していくためにも」とあるが、以前と違って、昨今は「周りが払っていないから自分も」という声はほとんど聞こえて来ない。多いのは番組や受信料の威嚇的な取り立てに対する批判、不満、怒り。視聴者間の不公平を問題視するのは問題のすり替えではないか?
NHK:すりかえ、とは?
会:<NHKと視聴者の間の問題>を<視聴者と視聴者の間の問題>にすり替えているという意味、
会:文中、「『受信料を支払わなくてもよい』と公然と言うことは、法律違反を勧めることになり」とある。まるで受信料の支払いは義務化されているかの言い方だが、どこに、そのような法的裏付けがあるのか?
NHK:設備を持っている人は契約する義務があるということ。
会:違う。「放送法」は、受信契約締結は義務化しているが、受信料支払いは義務化されていない。戦後、3回、支払いを義務化する放送法改訂の試みがあったがいずれも不成立で終わっている。
 何人かの歴代会長が、支払いも義務化して、2段階の仕組みを1段階に直すよう、求めてきたのは、今現在、受信料の支払いが義務化されていない証拠。
NHK:しかし、NHKは受信契約にもとづいて支払いを請求している。
会:請求するなとは言っていない。放送法で義務化されていないものを「法律違反」と言うのはおかしいと言っているのだ。
 国会の付帯決議で、威嚇的な集金を改めるよう求められたのをご存知か?
NHK:(うなずく)
会:受信料=片務的料金という決めつけを改め、「特殊な負担金」論を振り回して、受信料がまるで税金かのように「特権的、徴税的な心理」で威嚇的な取り立てする現実を断ち切ることが受信料改革に欠かせない。
これらの問題を会として議論し、改めて伺うかもしれないのでその際にはよろしく!          以上
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                                                                                  2019年7月31日
NHK経営委員会委員長 石原 進 様
  同 経営委員会委員各位
NHK 会 長      上田良一 様
  同 理事各位

          「NHKから国民を守る党」の言動とNHK受信料制度等に関する当会の見解
                  
                                                    NHK を監視・激励する視聴者コミュニティ
                    共同代表 湯山哲守・醍醐 聰 
                   http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/blog/


 先の参議院選挙で「NHKから国民を守る党」(以下、「N国党」と略す)が1議席を獲得し、選挙区でも152万票(得票率3.02%)を獲得して政党要件を満たしたことから、同党の主張に関心が集まっている。この機会に、N国党の主張ならびにNHK受信料制度に関する当会の見解・提言を明らかにしておく。

 (注)当会は、NHKがより優れた番組を提供するよう監視・激励すること、公共放送における視聴者の権利拡大と、政治権力からの自立を求める活動を進めることを目的として、2007年2月8日に「NHK受信料支払い停止運動の会」の後継団体として設立した視聴者団体である。 

N国党の主張に関する当会の見解
 N国党の主たる主張は「NHKの放送を見ていないのに受信料を払わされる人」と「NHKの放送を見ているのに受信料を払わない人」の不公平を「スクランブル化」の採用で解消するという点にある。この場合、同党が主張する「スクランブル化」とは「NHKだけ視聴できないテレビを希望する家庭には、NHKの電波を供給しない条例を制定する」というものである。
 しかし、当会はNHKの視聴者をこのように対立的に二分すること自体に反対する。なぜなら,NHKが公共放送として政治権力から自立し、民主主義の発達、視聴者の参政に資する情報を提供するには税金でも営利企業の広告料でもなく、視聴者の受信料で運営されることが必須の要件である。となれば、受信契約者はNHKの放送を見る、見ないにかかわらず、一定の受信料を定額制で負担することを否定するわけにはいかない。
 とはいっても、現状のNHKの放送、特に報道番組の多くは、公共放送としての使命に背く国策放送同然の状況になりはてている。このような状況では視聴者が、双務契約のもとで視聴者に認められてしかるべき「同時履行の抗弁権」を行使して、NHKが公共放送にふさわしい番組を放送しているという信頼を回復するまで受信料の支払いを保留するのは道理にかなっている。
 そのように考えると、NHKの番組を見ていながら受信料を払わない(支払いを保留している)人々を、N国党が主張するように無前提に問題視するのは筋違いである。

 また、NHKは全国あまねく受信できる基幹放送を行う公共放送としての使命(例えば災害放送や国際放送)を担っている(「放送法」第15条、第30条)。さらに、有権者の参政(投票行動だけでなく、日常の政治的意思表示にも)等に寄与する情報を提供することを通じて民主主義の発達に資する放送を行う使命を担っている。こうした役割を担うNHKの放送を受信する機会を捨てる選択を法律、条令で認めるよう要求することはとうてい承服できない。
 また、見たい番組だけを見ただけ受信料を負担するとなれば、NHKの受信料に定額部分は事実上なくなり、NHKの財政基盤は根底から不安定なものになるから、公共放送を税金でも営利企業の広告料でもなく、受信料で維持するという観点から、賛同できない。

 なお、伝えられるところではN国党は、憲法9条への加憲を中心とした改憲を目指す政権与党に対し、スクランブル化に応じることを条件に改憲に賛成する意向を伝えているとのことであるが、受信料制度を、有権者の過半が支持しない改憲との取引材料に使うのは不見識も甚だしく、撤回を要求する。
 とはいえ、N国党が単純な「スクランブル化」や市民権の拡大を意図しての露骨な「改憲に賛成する意向」を主張しているにもかかわらず、一定の支持票と議席を獲得できた背景には、NHKの強引な受信料徴収への怒りや民放に比してあまりに巨大すぎる財政規模への視聴者の危惧があるものと考えられる。そこで以下に、受信料のあり方とNHKの視聴者への対応についての当会の見解と提言を述べておきたい。

NHKの受信料制度等に関する当会の見解と提言
(1)行政用語の誤った準用である「特殊な負担金」を金科玉条に振り回す愚を根本から改めるべき

 上記のような理由で、当会はN国党が主張するNHK受信料のスクランブル化には強く反対するが、NHKの現行の受信料制度を丸ごと肯定するわけでは決してない。むしろ、一律定額制のもとで、NHKがNHKの国策放送局化に対する抗弁として受信料の支払いを拒否・停止している契約者を含む視聴者に対して、簡易裁判所を介した民事督促をちらつかせ、民間委託事業者を使って威嚇的な取り立てを行っているのは公共放送として恥ずべきことである。

 そもそも現行の一律定額制は旧郵政省内に設置された一調査会が答申の中で用いた用語に過ぎず、行政用語として用いられる「負担金」=賦課の発想を、双務契約であるはずの公共放送に持ち込むのは法の誤った準用である。現に、民放・契約法学者の中に、受信料の支払い義務化に異議を唱える文脈の中で、次のような見解を表明した研究者がいる。
「思うに、国民的支援にささえられた番組編成、経営基盤(財源)の自主独立性を堅持し、国民の総意に沿ったサ-ビスの提供に努めうる諸環境を存続させるためにも、NHKに完全な特権的、徴税的な心理を育成する方向には絶対に進むべきではなく、そのためにもNHKと受信者が受信契約の締結という行為を介して形成され、育成された相互信頼関係はその範囲で価値あるものであり、・・・・」
(河野弘矩「NHK受信契約」遠藤浩・林良平・水本浩監修『現代契約法大系』第7巻、サ-ビス・労務供給契約、1984年、有斐閣、241ペ-ジ)

  このような見解に照らしていうと、受信料=「特殊な負担金」論は、NHKの受信料を税金に準じたものに変質させ、「NHKに完全な特権的、徴税的な心理を育成する」論である。こうした俗論を断ち切ることがNHKの受信料改革に欠かせない第一歩である。
また、「特殊な負担金」なる用語は内容においても、「NHKの業務を維持・運営するための」という抽象的形容詞を使ったにすぎず、受信料のあるべき体系を示したものではない。にもかかわらず、歴代の放送行政諸官庁が、まるでNHKの後見人かのように、このような抽象的国語的修辞を金科玉条のように振り回して、受信料=一律定額制の賦課料金と独断的に解釈し、かつ、この用語を以て、受信料=片務的料金と決めてかかり、視聴者の抗弁権というべき受信料支払い保留を否認してきた害悪は計り知れないほど重い。
(参考)「特殊な負担金」論については、総務省「公共放送を巡る現状と課題」2016年6月、4ページを参照。http://www.soumu.go.jp/main_content/000424431.pdf

(2)受信料体系に従量制を導入する当会の試論的提言
 NHKはこの先、NHKの番組を視聴できる機能を備えた種々の端末機器を保有する人々にまで課金を広げることにしている。しかし、さまざまな搭載機能の一つとして、こうした機能を備えた機器を持っているというだけで、NHKの番組をほとんど視聴しない人にまで受信料課金の網をかけるのは、一律定額制の不条理を如実に示すものであって、「送りつけ商法」と非難されても誇張とは言えない。
 こうした不条理を根本的に改めるには、端末機器のいかんを問わず現行の一律定額制を改め、従量制を加味した体系へ受信料制度を転換させる以外にない。このことは生活必需的なサービスを提供する水道、電気、ガスといった公共料金でも、定額部分(基本料)と従量部分からなる二部料金制が採用されていることと比較しても、むしろ、自然な流れと言える。

 とはいっても、厳密な従量制を加味するのは現在の課金技術に照らして難しいと考えられる。そこで、それに代わる近似的な従量制(視聴者の番組選好を一定程度、受信料の算定に反映させる方法)として、現在、NHKのハイビジョンが使用している12セグメントを、例えば4セグメント×3チャンネルに再編し、標準画質で3チャンネル同時放送をするという仕組みが考えられる。

 例えば、NHK総合を①ニュース、ドキュメンタリー系番組、②スポーツ、娯楽系番組、③音楽、ドラマ、映画系番組に区分し、Eテレを④らいふ、健康、ハートネット系番組、⑤子供向け番組、⑥高校講座、語学等番組に分割して、この6つのチャンネルから見たいものを選択できるようにし、それを従量部分として、定額部分に上乗せするという体系を採用することは可能ではないかと考えられる。
 どのジャンルを1つのセグメントに組み合わせるのか、公共性が高いと考えられるニュース(報道)番組も選択制にしてよいのか、定額部分と従量部分の比重をどうするのか、など検討課題は多いが、他のアイデアも含め、当会のこうした提案が、多くの視聴者、NHK他関係方面で広く議論され、NHKの受信料制度を開かれた議論を通じて、一歩ずつ改革していく一助となることを願ってやまない。

(3)NHKは視聴者の意見、議論に真摯に応答する責務を果たすべき
 昨今、視聴者の間で広がっているNHKへの批判、不信には受信料制度以外に、「意見、疑問に応答しないNHK」という批判がある。当会も、これまで、NHKのニュース番組の国策放送化、重要な国会審議を中継しなかったNHKの番組編集等に批判や質問を提出してきた。また、悪弊を改めない相撲協会に多額の大相撲中継放映権料を支払うことへの疑問、紅白歌合戦の新聞広告にどれだけの掲載料を払ったかの情報公開請求等を行ってきた。

 ところが、NHKはこれらのほぼすべてについて、独自の編集権を盾に応答を拒み、今後の事業の遂行に支障を来すという木で鼻をくくった理由で情報公開を拒んできた。しかし、「放送法」には次のような規定がある。
  「協会は、その業務に関して申出のあつた苦情その他の意見については、適切かつ迅速にこれ  を処理しなければならない。」(第27条)
また、「NHK放送ガイドライン」の 17「誠意ある対応」には次のような規定がある。
 ・「公共放送であるNHKは、視聴者によって支えられており、視聴者との結びつきが極めて大切である。ニュース・番組に対する問い合わせや意見、苦情などには誠意を持ってできるだけ迅速に対応する。批判や苦情も含め、視聴者の声は『豊かでよい放送』を実現するための糧である。」
前記のような当会の質問に対するNHKの応答拒否が、これら規定に反することは明らかである。また、NHKの編集権は国家権力の介入からNHKの番組編集の自立を守るためのものであって、視聴者からの意見、質問を遮る盾としてはならない。

  視聴者からの意見、疑問へのNHKの慇懃無礼な対応、NHKふれあいセンターに寄せられる意見へのセンターの事務的処理に対する視聴者の不満、憤り、あきらめはマグマのように鬱積し、受信料支払い意欲を大きく減じている。
NHKが「視聴者の声は『豊かでよい放送』を実現するための糧である」と本気で考えているのなら、直ちに前記のような不真面目な視聴者対応を根絶しなければならない。このことを再度、NHKに強く要求する。
 それでも、NHKが相変わらず、誤った編集権解釈を盾に当会ほか視聴者の意見、疑問、批判に応答しないなら、当会は司法の場を活用して、NHKの不当な姿勢を正す運動を起こす決意でいることを付記する。
                                                                                                                  以上

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2019年5月23日 (木)

紅白歌合戦の全面広告の情報公開請求に対する回答が来ました。

当会は2019.1.4日に
紅白歌合戦の全面広告についてNHKに情報公開請求を行いました
2019/02/19日に回答がありました。(参照画像

要するに、掲載紙一覧だけを開示するという通知です。

不開示の理由は、
 ①開示により、NHKの事業活動に支障を及ぼす恐れがある。
 ②NHK以外の法人の権利、競争上の地位、その他事業の遂行を害する恐れがある、
となっています。しかし、
 ①は抽象的で個別具体的な理由の説明になっていない。
 ②掲載料の個別開示がダメなら、総額開示を求めていることまで拒む理由になっていない。
ことから下記理由により再検討の申し入れを行いました。

■(再検討を求める理由)
1.「NHKの事業活動に支障を及ぼす恐れ」といった漫然とした理由は不開示の正当な理由に値しない。
 このような漫然とした不開示理由を認めると、NHKの恣意的な判断で開示の範囲が際限なく拡げられ、情報公開制度が形骸化する。
2.「NHK以外の法人の権利、競争上の地位、その他事業の遂行を害するおそれ」という不開示理由は解釈の幅があまりに広く、NHKの恣意的な判断で開示の範囲が際限なく拡げられ、情報公開制度が形骸化する。
 掲載料合計額の開示が「NHK以外の法人の権利、競争上の地位」を害するとは考えられない。

再検討の結果として2019/05/22日に回答(文書不開示の連絡)が届きました。
要約文P1P2P3P4 画像参照ください。

内容は要約文P1に書かれています。
要するに、掲載紙ごとであれ、各紙合計であれ、広告料を開示すると、広告代理店もNHKも今後の発注先の選定業務に支障が生じる恐れがあるという理由で不開示としたいというNHKの申し立てを「NHK情報公開・個人情報保護審議委員会」として認めるというものです。
広告代理店およびNHKの実体不明の「おそれ」を、広告料の財源の負担者である視聴者の知る権利より優位に扱うという傲慢な決定です。
しかも、「NHK情報公開・個人情報保護審議委員会」の判断たるや、わずか3行少し、中身ゼロの有様です。審議委員会の体たらくに抗議文を送りたいくらいです。
                         以上


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2019年4月15日 (月)

今回の異常な板野人事は、次期会長、副会長含みの人事!NHKへ抗議しよう!

今回の元専務理事を同じ専務理事に復帰させるという異常人事ですが、
現在62歳の坂本忠宜氏を退任させ65歳の板野裕爾氏に変えるわけですからこのまま専務理事のままにしておくとは考えにくいと思います。
年齢から考えて、板野人事は専務理事どまりではなく、副会長、会長昇任含みの人事と考えられるます。そうなるとNHKまるごと官邸のコントロール下に置かれてしまうでしょう。

今の上田会長の任期は2020年1月24日ですから今年末には次期会長が決まります。
安倍官邸と一体の人物に執着する官邸の異常な執念は特筆すべきものと考えます。
彼が次期会長、副会長になればもはや「公共放送」への復元力は完全になくなってしまうと思います。
 
25日の正式発令に向けまだの方は再度のおねがいです。
 NHK視聴者センター 電話 0570-066-066
または
でNHKへ意見を発信してくださるようお願いします。
 
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ 運営委員会
 

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2019年4月12日 (金)

緊急申し入れ「板野裕爾氏を専務理事に復帰させる人事の撤回を求める!」

NHKは官邸の強い意向を受けて、元専務理事 板野裕爾氏を同じ専務理事に復帰させるという前例のない異常人事を強行しようとしています。
参照
NHKで国谷裕子を降板に追い込んだ“官邸の代弁者”が専務理事に復帰! 安倍政権批判の完全封殺へ
https://lite-ra.com/2019/04/nhk-2.html

当会は本日4/12日 NHKに出向き「 板野裕爾氏を専務理事に復帰させる人事の撤回を求める申し入れ 」を行いました。
参照

http://www.labornetjp.org/news/2019/1555034986395staff01

(NHK執行部宛て)板野裕爾氏を専務理事に復帰させる人事の撤回を求める申し入れ→こちら
(経営委員会宛て )板野裕爾氏を専務理事に復帰させる人事の議決撤回を求める申し入れ→こちら

NHK、板野氏返り咲きを正式発表 関係者「首相官邸の意向」 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20190409/k00/00m/040/220000c

この『毎日新聞』記事にありますように、NHKは官邸の強い意向を受けて、元専務理事を同じ専務理事に復帰させるという前例のない異常人事を強行しようとしています
なお今回の人事の任命日は4月25日と発表されています。
https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/pdf/20190409_01.pdf

「関係者は『NHK内で板野氏を推す声はなかった』と明かす」
「別の関係者によると懸念は上田会長も承知していたが、官邸の強い意向で認めたという。」
まさに安倍官邸にひれ伏す人事ですが、しかし、任命は4月25日。まだ10日少し先です。
視聴者の怒りが一気に広がれば、撤回させることができます。

報告メモを作りましたので御覧ください。
*******************************
                                2019.4.12
板野裕爾氏を専務理事に復帰させる人事の議決の再協議・撤回を求める申し入れ(報告)
日 時:2019年4月12月日 9時00分から15分
NHK:広報局視聴者部 藤田浩之 副部長、  七尾秀明副部長
視聴者コミュニニティ: 醍醐 聰 共同代表、  渡辺 力 運営委員
申し入れの宛先
①NHK会長 上田良一 様、 NHK 理事   各位
②NHK経営委員会 御中、 NHK経営委員 各位 
≪面談について≫
Q:前例のない申し入れであるが、先例、慣例にとらわれずに対応されるよう、急遽お持ちした。発表された人事について、その撤回を求めるものだ。今回の板野氏の復帰人事については、「NHK内で板野氏を推す声はなかった」、「懸念は上田会長も承知していたが、官邸の強い意向で認めた」(毎日新聞』2019年4月10日)の記事は重大だ。
  この記事について、NHKとして訂正を求めたり反論したりしたか?
A:そのような対応は聞いていない。
Q:これでは会長が異議ありと思っても官邸の意向で決まってしまう。視聴者の声はどうなるのか?これは「官邸と視聴者」の二者択一の問題だ。  NHKが官邸の意向に逆らえないことになっていいのか?
Q:専務理事を辞めて関連会社に行った後、同じ専務理事に戻るという人事の前例はあるのか?
A:専務理事を辞めた後、同じ専務理事に戻った例があるかどうかは別にして、理事が辞めた後再び理事に戻った例はある。
  ただ、そのことよりも、みなさんの強調されたいのは、「官邸の意向・・・」ということだと思うので、そこをしっかり伝える。
Q:とにかくこの申し入れが、NHKの執行部各位と経営委員各位に至急届くようお願いする。
                                            以上
**********************************
Twitter 醍醐 聰(@shichoshacommu2)から
https://twitter.com/shichoshacommu2
NHKとの面会でのやりとり ①
今日、安倍官邸にひれ伏す専務理事返り咲き人事の撤回を求める申し入れを提出した。
醍醐:「毎日新聞は『懸念は会長も承知していたが官邸の強い意向で認めた』
   と書いている。この記事についてNHKは訂正を申し入れたか?」
NHK:「そういう話は聞いていない」
NHKとの面会でのやりとり ②
醍 醐:「そうなると記事を読んだ人はみんな、NHKの会長は官邸に頭が上らない人物だと受け取ると思うが、それでよいのか?」
NHK:「・・・・」
NHKとの面会でのやりとり ➂
醍 醐:「今回の人事は、NHKが官邸の意向を採るのか、視聴者の信頼を採るのかが問われる問題だ。」
NHK:「そこを一番、強調されたいのだとわかったので、しっかり伝える。」
醍 醐:「それくらい重大な問題なのだから、もう発表した人事だからで押し通してはならない。」
以上です。
*********************************************
NHKも忖度か “アベ友”板野裕爾元専務理事が異例の返り咲き|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/251492

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https://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/e53f8158b780a4573e33cc105103aa51




 

 

 

 

 

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2019年1月23日 (水)

辺野古での土砂投入工事をめぐる報道についての質問書を提出

「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」は、辺野古沖での基地建設工事に関する最近のNHKの報道には重大な問題があると考え、6つの項目にまとめた質問書を明日、24日、NHKに出向いて、視聴者部の2名の副部長と面会の上、提出することにしました。
提出先は、上田会長、木田放送総局長、小池報道局長です。別々に提出します。
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                                                                        2019年1月24日
NHK会長 上田良一様
NHK放送総局長 木田幸紀様
NHK報道局長 小池英夫様
                         辺野古での土砂投入工事をめぐる報道についての質問書
                                                              NHK を監視・激励する視聴者コミュニティ
                          共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
                    
 皆様におかれましては公共放送をつかさどる重責を担われ、ご多忙のことと存じます。
 以下、質問書を提出します。別紙の宛先へ、本年2月5日(火)までに文書でご回答をくださるよう、お願いいたします。

問題の経過
 (1)去る1月6日に放送された貴局「日曜討論」に出演した安倍首相は沖縄辺野古での土砂投入に関連して「土砂投入に当たって、あそこのサンゴは移している」、「砂浜に存在した絶滅危惧種は砂をさらって、しっかり別の浜に移した」と発言しました。希少資源のサンゴの保全に十分配慮した上での土砂投入であると言わんとしたものです。
 しかし、沖縄防衛局が移植したサンゴは埋め立て海域全体のサンゴ7万4千群体のうちの9群体にすぎず、その9群体も今回の土砂投入区域外のものでした。
 放送直後から、「事前に収録した録画の放送であるにもかかわらず、なぜ事実と異なる首相発言をそのまま放送したのか」という疑問、批判が多数、貴局に寄せられたと伝えられています。
 この点を質した報道機関の取材に対し、貴局は「NHKの自主的な編集判断」と応答するのみで、訂正も謝罪もないまま数日、経過しました。
 1月11日の「ニュース・ウオッチ9」で、ようやく安倍首相の発言が事実と異なっていたことを伝えました。

 (2) 1月21日、防衛省は辺野古埋め立て区域に存在すると指摘されていた軟弱地盤対策のための設計変更を検討することになったと伝えられました。軟弱地盤の存在は2016年に沖縄防衛局がまとめた地質調査報告書で確認され、国会でも取り上げられてきました。沖縄県の見通しでは、設計変更には約1500億円、5年ほどの年月がかかるとのことで、県知事の承認が必要とされることから、辺野古沖の埋め立て工事は大幅にずれ込むことが必至の状況です。
 しかし、この件について、NHKは21日夜7時のニュースでも9時のニュースでもまったく取り上げませんでした。

〔質問1〕
「あそこの」「別の浜に」とはどこを指すのか、常識的に理解不能な安倍首相の発言を、その場で問い返すことなく終わった司会者の見識が問われますが、事前録画で、放送前に首相発言の真偽をチェックする時間があったにもかかわらず、事実上の否定報道が5日後の11日の「ニュース・ウオッチ9」となったのはなぜですか? 

〔質問2〕
今回の「日曜討論」の件に限らず、NHKは放送に関する外部からの疑問、質問に対して、自主的編集を盾に実のある応答を拒むのが通例になっています。これについては、後ほど質問しますが、自主的というなら、貴局内の自主的放送審査組織である考査室は、1月6日の「日曜討論」における安倍首相発言の放送のあり方について、放送後、どのような考査をし、担当部署に伝え、やり取りをしたのか、なにもしなかったのか、お聞かせ下さい。

〔質問3〕
1月11日の「ニュース・ウオッチ9」は、「辺野古埋め立て 土砂投入前にサンゴ移植急ぐ 防衛省」という大見出しで、先の安倍首相の「サンゴは移植した」という発言が事実と食い違うことを伝えたあとで、「しかし、残りのおよそ7万4000群体の移植は県の許可が得られていないことなどから進んでいません。このため防衛省はサンゴが生息する区画に土砂を投入する前に移植するため、今後、県との調整を急ぐことにしています」と放送しました。
このような伝え方は、沖縄防衛局は希少資源の保全のためにサンゴの移植を進めようとしているが、沖縄県が許可しないのが原因で移植が進んでいないという認識を誘導するものです。
 しかし、沖縄県が移植を許可しないのは、移植ではサンゴを保護できる保証はない、繊細な環境のなかで生息するサンゴは水流や光の強さが少し変わるだけで死滅する恐れがある、サンゴの保全を考えるなら土砂投入は避けるべきという専門家の判断も参考にしたものです。
 こうした沖縄県や専門家の意見を伝えることなく、政府・沖縄防衛局の言い分だけを一方的に伝えるのは、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」と定めた「放送法」第4条第1項4の規定に反していると当会は考えます。これに対する貴職の見解をお示し下さい。

〔質問4〕
 1月21日に防衛省が土砂埋め立て海域における軟弱地盤対策のため設計変更を検討することになったという事態は辺野古沖での新基地建設に甚大な影響を及ぼすと予想されます。しかし、NHKは当日、夜7時のニュースでも9時のニュースでも、歌舞伎町で起った発砲事件を時間を割いて伝える一方で、軟弱地盤の問題はまったく伝えませんでした。
 なぜ、このような話題の取捨選択がされたのか、その理由、基準をご説明ください。

〔質問5〕
土砂埋め立て海域における軟弱地盤の問題は2016年以来、国会でも取り上げられてきましたが、NHKはこの問題について、これまでのニュース・報道番組でどのように(いつ、どの番組でも含めて)、伝えてきたか、ご説明ください。

〔質問6〕
今回の件に限らず、「放送法」第4条や「NHK放送ガイドライン」などにもとづいて、NHKの番組内容について質問をした側に対し、NHKは「局の自主的編集判断」を盾に、実のある回答を拒むのが通例になっています。
しかし、NHKに認められる「自主的編集判断」とは、視聴者からの質問を遮る盾として認められたものではなく、NHKが監視の対象とする様々な権力の介入を防ぎ、視聴者の知る権利に応えるためのものです。
この意味から、NHKがニュース報道等の編集過程・内容についての放送後の質問について、説明を拒めるのは次の場合に限られ、それ以外はむしろ、積極的な説明責任があると当会は考えています。これについて貴職はどう考えられるのか、見解を求めます。
①取材源(公的機関でしかるべき職務権限を持つ者は除く)の秘匿を必要とする場合。
②個人(公的機関でしかるべき職務権限を持つ者は除く)のプライバシ―を保護する必要があると認められる場合。
➂営利企業に競争上の不利益を及ぼすと合理的に判断される場合。
                                                             以上
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この質問書の(PDFでのダウンロードはこちら

質問項目の1~3は、1月6日に放送されたNHK「日曜討論」において安倍首相が事実と食い違う「サンゴ移植」発言をしたことに関するNHKの報道のあり方に関するものです。

質問項目の4,5は、土砂埋め立て海域で確認された軟弱地盤NHKの問題に検討するNHKの報道の不作為に関するものです 。

質問項目の6は、NHKが従来から、番組に関する質問について、「自主的編集判断」を盾に回答を拒むのは視聴者への説明責任に背くものと考え、編集の過程の説明を控えることができるのは、どのような場合かについて、当会の考え方を示したうえで、NHKの見解を質すものです。
回答は、2月5日(火)までに文書で求めることにしています。
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Photo

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議事録です。
2019.1.25
辺野古での土砂投入工事をめぐる報道についての質問書を提出(報告)
日 時:2019年1月24日 11時30分から30分
NHK:広報局視聴者部 藤田浩之 副部長、  原 徹 副部長
視聴者コミュニニティ: 醍醐 聰 共同代表、  渡辺 力 運営委員
質問書の宛先
①    NHK会長     上田良一 様
②    NHK放送総局長  木田幸紀 様
③    NHK報道局長   小池英夫 様

≪面談について≫
 初めに、質問書(3ページ)を読み上げ、問題の経緯と6項目の質問を説明。
Q:これまで担当者からは「宛名になくても報道局(長)には届ける」との説明だったが、今回は宛先にもなっているので必ず届けてもらいたい。回答日を指定しているが事前に連絡いただければ多少の遅れは問題ない。回答文とは別に補足のメモもあればよろしく。
Q:質問1に関して、昨日、放送総局長が発言されているが、質問書は総理の録画をやり直せと言っているのではなく、「あそこ」「別の浜」との総理発言に疑問も呈さない司会者の見識と、総理発言の訂正にどうして5日もかかったかをお聞きしている。
放送直後からネットや全国紙から反応が大きかったので、その反応を見たうえで調査し訂正放送となったのか?NHKの自主的判断ではなかったのかどうか?
Q:録画放送の場合、録画撮りの段階で、今回の安倍発言のように明らかに事実と異なる発言があった場合、放送までに、どのような対応をするかのルールはあるか?

A:ご指摘のようにNHKのガイドラインにはそのようなルール・定めはない。
NHKの公式見解ではないが、実態は「ケースバイケース」だ。
Q:「自主的」というなら、質問2に書いているように「放送後の考査室の対応」はどうだったかについて説明してほしい。近年、毎月一回目の理事会に報告される考査室の報告は考査の中身に全く触れていない。
Q:これまでのNHKからの回答は視聴者部からだったが、質問書の宛先人は回答内容を了解あるいは認識しているのか?

A:回答内容は、宛先本人が必ず確認している。文書決済の形ではないが「承認」している。
Q:今日のやり取りは特に問題ないだろうから、会員に知らせるためレポートを会のホームページに載せる。
                                                                        以上
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2月7日、NHKから2通の文書が届きました。

1)1月4日の質問書の回答
*「文書開示判断期間延長のご連絡」(差出人 NHK会長)
 紅白歌合戦の新聞広告に関する情報公開請求についての連絡です。
 ・延長の理由:「開示等の判断に今しばらく時間を要するため」
 ・判断を行う期限:2019年3月8日

Entyo

*2019年1月24日付で提出した質問書への回答
 
・安倍首相のサンゴ移植発言についての放送のあり方
・辺野古沖の軟弱地盤に関する報道の経緯
・番組の編集判断に対する視聴者からの質問・意見への応答のあり方に関する質問への「回答」です。 → 回答文書は,「5」を除き、従来からの応答(個別の番組の編集判断等に関する答えは差し控える)の繰り返しです。

Mg396

河野外務大臣の「次の質問どうぞ」の連発を思い起こしました。
なお、この文書の差出人は広報局視聴者部ですが、質問書を提出した時の面会応対者(視聴者部・藤田副部長)の説明では、回答文書は名宛人(今回でいえば、上田会長、木田放送総局長、小池報道局長)に回付され、了承を経たものになるとのことでした。

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2019年1月 4日 (金)

紅白歌合戦の全面広告について情報公開請求をNHKに送付しました。

NHKは12.31日の全国紙各紙に紅白歌合戦の全面広告を掲載しました。
新聞広告データアーカイブス NHK紅白歌合戦
当会はこの件については放置できない問題として捉え(視聴率と連動したCM料に依存する商業放送局ではないNHKが、受信料から多額の経費を割いて番組の広告をする必要性があるのか?)下記のような情報公開請求をNHKに送付しました。

開示請求項目は、次のとおりです。
 2018年12月31日の各紙に掲載された紅白歌合戦の広告について
 1.上記広告の掲載誌一覧
 2.各紙に支払われた広告(掲載)料
   または各紙に支払われた広告(掲載)料の合計額
 3.NHK内で広告掲載を決定するにあたっての決済者一覧
   (決済文書があれば、その写しすべて)

Nhk


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2018年6月 3日 (日)

「権力監視報道に立ち戻り、報道現場の萎縮克服を求めます」

6月1日、10時半から研究者・弁護士有志7名が国会議員会館内で記者会見を開き、「権力監視報道に立ち戻り、報道現場の萎縮克服を求めます」と題する上田NHK会長宛ての申し入れ文書(10名の連名)を発表、午後3時に4名がNHK視聴者部と面会して、この申し入れ文書を提出しました。
連名者
 梓澤和幸(弁護士)     浮田 哲(羽衣国際大学教授)
 小林 緑(国立音楽大学名誉教授/元NHK経営委員)
 澤藤統一郎(弁護士)    杉浦ひとみ(弁護士) 
 瀬地山角(東京大学教授)  醍醐 聰(東京大学名誉教授)
 田島泰彦(元上智大学教授) 服部孝章(立教大学名誉教授)
 湯山哲守(元京都大学教員)
 (記者会見への出席者は梓澤、田島、湯山の各氏を除く7名)

*記者会見の全録画(ユープラン)1時間26分17秒
 https://www.youtube.com/watch?v=PlYrKr81i_U


*「『萎縮の克服を』NHKに申し入れ」  (『朝日新聞』2018年6月2日、朝刊)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13522185.html?rm=150
NHKの報道で権力を監視する機能の希薄化を危惧しているとして、醍醐聡・東大名誉教授や元NHK経営委員の小林緑・国立音大名誉教授ら10人が1日、NHKの上田良一会長に「報道現場の萎縮克服」などを求める申入書を提出した。
 文書では、NHK幹部がニュース番組の責任者に対し森友学園問題を「トップニュースログイン前の続きで伝えるな」などと指示した、との情報が3月の参院総務委員会で取り上げられたことに言及。森友問題を取材してきた大阪放送局の記者が、6月の異動で記者職から外れる動きがある点も指摘した。その上で、「現場の職員を萎縮させるような人事権を含む権限の濫用(らんよう)を斥(しりぞ)け」るよう要請。記者の異動は「不当で不合理なおそれ」が強いとし「中止を含め根本的に再検討する」ことも求めた。
 NHK広報局は朝日新聞の取材に「特にコメントはありません」としている。

*「弁護士らNHKに申し入れ「森友報道記者の異動は背信行為」
  (『日刊ゲンダイ』2018年6月2日)
  https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/230410

1f126c990a41bac1bac3f547f8fb8964201

*「NHKが森友報道を牽引してきた記者を報道から外す安倍政権忖度人事! メディア研究者・NHK元経営委員らが抗議」 (『リテラ』2018年6月2日)
  http://lite-ra.com/2018/06/post-4045.html

*「NHKは官邸におもねることなく、ジャーナリズムの本道に徹せよ」 「澤藤統一郎の憲法日記」
  http://article9.jp/wordpress/?p=10459
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                   2018年6月1日
NHK会長 上田良一様
権力監視報道に立ち戻り、報道現場の萎縮克服を求めます
               研究者・弁護士有志
              (賛同者名簿後掲)
 目下、わが国では、森友・加計問題、防衛省の日報隠しに代表される国家の私物化、権力の濫用と腐敗が極限に達しています。しかも、そうした事態を正すべき国会審議と国政調査権が数の力に遮られ、機能不全の状態に陥っています。
 このような民主主義の危機的状況を立て直す最後の砦は有権者の理性的な意思表明と行動ですが、それには有権者が賢明な判断を下すのに十分な情報が不可決です。いわゆるメディアの権力監視報道はそうした使命を担うものにほかなりません。

 この点で、NHKは昨年来、森友学園問題や自衛隊の日報隠しなどで優れたスクープ報道を行ってきました。
しかし、その一方で、現場の記者の精力的な取材の成果を抑え込むような報道局上層部の姿勢が市民の疑惑、批判を招いてきたことも事実です。たとえば、去る3月29日の参議院総務委員会において、NHKの内部関係者から寄せられた通報と断って、「ニュース7、ニュースウオッチ9、おはよう日本などのニュース番組の編集責任者に対し、NHKの幹部が森友問題をトップ・ニュースで伝えるな、トップでも仕方ないが放送尺は3分半以内、昭恵さんの映像は使うな、前川前文科次官の講演問題と連続して伝えるな」などと事細かな指示が出ていることが取り上げられました。

こうしたNHK局内の動きと関連して、森友問題で貴重なスクープ取材をしてきたNHK大阪放送局の記者をこの6月の異動人事で記者職から外し、考査部に異動させるという動きも伝えられています。
私たちは、このような一連の動きに共通するNHKの権力監視報道の希薄化を危惧し、以下のことをNHKに求めます。

1. 受信料で支えられる公共放送機関としてのNHKは、権力から独立して自主自律の放送を貫くなか、権力を監視し、国民の知る権利に応える放送を続けているという視聴者の信頼を得ていることが大前提です。NHKが日々の報道でも人事においても、こうした前提を自ら壊すような言動は視聴者への背信行為であり、厳に戒めること
2.  NHK報道局の上層部は取材・番組制作の現場の職員を萎縮させるような人事権を含む権限の濫用を斥け、事柄の核心に迫ろうとする意欲的な取材、番組制作への職員のモチベーションを支え、高めるような役割と職責を果たすべきこと
3.  以上の趣旨と関連して、目下、伝えられているNHK大阪放送局の記者を異動させる人事につき、不当で不合理なおそれも強く、中止を含め根本的に再検討すること
                     以上
賛同者 
梓澤和幸(弁護士)
浮田 哲(羽衣国際大学教授)
小林 緑(国立音楽大学名誉教授/元NHK経営委員)
澤藤統一郎(弁護士)
杉浦ひとみ(弁護士) 
瀬地山角(東京大学教授)
醍醐 聰(東京大学名誉教授)
田島泰彦(元上智大学教授)
服部孝章(立教大学名誉教授)
湯山哲守(元京都大学教員)

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2018年5月25日 (金)

NHK大阪放送局の記者の不当な異動人事の中止を求める要望書を提出

当会は森友学園問題の真相に迫る取材に精力的に取り組んできた大阪放送局の記者が記者職から外されるとの情報に接し下記のごとくNHKに申し入れを行いました。以下はその報告です。

NHK大阪放送局の記者の不当な異動人事の中止を求める要望書を提出(報告)
2018.5.24
日 時:2018年5月24日 13時から30分
NHKの応対:視聴者部のO副部長、N 副部長
提出者:①大学(現・元)教員、弁護士有志(54名:5月24日10時45分現在)
    ②NHK視聴者有志(別紙)
出席:醍醐 聰、渡邉 力

≪要旨の説明≫
要望書は視聴者有志の連名と大学教員・弁護士有志の連名と2種類あり、いずれも宛先はNHK会長 上田良一様とNHK放送総局長 木田幸紀様です。
一部の報道とは別に、信頼できる情報から、森友学園問題の真相に迫る取材に精力的に取り組んできた大阪放送局の記者を記者職から外す人事異動が検討されていることを知りました。このような記者を取材のできない部署に人事異動することは不可解であり、中止すべきです。視聴者が期待する取材をする記者がこのような人事の扱いをされると、視聴者のNHKへの信頼を壊してしまう人事と受け止め、受信料支払いの意欲を減衰させることになり、NHKにとってもプラスにならない。
また、政権が嫌う真相に迫る記者が冷遇され、左遷されるとなると、取材現場で萎縮が広がり、視聴者の知る権利に応える報道が後退する恐れがあることから、このような申し入れをすることにした。

≪主な質疑≫
Q:この人事異動は定期異動か?
A:6月は、管理職の一般的な人事の時期だ。NHKでは全国の人事を東京で管理している。
Q:この人事を不自然なものでないと思わせるリークらしき(個人)情報までネットに出ているが、これこそ不自然だ。
大阪ではこの人事に抗議するアピール行動がされているようだが、大阪局は発令を受ける側。抗議をされてもとまどうかもしれない。私たちは発令をする側に申し入れをすることにした。
A:おっしゃる通りだ。
Q:「NHKではキチンと取材する記者が評価されない」と思われないよう、今回の異動人事は中止すべきだ。早急に会長の対応を求める。
A:会長には、この後すぐに届ける。
Q:今日お渡しできなかった視聴者有志の名簿は明日お届けするのでよろしく。
以上(記録:渡邉力)
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                          2018年5月24日
NHK会長 上田良一様
NHK放送総局長 木田幸紀様
   NHK大阪放送局の記者の不当な異動人事の中止を求める要望書
       NHK視聴者有志(賛同者名簿は別紙)

 皆様にはNHKの健全な経営と充実した放送のためにお忙しい毎日をお過ごしのことと存じます。
  この間私たちは、森友学園問題に関して、貴局が多くのスクープを行い、森友問題の真相解明に大きな役割を果たしてきたと評価しています。
ところが、先日、私たちは、森友学園問題の真相に迫る取材に精力的に取り組んできた大阪放送局の記者を記者職から外す人事異動が検討されているとの報道に接しました。
私たちが関与しない貴局内の人事ですが、異動人事が伝えられる記者は、政権寄りと批判が向けられてきたNHKの政治報道において、時の首相夫妻が疑惑の中心人物となっている森友問題の真相に迫る貴重な取材を続けてきた記者といわれています。このような記者は私たち市民の知る権利に応える誠実で頼もしい人材であり、NHKに対する視聴者の信頼の揺らぎを食い止めるために貢献をしてきた人材でもあると思います。
そのような記者が森友問題の真相解明の重要な局面で取材現場から外されるとすれば大変不可解なことであり、視聴者は強い疑惑を向けざるを得ません。

皆様におかれましてはNHKに対する視聴者の信頼を失墜させるような異動人事を中止する措置を直ちに講じられるよう強く要望します。
仮にも、伝えられたような異動人事が強行されるなら、私たちのみならず、多くの視聴者はそれを左遷人事とみなし、今後のNHKの政治報道に強い不信を抱くことになるのは必至です。

受信契約の締結義務を是認した先の最高裁判決を引くまでもなく、受信契約も受信規約で定められた受信料の支払い義務も、NHKが放送法第4条他を遵守し、自主自律の放送を貫いて、国民の知る権利に応える放送を続けているという視聴者の信頼を得ていることが大前提です。NHKがそうした前提を自ら壊すような人事を強行するなら、今、受信料の支払いを続けている視聴者の間でも、支払い意欲を減退させる人々が増えるのは必至です。
NHKの人事担当部署がそのような愚行を犯さないよう、皆様の賢明なご判断と早急な措置を強く要請します。
                                                                   以上
──────────────────────────────────────
参考
森友問題スクープ記者を“左遷” NHK「官邸忖度人事」の衝撃
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/229227/1
──────────────────────────────────────
「NHK大阪放送局の記者の不当な異動人事の中止を求める要望書」
                                                      への賛同の通知用のFAX用紙
以下の欄にお名前とご住所(都道府県名のみ)あるいは所属団体名あるいは肩書をご記入の上、次へFAXでお送りください。なるべく1枚の紙面を埋めるようお願いします。
集約締め切り 5月24日(木)10時 厳守
FAX番号:
(NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ事務局)
お名前   
次のいずれか ご住所(都道府県名)/所属団体名/その他肩書
*所属団体名/肩書を記入される場合は1つに絞って下さい。
*この件についてのお問い合わせ ☎:

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2018年4月 3日 (火)

「NHKニュース番組の編成方針についての質問書」と『放送法4条の撤廃』問題での申し入れを提出してきました。

(1)  3月29日の参議院総務委員会で山下芳生議員はNHK内部から届いた通報と断って次のような情報を紹介しました。(6分50秒~)
https://www.youtube.com/watch?v=ERfCmjTS52M&feature=youtu.be&t=417

(山下)「ニュース7、ニュースウオッチ9、おはよう日本などのニュース番組の編集責任者に対し、NHKの幹部が森友問題の伝え方を細かく指示している、トップニュースで伝えるな、トップでも仕方ないが放送尺は3分半以内、昭恵さんの映像は使うな、前川前文科次官の講演問題と連続して伝えるな、などというものでした。・・・・・こういう実態あるんじゃないですか?」

これに対し、上田良一NHK会長は放送法の精神を棒読みするだけの念仏答弁。通報の真偽にはまったく触れませんでした。そこで、当会は4月3日、渋谷のNHK放送センターへ出向き、「森友問題に関するNHKニュース番組の編成方針についての質問書 」を提出(全文は→こちら)、9日までに文書で回答するよう要望しました。上記の通報が事実とすれば、政権に対するNHKの自発的隷従は極まれりです。
───────────────────────────────────

質問の概要
1. 山下議員が紹介したNHK内部からの通報で指摘されたNHK幹部からの指示は事実なのかどうか、迅速に調査の上、お答えください。
2. 事実とすれば、指示をしたのはどのような役職の誰なのか、お知らせください。
3. 山下議員が取り上げたNHK内部からの通報は、外部へ通報される前に貴職を含むNHK内部のしかるべき部署に通報されなかったのか、されたとしたら、どのように対応されたのか、ご説明ください。
4. 視聴者からいえば、今回のような内部通報はNHKの放送の自主自律、国民の知る権利に応える番組制作がなされているかどうかをチェックすることに資するものです。それだけに内部通報者に不利益をもたらすような処遇は許されません。
貴職は今回のような良心的な内部通報者を保護するため、どのような措置を講じ、対処をされるのか、ご説明ください。
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また、指示をしたNHK幹部に対し、官邸なり与党議員なりから、何らかの形で指示があったとすれば、指示をした側も、それに追随した側も、それぞれの責任を徹底的に追及しなければなりません。こういう事実を見過ごすことも罪です。

(2) もう一つは今問題になっている政府の「放送法撤廃」の画策(戦後、放送2現体制で行われてきた放送事業を規定してきた「放送法」の基本原則の重大な変更であり、アベよいしょ番組ばかりにしてしまおうとするとんでもない話)です。
(参考)→安倍首相の放送法撤廃はやはり政権擁護フェイク番組の量産が目的! 官邸の推進会議委員に「ニュース女子」出演者が3人|LITERA/リテラ
http://lite-ra.com/2018/03/post-3915.html

当会は総理大臣と規制改革推進会議宛に「放送法4条の撤廃」発議反対の申し入れ(→こちら)をするとともにNHKにも「『放送法4条の撤廃』発議への反対態度表明」(→こちらを要望する申し入れを行ないました。
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「質問書と要望の申し入れ書」をNHKに提出してきました。(報告)
                             2018.4.2
視聴者コミュニティでは、月曜日(2日)、渋谷のNHKに二人が出向いて文書を手交しました。
日 時:2018年4月2日 13時40分から約5分
NHKの応対:ハートプラザの井上利秋 部長
視聴者コミュニニティ:醍醐 共同代表と渡辺 運営委員

Ⅰ.質問書
 「森友問題に関するNHKニュース番組の編成方針についての質問書」 
  2通:①NHK会長 上田良一 様、②NHK放送総局長 木田幸紀 様
Ⅱ.要望の申し入れ書
 『放送法4条の撤廃』発議への反対態度表明」を要望する申し入れ
  1通:NHK会長 上田良一 様
≪面談について≫
事前の連絡で面談の予定だった視聴者部の七尾副部長が急用のため、ハートプラザの井上利秋 部長に上記の書類を手交し、以下の伝言を依頼。
3月29日の参議院総務委員会において山下議員の質問に対して、上田NHK会長の答弁は内部通報の真偽に触れず、Yes or Noを言わないもので最近の政府答弁と同じで無責任だ。否定しないなら、内部通報の内容を認めたと取られても仕方がない。NHKとしてキッパリと答弁すべきだ。
質問書には一週間後の4月9日までに質問項目ごとに文書での回答を要望しているので、真摯な対応をお願いしたい。
                                                                                  以上

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2017年10月11日 (水)

衆議院総選挙にあたって「有権者の賢明な判断に資する質量ともに充実した論点解明報道を」と申し入れ

当会は10月10日、報道機関に対し今回の衆議院総選挙に当たり「有権者の賢明な判断に資する質量ともに充実した論点解明報道を」とする申し入れを行いました。
PDFはこちらからダウンロード可
また、分野別にアジェンダとなるべき論点を「チェック・リスト」としてまとめ提出しました。
PDFはこちらからダウンロード可
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                        2017年10月10日
報道機関各位
有権者の賢明な判断に資する質量ともに充実した論点解明報道を
      ~衆議院総選挙にあたっての申し入れ~
                 NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                 共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
                 http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/blog/

 政府の所信表明演説も各党代表との質疑も省いた異常な冒頭解散によって、9月28日、衆議院が解散され、10月10日告示、11月22日投票日というあわただしい日程の総選挙となりました。有権者が各政党の選挙公約を十分に比較吟味して賢明に参政権を行使するには争点本位の報道が大いに期待されます。
そこで当会は、今回の衆議院総選挙をめぐる報道について以下のとおり、申し入れを行います。その際、一般的に争点(論点)重視の選挙報道というだけでなく、予想される争点を整理し、それぞれの争点ごとに充実した取材・調査・報道が望まれる論点のチェック・リストをまとめ、別添しました。これらをご参照の上、問題の核心をえぐる報道に留意いただくよう、要望します。

.報道にあたって要望したい留意点

 (1)形式的公平ではなく、質的公平を基本に据えた報道を
 選挙報道となると、各党間の公平、特に時間配分の公平が強調されがちです。しかし、重視されなければならないのは、「放送倫理・番組向上機構(BPO)」が昨年2月7日に公表した意見(「2016年の選挙をめぐるテレビ放送についての意見」)でも指摘した「質的公平」です。つまり、「政策の内容、問題点、候補者の資質への疑問など有権者の選択に必要な情報を伝えるために、どの政党に対してであれ、どの候補者についてであれ、取材で知り得た事実を偏りなく報道し、明確な論拠に基づく評論をするという姿勢」を強く要望します。

 形式的公平にとらわれるあまり、「国民の判断材料となる重要な事実を知りながら、ある候補者や政党に関しては不利になりそうな事実を報道しない、あるいは 政策上の問題点に触れない、逆にある候補者や政党に関してのみ過剰に伝えるなどという姿勢は、公平であるとは言い難い」(同上、BPO意見)ことを銘記されるよう要望します。

 (2)政党が触れない論点でも重要なテーマは独自の調査報道を手掛けること
 有権者の投票判断に重要な意味を持つ国政上のテーマであっても、政党によっては、自己に不利になるからとか、過去の公約との矛盾が露見するからとかいった動機で、触れようとしない論点が少なくありません。
 そのような論点を独自のアジェンダ設定で調査し、有権者に伝えることは国民の知る権利に応える報道機関の重要な使命であり、とりわけ、選挙報道に期待されるところです。

 (3)選挙情勢報道ではなく、争点解説報道を
 選挙期間中の報道では、党首の動静や激戦区の候補者の街頭行動、街の声の紹介に多くの時間が割かれる傾向があります。
 しかし、こうした細切れの報道では各政党、各候補者の公約や政見を丁寧に伝えることはできず、イメージ選挙、ワンフレーズを独り歩きさせる選挙報道になりがちです。
 有権者の熟慮の上の投票に資するよう、政策本位、争点本位の充実した報道を要望します。

.調査・取材・報道にあたって取り上げてほしい論点のチェック・リスト
 以上の留意点に基づき、目下、各党が掲げている選挙公約などを参照して、選挙報道にあたって取り上げてほしい論点のチェック・リストを作成しましたので別添します。貴局、貴紙の調査・取材・番組制作にあたって、参考にしていただけましたら幸いです。
                     以上


PDFはこちらからダウンロード可
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申し入れした報道機関は下記(注1)によるがNHKには10月11日直接出向き手交しました。その際のメモです。
                       
2017年10月11日
総選挙報道に関するNHKへの申し入れ提出の面会レポート
面会日:10月10日、11時00分~11時20分
視聴者部:O副部長、N秀明副部長
視聴者コム:醍醐 聰

提出文書:
 *上田良一会長・木田幸紀放送総局長宛て「有権者の賢明な判断に資する質量ともに充実した論点解明報道を~衆議院総選挙にあたっての申し入れ~」
 *(別添)「2017年衆議院総選挙報道にあたっての主な論点チェック・リスト」

主なやりとり
 醍醐から2つの提出文書の要旨を説明しました。その中で「チェック・リスト」について多少、説明しました。
 「争点提示型報道を」といった申し入れはこれまでもしてきたが、今回は、私たち自身が、どのような争点・論点を取り上げてほしい、取り上げる必要があると考えるかを「チェック・リスト」としてまとめた。メディアの皆さんはプロなので、先刻、理解されていると思う。
しかし、たとえば、政府が有効求人倍率が1.5倍を超えたことを挙げて、雇用情勢の好転を主張するのに対して、これと言った検討をしないまま紹介するだけの報道が大半。しかし、「雇用・働き方改革」の項で書いたように、有効求人はあくまでも予定。同じ雇用統計(『労働力調査』)を調べると、実際の就職率は100%を超えるどころか、1桁%となっている。こういう事実を確かめて伝えてほしい。」

 申し入れ文書を説明したあと、次のような議論を交わした。

 (醍  醐)これら文書はNHK以外にも、○○、○○・・・へも郵送した。また、事前にお伝えしなかったが、NHKについても、昨日、編成局編成センター、報道局政治部、同経済部、同社会部、同国際部、解説委員室、日放労宛てに同じ文書を発送した。
 (視聴者部)(発送先をメモしたうえで)とすると、今日、着きますか?
 (醍  醐)昨日の午後だったので、着くのは明日かも知れません。
  「NHK組織図」(添付します)を見つけ、それを参考に発送先を選びました。選挙報道となると、特別体制を組むのですか? その場合、図にある「編成局編成センター」はどのような役回りですか?

 (視聴者部)特別な体制はありません。「編成センター」はいろいろ上ってくる提案の中からどれを取り上げるかを判断する部署です。
(醍  醐)提案はどこから上ってくるのですか? 政治部、経済部・・・・から上ってくる?
(視聴者部)それもないわけではありませんが、彼らはあくまで前線の取材記者。報道局の中のディレクター・グループが「政治番組部」を作って、そこが、たとえば、「日曜討論」をどうするかなどを議論して編成に提案します。
(醍  醐)その「政治番組部」には政治部の記者も加わっているのですか?
(視聴者部)いえ、先ほど話したように、彼らはあくまでも現場で取材する記者で、「政治番組部」に参加することはありません。
皆さんからいただいた意見や申し入れは、そこ(「政治番組部」)へも届けています。

(醍  醐)ということは、今日のように会長、放送総局長宛ての文書でも、「政治番組部」にも届けてもらうということですか?
(視聴者部)そうです。これまでも、そうしてきました。
(醍  醐)私たちが提出した文書が、その後、どう扱われるのか、どこへ届くのかを、今のように知らせてもらうことは重要だと思います。よろしく。
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(注1) 申し入れ報道機関 
*NHK会長 上田良一 様(手渡し)
*NHK放送総局長 木田幸紀 様(手渡し)
*NHK編成局編成センター
*NHK報道局政治部
*NHK報道局経済部
*NHK報道局社会部
*NHK報道局国際部
*TBS 
TBS報道部 選挙報道担当 御中
*日本テレビ
 日本テレビ 視聴者センター部(選挙報道担当宛て)
*テレビ朝日
 テレビ朝日 選挙報道担当 御中
*フジテレビ
 フジテレビ 選挙報道担当 御中
*民放連
 日本民間放送連盟 御中
*民放労連
 日本民間放送労働組合連合会 御中
*BPO 
 BPO 視聴者応対係 御中
*言論NPO
 認定NPO法人 言論NPO 御中
*NHK放送文化研究所
 NHK放送文化研究所 御中
*NHK解説委員室
*日本放送労働組合(日放労/にっぽうろう) 
*日本記者クラブ(専務理事)
*日本外国特派員協会
*日本新聞協会
*日本ジャーナリスト会議(メール)
*メディア総合研究所(メール)
*雑誌『マスコミ市民』(メール)
*雑誌『週刊金曜日』(メール)
*ニューヨークタイムズ東京支局(メール)
*KBS日本支社(支社長宛て)(メール)
*ハンギョレ新聞社東京支社(メール)
<その他 個人ジャーナリスト>

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別添

20171010

2017年衆議院総選挙報道にあたっての主な論点チェック・リスト

作成:NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ

 
 

テーマ

 
 

論 点(争 点)

 
 

森友学園問題

 
 

・国有地の格安売却について政府(佐川前理財局長)は国会で事前に森友側と金額のすり合わせをしたことはないと答弁してきた。しかし、9月以降に報道された録音データによると近畿財務局は森友側と「いくらなら出せるか」、「土地の瑕疵を見つけて価値を下げる方向でシナリオを作る」、「有益費を少し超える金額に近づけるよう作業中」といったやりとりを交わしていたことが明らかになった。

 

・こうした録音データが事実とすれば、近畿財務局には国有財産を不当に廉価で処分した背任の疑いがもたれ、佐川氏の国会答弁は虚偽の疑いが濃厚になる。

 

・各党は今後、こうした疑惑をどのように解明するのか? 

 
 

加計学園問題

 
 

・安倍首相は725日の国会答弁で、加計学園が獣医学部新設を申請することを知ったのは今年1月20日と発言したが、その信憑性に疑問が投げ掛けられている。この点を今後、どのように解明していくのか?

 

・加計学園が申請している獣医学部は新しい教育分野として「ライフサイエンス」を挙げている。しかし、他大学の既設の獣医系学部(大阪府立大学、京都産業大学など)では、モデルカリキュラムに基づいて、すでに優れたライフサインス教育を実施しており、加計学園の申請が閣議決定の四条件の一つ(既存の大学・学部では対応困難な場合)に該当しない可能性がある。各党は今後、この点をどのように究明していくのか?

 

・加計学園が積算した獣医学部新設に係る建築費は、最近開設された獣医学系

 

学部の建築費と比べ、単価が異常に高いとの指摘がある。こうした指摘にど

 

う応えていくのか?

 
 

憲法・安保法制

 

 

 
 

9条に自衛隊の存在明記を追加する改憲論がある一方、そうした改憲は戦力不保持を定めた91項、2項を骨抜きにするものという批判がある。また、9条加憲論は自衛隊の災害救助活動と武力行使を伴う活動を混同した議論と思えるが、両者を区別せず、改憲の是非を議論してよいのか? 

 

9条に3項を追加すると自衛隊の武力行使(集団的自衛権発動)が専守防衛の国是を越えて際限なく拡大する恐れがあるとの懸念が指摘されている。こうした懸念を、どうように考えるか?

 

・自民党以外の政党の中でも、9条も排除せず幅広く改憲の議論をする、と公約を掲げる政党があるが、では、9条をどのように見直そうとするのか、自民党の改憲論とどこが違うのか、同じになるのか、踏み込んだ論戦を促す必要がある。

 

・「教育の無償化」を改憲項目に挙げる政党があるが、憲法改定によらなければできないことなのか? 

 

・義務化を伴わない無償化は教育格差をかえって拡大するという指摘がある。家庭の所得格差に連鎖した就学機会の格差をどのように解消するのか?

 
 

北朝鮮問題

 
 

・安倍晋三首相は920日、国連総会で行った一般討論演説で、「対話とは、北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐための最良の手段だった」、「必要なのは、対話ではない。圧力だ」、「『全ての選択肢はテーブルの上にある』とする米国の立場を一貫して支持する」と発言した。

 

 各党はこうした安倍首相の対話無力論、軍事行動を排除しない米国への協調姿勢を支持するのか、しないのか?

 

・安倍首相は「国民の生命、財産を守るのが私の任務」と繰り返し発言してきた。しかし、米朝が相互に挑発し合う言動を繰り返し、万一、核弾頭ミサイル攻撃を応酬しあう事態となって、北朝鮮がソウルと東京を標的にした攻撃を起こした場合、40200万人の犠牲者が出るという試算がある(米国ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院の北朝鮮監視プロジェクト・レポート)

 

 安倍首相の上記のような国連演説はむしろ内外の国民の生命、財産を危険にさらす言動と思えるが、各党は安倍演説を支持するのか、批判するのか?

 

・安倍政権は北朝鮮の核開発を非難する一方、核不拡散条約の交渉に参加することさえ拒んできた。こうした安倍政権の核に関する姿勢を各党は支持するのか、しないのか?

 
 

辺野古基地新設

 

オスプレイ配備

 
 

・安倍政権は米国の要請を受け入れ、事故が続発するオスプレイを各地に配備する計画を容認している。各党はこうした日本政府の対応を支持するのか、しないのか? 

 

・沖縄をはじめ、基地あるが故の危険、事故の続発の根源にある日米地位協定を「運用改善」で解決できるのか、抜本的見直しに踏み込んで米国と交渉する意思はあるのか?

 

・国が埋め立て工事を進めている辺野古側海域で、環境省が定める絶滅危惧2類のサンゴ14群体のうち13群体がすでに死滅していることがわかった。翁長知事は県漁業調整規則に基づく特別採捕許可権を行使して、辺野古基地建設作業の中止を求める構えを見せている。各党はこうした沖縄県の姿勢にどう対応するのか?

 
 

原   発

 
 

・原発維持、当面維持を唱える政党は、使用済み核燃料の収容能力が限界に近づき、核燃料リサイクル事業が破綻した現実を踏まえ、今後も増え続ける使用済み核燃料の貯蔵・処理をどのように描いているのか?

 

2030年までに原発ゼロを公約に掲げる政党があるが、当面の再稼働の可否についてどのように公約するのか? その間、稼働期限が満了する原発の稼働期間延長を認めるのか、認めないのか?

 

・原発の即時廃止、早期ゼロを公約に掲げる政党があるが、代替電源として掲げる自然エネルギーの普及を図る具体策は?(電力の地産地消、自家消費の奨励策など) 

 
 

在日外国人の

 

人権問題

 
 

・希望の党は「在日外国人の地方参政権に反対」を党公認の条件に掲げたが、その後に発表された公約ではこの主張は消えた。最高裁は1995年、憲法は永住外国人に参政権を与えることを禁じていないと判断したが、法制化の審議は進んでいない。各党は参政権の法制化を支持するのか、しないのか、問いかけが必要である。

 

・在日朝鮮人学校への教育無償化適用については地裁段階で判断が分かれているが、政府関係者は公式には無償化の可否と政治・外交問題を切り離すと言いつつ、拉致問題や北朝鮮、朝鮮総連とのつながりを無償化問題に絡める発言を繰り返してきた。

 

 各党は「平等に教育を受ける子どもの権利」に照らしても朝鮮学校への無償化の適用を除外すべきと考えるのか、それとも除外は不当と考えるのか、それぞれ根拠を示した論戦を促す必要がある。

 
 

社会保障の財源

 
 

・主たる財源として消費税を想定する自民・公明両党は予定通り201910月から税率を10%に引き上げると公約するのか? 引き上げ延期もありとするなら、延期/予定通り実施を判断する基準は何か?

 

・消費税増税の「凍結」を唱える政党があるが、「凍結」を解除する基準は何か?

 

・消費税増税の中止、凍結を公約に掲げる政党は消費税に依存しないどのような財源(確保できる税収額、必要な税制改正も含め)を具体的に考えているのか?

 

・安倍政権・自民党はこれまで消費税収の一部を国債の償還に充ててきたのを子育て支援に回すよう使途を変更すると公約している。では、財源に穴が開く国債償還を今後、どのような財源で賄うのか?

 

・安倍政権・自民党は消費税の使途変更を「全世代型社会保障」への転換と説明している。その背景には「若年世代の負担で高齢世代は恩恵を得ている」という世代間の対立図式があるが、年金、介護、相続、家族内の育児・子育て支援、教育費負担、相続といった総体としての世代間の所得移転を見た時、指摘されるような世代間の不公平は実在するのか?

 

・若年世代の貧困は高齢世代の過重な扶養費負担に起因するのか? そうではなく、新卒の時点から奨学金の返済延滞を抱え、4割が低賃金の非正規で就労し、違法な時間外労働を強制されているといった現実が若年世代の貧困の最大の原因ではないか? 各党はこうした現実を解消するためのどのような政策を公約するのか?

 
 

税制改革

 
 

・安倍政権は企業の設備投資の増大による雇用拡大・景気回復といった経済の

 

好循環誘導、日本の立地競争力の強化を理由に挙げて法人税率の引き下げを実施してきた。しかし、その間も企業の生産活動の海外移転は止まらず、減税分の多くは内部留保と配当に充てられ、雇用も従業員給与も横ばいか微増にとどまった。こうした事実に照らし、これまでの法人税率引き下げを見直す必要はないのか、今後、さらなる法人税率の引き下げを図るのか?

 

・そもそも論として、法人税負担の高低、その国際比較を実効税率だけで測っ

 

てよいのか? 税率×課税ベースで測るのが税財政の定説ではないのか?

 

・国税庁統計によると課税所得に対する税負担額の割合は既に10%台前半まで

 

下がっている。こうした事実を踏まえ、安倍政権下で行われてきた法人税率の引き下げを見直す必要性はないのか?

 

・安倍政権下で累次行われてきた法人税率の引き下げ等により、企業の内部留 

 

 保利益が388兆円に達する状況(20176月現在。金融保険業を除く全産業・全規模合計)になっている。この内部留保の活用策として賃上げなど労働分配の改善に充てる案や内部留保税を創設する案などが提起されている。それぞれの実行可能性、分配の公平に対する実効性などを踏まえ、各党は増加し続ける企業の内部留保をどのように活用すべきと考えるか?

 
 

雇   用

 

働き方改革

 
 

・政府が国会に提出した「働き方改革」法案を各党はどう評価するのか? 過

 

労死の根絶に向けた実効性のある取組みと見るのか? 逆に、過労死ライ

 

ンまでの長時間労働を正当化する法案と見るのか?

 

・過労死、長時間労働、「サービス残業」を根絶するために各党はどのような実効性のある具体策を提言するか?

 

・安倍首相は安倍政権下で雇用は増えたというが、第二次安倍政権発足の翌月(20131月)から直近の20178月までの雇用者数の推移をみると、全体で268万人増えたが、正規雇用者の増加は78万人にとどまり、多く(227万人は非正規雇用である(「一般職業紹介状況」月次より)。

 

 また、有効求人数は197.2万人から266.1万人へと68.9万人増加しているが、実際の就職件数は1.4万人減少している(14.4万人→13.0万人)。

 

さらに、安倍首相は、しばしば、有効求人倍率が1.5を超えたことを雇用情勢好転の指標として挙げているが、20178月期で言うと、有効求人数は270.4万人であるのに対し、実際の就職件数は14.4万人(8.1%)にとどまっている。また、企業の実際の採用率(有効求人数に対する就職件数の割合)は5.3%にとどまっている(「労働力調査」より)。これは、求人はあくまで企業の予定であり、実際の採用はそれとは乖離している実態を示している。

 

 いわゆる「アベノミックス」の成果を評価したり、働き方改革を検討したりする時には、こうした雇用実態を踏まえた議論が必要ではないか?

 

 

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2017年7月29日 (土)

NHK政治部 原聖樹記者への公開質問状を提出しました。

NHK「クローズアップ現代+」は去る6月19日に、 <波紋広がる”特区選定”~独占入手 加計学園”新文書”>というタイトルの番組を放送しました。番組の内容は国会でも取り上げられ、社会的も大きな反響を呼びました。
(下記にNHKからの回答書あり)
 
 番組の台本(全文)http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3993/

Hara

 

 

 しかし、この番組でスタジオ出演した原聖樹・NHK政治部記者(官邸キャップ)の解説は、社会部が独自取材で入手した文書で示された特区選定の不公平・不透明な経過にことごとく蓋をし、官邸・内閣府あるいは国家戦略特区諮問会議有識者メンバーの言い分をそっくり、なぞるものでした。

 そこで、私たち”NHK視聴者有志”は611名の連名で、原記者宛てに下記のような質問書を提出することにしました。
 地味な取り組みではありますが、NHKの政治報道を政府広報に貶めている元凶といえるNHK政治部の姿勢を正す運動の一つになればと考えた次第です。
 有志(連名提出者)の中には、各地の視聴者や視聴者団体の会員に加え、元NHKプロデューサーほかNHK・OB、日本ペンクラブ理事、メディア論研究者、弁護士、(現・元)大学教員も含まれています。 原氏には8月2日(水)までに書面で回答をもらうよう、要請しています。
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                        2017年7月25日
NHK政治部
 原 聖樹 様
    「クローズアップ現代+」(6月19日放送)における貴職の発言についての質問書
                      NHK視聴者有志(有志名簿は別紙)

 原様におかれましてはNHK政治部の官邸担当キャップという重責を担われ、ご多忙の毎日をお過ごしのことと存じます。
 去る6月19日にNHK「クローズアップ現代+」は<波紋広がる“特区選定“~独占入手 加計学園”新文書“>というタイトルの番組を放送し、その中で、「国家戦略特区」として獣医学部の新設が決定される過程で行政の公平性、透明性が確保されたのかどうかを、NHKが独自に入手した文書をもとに検証しました。この番組の内容は国会でも取り上げられ、市民の間でも活発な議論を喚起しました。

 原様はこの番組の後半で、大河内直人・社会部記者とともにスタジオ出演され、「諮問会議のメンバーからは、選定のプロセスについて一点の曇りもないという発言が出ているが、これはどういうことか?」という武田真一キャスターの問いに対して次のように発言されました。

 「すべての決定の過程が議事録が残っている①上に、オープンにインターネット上でされていると。すべての場所に必要な人が出席して、意思決定をしている中において、間違いが起きるはずがないということなんですね。
 さらに先ほど『広域的』という文言もありましたが、有識者の方々は記者会見で、われわれが獣医師会や、規制を緩和したくない文科省に譲歩してなんとか認めてもらうために入れた文言であって、なんらかの変な形で入ったわけではなく、われわれのサジェスチョンで山本大臣が決定した②のだと。ですからそこに違法性はない③、政府もこうしたプロセスを踏んでることから、手続きが適正に行われていて違法性もない④と強調しているわけなんです。」(下線と番号①~④は質問者が追加)

 このような原様の解説は、武田キャスターが紹介した諮問会議メンバーの主張を補充する形でなされたものですが、ファクト・チェックが必要と思われる箇所、NHKの報道番組に求められる自立した論点設定という観点に照らして疑問点があります。下線を付した①~④がそれです。
 そこで、ご多忙のところとは存じますが、以下の私たちの質問について、8月2日(水)までに、別紙に記載しました宛先へ、文書でご回答をくださるよう、お願いいたします。

 ご発言①について

a)私たちは国家戦略特区諮問会議、国家戦略特別区域会議、国家戦略特区ワーキンググループがそれぞれ公表した議事要旨、ヒアリング議事要旨(議事録は諮問会議運営規則第8条により、会議開催後4年を経過した後に公表するとなっています)を調査しましたが、獣医学部の新設申請が加計学園1校となる大きな理由になった「広域的に」、「開校時期を平成30年4月とする」といった条件を設けることをめぐって議論が交わされた記録はどこにも見当たりませんでした。

b) 逆に、6月13日に諮問会議有識者議員が開いた記者ブリーフィングにおける質疑の中で、今治市から諮問会議に提出された申請資料、今治市へのヒアリングの議事要旨が申請者の希望で公表されなかった事実が明らかになっています。

c) また、同上記者ブリーフィングにおける質疑の中で、諮問会議ワーキンググループ座長 の八田達夫氏は、京都についても公平性を保つためにヒアリングの議事要旨を公表しな かったと発言したのに対し、記者から、京都府と京都産業大に取材したところ、ヒアリン グの最初に記録をすみやかに公表することに同意していたという回答を得たことが指摘 され、京都側は諮問会議の非公表の理由を否定しています。 

 質問1―1 
 上記a~cのようなファクト・チェックに照らせば、「すべての決定の過程が議事録が残っている」という原様の解説とは裏腹に、重要な意思決定の過程が議事録(正確には議事要旨)に残されておらず、原様の解説は事実に反する関係者の主張を主体的に検証することなく紹介されたと思われますが、いかがですか?
 私たちの判断が間違いとお考えであれば、相応の反証事実をお示しください。

 質問Ⅰ-2 
 「NHK放送ガイドライン2015」に収められた「4 取材・制作の基本ルール」の①企画・制作の3項目に次のような規定があります。

 「報道番組やドキュメンタリィー番組、情報番組などでは、正確な取材に基づいて真実や問題の本質に迫ることが大切である。虚構や真実でない事柄が含まれていないか冷静な視線で見極めようとする姿勢が求められる。」
 原様の解説の中の①は、諮問会議有識者議員の真実でない発言を冷静に見極めることなく、そのままなぞる解説といえるものであり、私たちは「NHK放送ガイドライン2015」の上記の規定に反するものと考えます。
 原様の見解をお聞かせください。

 ご発言②について

d)6月13日に諮問会議有識者議員が開いた記者ブリーフィングにおける質疑の中で、
「平成28年11月の特区諮問会議決定で『広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り』との限定を付したのは、これは誰がどのように起案して、どのように話し合いがされて、ここで限定が付されたのでしょうか。」という記者の質問に対し、八田達夫氏は、
「これは基本的には3大臣の中で決められたわけです。最後、諮問会議に出されたこの案を提示されたのは、山本大臣だったと理解しています。山本大臣はその前にワーキ ンググループのサジェスチョンを聞いて下さいました。」
と答えています。

e)しかし、諮問会議の有識者議員が山本幸三特命担当大臣に対して、いつ、どこで、どの ようなサジェスチョンをしたのか、それに対して山本大臣はどのような応答をしたのかについて、諮問会議の議事要旨にも配布資料にも一切、記録はありません。
 また、山本大臣が有識者議員のサジェスチョンを踏まえて「広域的」という文言を追加することを諮問会議で提案した事実も、諮問会議で「広域的」とか、平成30年4月を開学予定とするとかいった重要な条件をめぐって議論が交わされた事実を証する記録も、議事要旨に一切、見当たりません。
 結局、京都産業大の申請を不可能にし、加計学園だけが残る結果になった「広域」条件、「平成30年4月開学」といった条件が、いつ、どのような議論を経て決まったのか、その経緯はブラックボックスになっています。

f)諮問会議の有識者議員が適正な手続きの一つとして挙げた「三大臣合意」について、山本特命担当大臣は今年の6月6日に開かれた参議院内閣委員会で、この「三大臣合意」が交わされた経緯の説明、「三大臣合意」文書そのものの提出を再三、求められたのに対し、次のように答弁しています。
 「この三大臣合意というのは、これは大臣として確認した事項であります。公式の文書として作ったものではありません。
 そもそも行政文書というのは、国家公務員がその職務を遂行するに当たり法令等に基 づき適正に作成、保存しているものであり、これに違反した場合には懲戒処分等、さらには公文書偽造罪に該当することになるなど、その真正性については制度的に担保されているところであります。
  ただ、二十八年の十二月二十二日に作成されたこと、これはもう私ども三大臣として確認しているわけであります。したがって、その真正性を証明するために、これ以上役所が保有する個別の電子ファイルについて逐一プロパティーデータ等に遡って確認することまで求められるとすれば今後の行政遂行に著しい支障を生じることになるために、行政サイドとして到底対応できるものではないと考えております。」

g)しかし、上記の三大臣合意は国家戦略特区として新設の獣医学部を選定する際の重要な条件を定めた文書であり、「内閣府本府行政文書管理規則」の「別表第1 行政文書の保存期間基準」の分類に従えば、「6 関係行政機関の長で構成される会議(これに準ずるものを含む)の決定又は了解の立案の検討及び他の行政機関への協議その他の重要な経緯」を証する行政文書に該当し、10年の保存を義務付けられるものです。となりますと、山本大臣の上記の国会答弁は内閣府が「公文書管理法」の次の定めに違反する行為を行った公算が強いことを意味します。

「第4条 行政機関の職員は、第1条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について、文書を作成しなければならない。
  一 省略 
  二 前号に定めるもののほか、閣議、関係行政機関の長で構成される会議又は省議(これらに準ずるものを含む。)の決定又は了解及びその経緯 
  三~五 省略」

 質問2-1
 獣医学部新設をめぐる最大の疑惑は「加計ありきの選定ではなかったか」という点ですが、原様は、特区選定の手続きは適正に行われ、違法性はない、という諮問会議有識者議員の主張をなぞる解説をされました。
 しかし、原様がなぞられた諮問会議有識者議員の主張には、事実に反する点、重要な事実を無視した点があります。
 この意味で、原様の解説の③④の箇所は「正確な取材に基づいて真実や問題の本質に迫る」姿勢、「虚構や真実でない事柄が含まれていないか冷静な視線で見極めようとする姿勢」を欠くものだったと私たちは考えます。この点について、原様はどのようにお考えか、お聞かせください。

 質問2-2
  原様は解説③④の箇所で、「違法性はなかった」という諮問会議の有識者議員の発言を紹介されました。しかし、6月19日の「クローズアップ現代+」の主題は「特区選定の過程で公平性や透明性は保たれていたのか」ということでした。このような番組の主題、ねらいに照らせば、問題を「違法性」に絞る諮問会議有識者メンバーの主張をそのままなぞった原様の解説は番組の主題、ねらいにそぐわず、「問題の本質に迫る」姿勢に欠けるものだったと思われます。
 この点について、原様はどのようにお考えか、お聞かせください。

 質問2-3
 上記のような山本特命担当大臣の国会答弁は「公文書管理法」第4条に抵触する可能性が強いと私たちは考えます。この点で、今回の特区選定過程には「違法性」の面から見ても、重大な問題があると考えられます。
 原様はこの点をどのようにお考えか、お聞かせください。
                       以上
──────────────────────────────────────
7月31日回答が来ました。
原記者からではなく、差出人は「クローズアップ現代+」となっています。
----------------------------------------------
NHK視聴者有志のみなさま

平素より、NHKの番組にご理解を賜り、誠にありがとうございます。
2017年6月19日放送のNHK「クローズアップ現代+」(波紋広がる“特
区選定”)に関する質問書につきまして、以下の通り、回答させていただきます。

回答については、番組内での解説であることから、「クローズアップ現代+」
としてお答えさせていただきます。
ご指摘のあった政治部・原記者の解説は、番組のテーマである国家戦略特区の
選定に関して、国家戦略特区諮問会議の立場や見解についても政府内外の取材
を尽くしたうえで、より多角的な観点から理解や議論を深めていただこうと行
ったものです。
特区選定の報道に関しましては、視聴者の皆様から多様なご意見・ご指摘を頂
いており、それぞれ貴重なご意見として受け止めさせて頂くとともに、今後の番
組制作にいかしてまいります。今後も、NHKの番組につきまして、ご理解賜り
ますようお願いいたします。
                                  2017年7月31日
                           NHK クローズアップ現代+
----------------------------------------------------

中身は、ご覧のとおり、実質、ゼロ回答です。
私自身は今回の質問は、611名の視聴者が原氏の解説をどのように注視し、ウオッチしたかを伝えることに、まずは意味があると考えました。
だからといって、「回答」の中身は想定の範囲内、と達観してよいとは、もちろん、思いません。

2つ、コメントしたいと思います。
「・・・・原記者の解説は、番組のテーマである国家戦略特区の選定に関して、国家戦略特区諮問会議の立場や見解についても政府内外の取材を尽くした①うえで、より多角的な観点から②理解や議論を深めていただこうと行ったものです。」(下線は醍醐の追加)

①    「取材を尽くした」のでしょうか?
「すべて議事録に書かれている」という山本大臣や諮問会議民間委員の発言は事実でないという指摘を否定するなら反証を示してほしいと求めた質問に対し、何ら反証を示さず、「取材を尽くした」と答えるのは、あまりに無神経で不遜です。

②    質問の主意から外れた回答
今回の質問は、放送法第4条第1項で言えば、四号の「多角的論点の提供」を問題にしたものではなく、三号の「報道は事実をまげないでする」を順守したかどうかを問うものであることは、たやすく理解できたはずです。「回答」は論点のすり替えです。

*自分の言葉で語った解説には自分で答えるというモラル、矜持が原記者にはないのでしょうか? それでジャーナリズムの職をまっとうできるのでしょうか? 視聴者への説明責任(高野真光「NHKにも『視聴者に対する説明責任』を」『マスコミ市民』2017年8月号所収)よりも官邸政治部記者というポジションの方が大事、ということなのでしょうか?

これからも根気よく、的確なファクトチェックにもとづいて、ウオッチしていきたいと思ってます。(醍醐 聰)

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2017年3月17日 (金)

BPO宛に"クローズアップ現代+"「韓国 過熱する“少女像”問題 初めて語った 元慰安婦」に関する審議要望書を提出しました。

 当会がが2月24日にNHK宛てに提出した、「クローズアップ現代+」「韓国 過熱する“少女像”問題 初めて語った元慰安婦」(2017年1月24日放送)に関する質問書(PDFはこちら)に対し、「クローズアップ現代+」編集長・吉野真史氏名で回答文書が3月10日に、届きました。(以下に貼り付け-クリック拡大)

Kait25o_2
 当会の運営委員会でこれを検討した結果、3月14日、BPO宛てに、 「クローズアップ現代+」「韓国 過熱する“少女像”問題 初めて語った  元慰安婦」(2017年1月24日放送)に関する審議要望書PDFはこちら) を発送しました。
 下記にも貼り付けます。 ------------------------------------------------------------------
  
                                   2017年3月14日
放送倫理検証委員会 御中

「クローズアップ現代+」「韓国 過熱する“少女像”問題 初めて語った
    元慰安婦」(2017年1月24日放送)に関する審議要望書   

              NHK を監視・激励する視聴者コミュニティ
               共同代表 湯山哲守・醍醐 聰

 当会は、本年1 月 24 日に放送された「クローズアップ現代+  韓国 過熱する“少女像”問題 初めて語った元慰安婦」(以下、「本番組」という)の内容、編集方法には、「放送法」、「NHK放送ガイドライン2015」に照らして種々、重大な疑問点があると判断しました。
 そこで、2月24日に本番組制作担当他に同封別紙のような質問を提出したところ、3月10日に同じく同封別紙のような回答が届きました。しかし、この回答は以下に指摘するとおり、当会が具体的な立証、反証資料を添えて尋ねた質問に応答したものになっていません。

1.事実を歪めて伝えたとの指摘に答えていない。
・釜山に少女像が設置された経過が歪めて伝えられたとの指摘(質問Ⅴ)
・日韓合意に関する韓国野党の対応について、事実の経過を歪めて伝えられたとの指摘(質問Ⅵの前段)
2. 事実の裏付け取材に関する疑義に答えていない。
・番組に登場した3人の元「慰安婦」本人の意思は取材を通じて確認されたのかを尋ねた質問Ⅱ
・「当事者の思いと異なる形で少女像が設置された」という解説はどのような事実に裏付けられたものかを尋ねた質問Ⅲ
3.公平な報道に関して、反証を添えた当方の疑義に答えていない。
・元「慰安婦」の声はさまざまと言いながら、なぜ、日本の支援金を受け取った3組の「慰安婦」とその家族の声だけを伝えたのか? (質問Ⅰ)
・相反する論説を掲げた韓国有力紙が多数ある中で、韓国に非があるとする1紙の論説だけを取り上げ、同紙の論調が韓国内で広がりつつあると解説したのはなぜか?(質問Ⅳ)。
4.国際・海外取材にあたっての基本姿勢を定めた「NHK放送ガイドライン2015」に違反しているのではないかとの指摘(質問Ⅸ)に答えていない。

 個別具体的な問題は以上のとおりですが、本番組は全体を通して、日韓合意が行き詰まった原因は「過熱した」韓国社会の対日批判、近い将来に予想される大統領選をにらんだ韓国野党のポピュリズムにあるという予断の下に、冷静さを装った韓国バッシング番組だったと言っても過言でないほど、偏向したものだったと当会は考えます。
 このような番組制作は「放送法」第4条第1項2号、3号、4号規定に反すると同時に、「各国の利害が対立する問題については、一方に偏ることなく、関係国の主張や国情、背景などを公平かつ客観的に伝える」と定めた「NHK放送ガイドライン2015」からも大きく逸脱したものです。

 以上から、当会は貴委員会が同封別紙の資料を参照いただき、本番組に「放送法」、「NHK放送ガイドライン2015」に違反する点がなかったかどうかを厳正に審議くださるよう要望します。
また、その際には、異論を「さらっ」と紹介するだけで、公平な番組編集をしたかのようなアリバイづくりをしようとする姑息なやり方を正す厳正な審議も要望します。 
                                以上
〔付記〕
 同封のNHK宛て質問書の記述のうち、一部に不正確な箇所がありましたので、以下のとおり訂正をいたします。

 原文(10ページ)
「②河野談話(1993年)では、『われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する』と謳われました。しかし、日本の中学校の歴史教科書では2011年の検定で『慰安婦』関連記述がすべて消え、2015年の検定で『強制連行を直接示す資料は発見されなかった』という日本政府の見解を併記することを条件に、かろうじて1社の教科書に『慰安婦』関連の記述が復活しました。」

改訂文
「②河野談話(1993年)では、『われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する』と謳われました。しかし、日本の中学校の歴史教科書では、2010年検定(2012年度版)では『慰安婦』という言葉は全て消え、1社の教科書に、「慰安婦」関連記述が残るにとどまりました。その後、『強制連行を直接示す資料は発見されなかった』という日本政府の見解を併記することを条件に、かろうじて2014年検定(2016年度版)の1社の教科書に『慰安婦』の記述が復活しました。」

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2017年2月26日 (日)

”NHKクローズアップ現代+”「韓国 過熱する“少女像”問題 初めて語った元慰安婦」に関する質問書をNHKに提出しました。

「クローズアップ現代+」「韓国 過熱する“少女像”問題 初めて語った元慰安婦」(2017年1月24日放送)に関する質問書をNHKに提出してきましたので報告いたします。
                      2017.2.24
日 時:2017年2月24日 11時から35分
NHKの応対:視聴者部の七尾、鈴木、両副部長
視聴者コミュニティ:醍醐 共同代表と渡辺 運営委員

 本年1 月 24 日に放送された「クローズアップ現代+  韓国 過熱する“少女像”問題 初めて語った元慰安婦」の内容、編集方法を精査した結果、「放送法」、「NHK放送ガイドライン2015」に照らして種々、重大な疑問点があると判断し、NHKの関係先宛てに質問書を提出し、約30分間、質問書(9ページ)(下記に記載)の要旨を説明。その後、簡単な質疑をしました。
3月10日までに回答をもらうよう、要請し、回答内容を見届けたうえで、その先の対応を運営委員会で協議する予定です。

≪要旨の説明≫ :下記の≪質問書の一覧≫を参照ください。

Ⅰ.なぜ3組の声だけ伝えたのか?ワザワザ日本に来て記者会見までしている人の声をとりあげない。お金を受け取った人にも様々な事情があったが、一つの声のみ伝えている。
Ⅱ.放送された人は、本当に自分の意思が表されているのか?お金を受け取ったこと自体理解できない人が「日韓合意」を理解できるのか?取材不足・先に編集方針ありきの感。
Ⅲ.「当事者の思いとは異なる形で少女像が設置された」とは、いかなる証拠があるのか?ただ一人の発言なのに一般化したように伝えているが、別の人は日本に来て「像の設置を歓迎する」意思を表明しているのに取り上げていない。
Ⅳ.「韓国に非がある」という1紙の論説だけ取り上げたが、主要な6紙はそうは言っていない。
Ⅴ.釜山の少女像設置の経緯について、事実と違う。朴大統領への抗議行動が起こる半年も前からスタートしていた。
Ⅵ.NHKの池端ソウル支局長の現地報告、発言には予断が入っている。
Ⅶ.日韓合意について、理解が進めば「合意賛成」が増えるのか? 市民の反発の意思を伝えていない。
Ⅷ.「説き伏せ」れば、それでよいのか?市民には反対の意思表示をする言論の自由があるはず。
Ⅸ.国際問題について「NHK放送ガイドライン」には、相手国の主張も公平に伝えるよう言っているが、その点の配慮があるのか?

≪主な質疑≫
Q:お二人の副部長は当該番組をご覧になったか?
A:はい、見ました。
Q:番組の反響は?
A:賛否両方からたくさんの声が来ている。良かったというより、様々な方向からの批判的意見が多い。
Q:考査室にも、この質問書を提出できるか?
A:できる。私共視聴者部に送ってもらえば届ける。
Q:経営委員会には「視聴者対応報告」が出されているとおもう。視聴者の声を聴く一環として、この文書を届けてもらえるか?
A:できる。
Q:これまで、かみ合わない回答が多かったが、ファクトベースのことはキチンと受け止め、放送法やNHKガイドラインに照らして回答してもらいたい。
--------------------------------------------------------------------------------------
≪質問書の一覧≫
Ⅰ.元「慰安婦」の声はさまざまと言いながら、なぜ、日本の支援金を受け取った3組の元「慰安婦」とその家族の声だけを伝えたのか?
Ⅱ.番組に登場した3人の元「慰安婦」本人の意思は取材を通じて確認されたのか?
Ⅲ.「当事者の思いと異なる形で少女像が設置された」という解説はどのような事実に裏付けられたものか?
 ①番組に登場した1人の元「慰安婦」の家族が語った、「(お金を)受け取ったのだから(少女像は)撤去しなければならないと思います」という言葉だけで「当事者の思い」と括ってよいのか? 
 ②取材を通じて、少女像は撤去すべきだと語った元「慰安婦」は他に何人もいたのか? 
 ③韓国の複数の元「慰安婦」が来日して会見し、日韓合意は自分たちを置き去りにしたもの、少女像は自分たちの辛い体験の証しで設置を歓迎すると語ったが、こうした元「慰安婦」を取材したのか? そうした声を伝えなかったのはなぜか?
 ④韓国の世論調査では約75%が10億円を受け入れても少女像は撤去、移転すべきではないと答えている。こうした民意をどう受け止めたのか?

Ⅳ.多様な論説を掲げた韓国メディアの中で、韓国に非があるとする1紙の論説だけを伝えたのはなぜか?
 非は日本に(も)あるという論説を掲載した「東亜日報」、「中央日報」、「朝鮮日報」、「聯合ニュース」、「ハンギョレ新聞」の社説、論説を示し、韓国の論調の紹介の仕方が余りにも偏向している点を質問
Ⅴ.釜山に少女像が設置された経過が歪めて伝えられた。
 番組は、朴大統領に対する抗議行動が高まる「空気」のなかで、釜山の少女像設置されたと伝えた。しかし、実際はその半年前から現地の大学生らが推進委を作り、市民に募金を呼びかけたり、アンケートを取るなどして準備が進められた。事実を歪めた編集をなぜしたのか?

Ⅵ.日韓合意を批判する韓国の政党・政治家を「世論迎合」、「ポピュリズム」と決めつけるのは事実経過に反し、メディアが担う役割から逸脱している。
①②③に細分して質問

Ⅶ.韓国社会で日韓合意に反対の意見が多いのは合意に関する理解が進まないからではなく、日本政府には加害国としての真摯な謝罪と反省がないと見られているからではないか? 番組はそうした韓国の民意と向き合わず、「合意を守らない韓国に非がある」という予断にもとづいて制作された。
 参照資料として次のような国谷裕子さんの指摘を付記。
 「担当ディレクターの書いた番組の構成表の書き出しは、『なかなか理解が進まない安保法制』と言う文章から始まっていた。」「果たしてこの言葉の使い方は正しいのだろうか。」「この言葉は、今は反対が多いが、人々の理解が進めば、いずれ賛成は増える、とのニュアンスをいつの間にか流布させることにもつながりかねないのではないだろうか。そういう言葉を、しっかり検証しないまま使用してよいのだろうか、私にはそう思えた。」
 (国谷裕子『キャスターという仕事』岩波新書、2017年1月、101~102ページ)

Ⅷ.韓国政府に日韓合意に反対する市民団体を説き伏せる体力がなくなっていることを混乱の原因とみなす発言は、政府に対する市民の言論の自由に関する認識を欠くものではないか?
 国連女子差別撤廃委員会が2016年3月7日に公表した、日本軍慰安婦問題に関する最終見解、外国公館の安寧、威厳を守るのに必要な限度を超えた市民の政治的示威行動の規制が違憲とされた2つの判例を示して質問
Ⅸ.番組は、日韓合意の行き詰まりの原因はもっぱら韓国側にあるという見立てで編集され、日本側の問題に全く触れなかった。こうした編集は政治的公平、多角的な論点を明らかにするよう定めた「放送法」第4第第1項の定めに反するのではないか? また、国際問題の報道のあり方を定めた「NHK放送ガイドライン2015」に抵触するのではないか?
①元「慰安婦」に対して謝罪の手紙を出すことを求められたのに対し、「毛頭そのつもりはない」と安倍首相が答えたことに韓国社会から強い反発が出たが、これを「過剰反応」とみなすのか?
②    野談話では歴史教育を通じた反省の引継ぎが謳われたが、その後、中学校の歴史教科書では「慰安婦」問題はほぼゼロになった。こうした問題を棚上げしたままで、「最終的不可逆的解決」といってよいと考えるか?
以上

以下質問書本文)→PDFはこちら
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                         2017年2月24日
NHK日本放送協会会長 上田良一 様
NHK放送総局長    木田幸紀 様
「NHK クローズアップ現代+」制作担当 御中
番組キャスター    鎌倉千秋 様

「クローズアップ現代+」「韓国 過熱する“少女像”問題 初めて語った元慰安婦」(2017年1月24日放送)に関する質問書
                     NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                      共同代表 湯山哲守・醍醐 聰

 本年1 月 24 日に放送された「クローズアップ現代+  韓国 過熱する“少女像”問題 初めて語った元慰安婦」(以下、「本番組」という)の内容、編集方法には、「放送法」、「NHK放送ガイドライン2015」に照らして種々、重要な疑問点がありますので、以下のとおり質問をします。
ご回答は、本年3月10日までに書面で別紙宛てにお願いします。その際は、質問項目ごとに、質問に噛み合う形でご回答をお願いします。なお、以下で引用する韓国紙の論説、記事はすべて日本語版です。 

.元「慰安婦」の声はさまざまと言いながら、なぜ、日本の支援金を受け取った3組の元「慰安婦」とその家族の声だけを伝えたのか?
今回の日韓合意や日本からの10億円の「支援金」に対する韓国の元「慰安婦」の対応はさまざまです。番組でも、「一人一人の元慰安婦の方々にそれぞれの思いがあって、決して十把一からげにできない」(奥園秀樹・静岡県立大学准教授)とか、「当事者の多様な声があって、それを置き去りにしないことが求められている」(鎌倉キャスター)とか語られました。ところが、番組が伝えたのは、日本からの「支援金」を受け取った3人の元「慰安婦」とその家族の声だけでした。
しかし、韓国の元「慰安婦」10人は、今回の合意は日本の法的責任を認めた謝罪ではないとして、昨年1月29日に連名で国連人権機構に対して審査を請願しています(『聯合ニュース』2016年1月28日、14時20分)。また、昨年3月27日には生存する元「慰安婦」29人の遺族と生存者家族など41人が韓国の憲法裁判所に対し、日韓合意は被害者の財産権と人権を侵害するものであるとして違憲の憲法訴願をしています(『聯合ニュース』 2016年3月28日)。
番組の中で、こうした元「慰安婦」やその家族の声をまったく伝えなかったのは、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにするよう求めた「放送法」第4条第1項第4号の規定に反していませんか? 皆様のお考えを説明ください。
なお、近く別の番組の中で、日韓合意に異議を唱える元「慰安婦」とその家族の意見を伝える予定があるのなら、その予定をお聞かせください。

.番組に登場した3人の元「慰安婦」本人の意思は取材を通じて確認されたのか?
 番組では、生存する元「慰安婦」46人のうち34人が日本からの「支援金」を受け取る意向を示しているが、その事実が韓国内で伝えられていないと解説しました。そして、「7割を超える方々が、この合意を受け入れてくださったということは重く受け止めるべきだ」(奥園氏)という発言を放送しました。つまり、本番組は、日本からの支援金を受け取ったこと、すなわち、日韓合意を受け入れたこと、とみなしたのです。しかし、この番組は元「慰安婦」とその家族の次のような会話も放送しました。
元慰安婦の家族:「日本から1億ウォンを受け取ったと話したよね?」
元慰安婦:「誰が1億ウォンをもらったの?」
同上家族:「このように話していても何が何だか分からないのです」
さらに、この元「慰安婦」の家族は取材に対して次のように語りました。
「(母は)日本が謝罪して補償してくれるなら、それ以上は望まないと言っていました。しっかりしている時にもらっていれば、本人も気持ちを伝えることができたはずなのに、今は(お金をもらった意味さえ)分かっていません。」
 このように90歳を過ぎ、認知症が現れ、受け取ったお金の趣旨はもとより、お金を受け取ったという事実さえ、認識できていない元「慰安婦」が日韓合意の内容を理解できたのか大変疑問です。「日本が謝罪して補償してくれるなら」と本人は話していたと家族は語りましたが、この元「慰安婦」は日韓合意に盛られた安倍首相の「お詫び」は自分が求めていた謝罪になっているのかどうかについて自分の判断を伝えられる状態だったのかも疑問です。
 ちなみに、元「慰安婦」のキム・ボクトゥクさん(100歳)は、最近になって、甥が「和解・癒やし財団」から「支援金」を受け取っていた事実を知らされ、「受け取っていたのなら返してほしい」と語っています(『ハンギョレ新聞』2017年1月23日)。

 以上のような事実を知ると、34人が「支援金」を受け取る意向という報道は、はたして元「慰安婦」の確かな意思と受け取ってよいのか、慎重な裏付け調査・取材が必要です。
 具体的に言えば、「和解・癒やし財団」は元「慰安婦」に「支援金」を支給するにあたって、元「慰安婦」本人が日韓合意に同意することを条件にしていたのでしょうか? そうであれば、「支援金」の受け取りを以て日韓合意に同意したと言えますが、はたしてそのような条件が付されていたのでしょうか? 元「慰安婦」はそうした条件を了承して「支援金」を受け取ったと言ってよいのでしょうか?
「NHK放送ガイドライン2015」は、「放送の基本的な姿勢」の項で次のように定めています。
「NHK のニュースや番組は正確でなければならない。正確であるためには事実を正しく把握することが欠かせない。しかし、何が真実であるかを確かめることは容易ではなく、取材や制作のあらゆる段階で真実に迫ろうとする姿勢が求められる。」
  本番組に登場した3人の元「慰安婦」とその家族を取材した時、こうした「NHK放送ガイドライン2015」の定めは忠実に貫かれたのでしょうか? 元「慰安婦」の家族の説明が元「慰安婦」本人の意思をどこまで代弁できているのかを慎重に見極められたのでしょうか? ご説明ください。
 なお、昨年12月21日に韓国の『聯合ニュース』の記者有志は会社に対し、公正な報道や人事を求める声明を出しました。その中に、「慰安婦問題の日韓合意に好意的な被害者(元慰安婦)が圧倒的に多いという政府の主張を実証する記事を書くよう求める指示もあった」(『朝日新聞DIGITAL』2017年1月3日、00時54分)と記されていることを付け加えておきます。

.「当事者の思いと異なる形で少女像が設置された」という解説はどのような事実に裏付けられたものか?
①番組では、「当事者の声を置き去りにした」というナレーションや発言が幾度か流されました。たとえば、鎌倉キャスターは「まさに、当事者の思いとは異なる形で少女像が設置されている」と発言されましたが、「当事者の思い」とは「誰の」「どういう思い」を指しているのでしょうか?
②「当事者」とは元「慰安婦」のことだとしたら、「当事者の思いとは異なる形で少女像が設置されている」という鎌倉キャスターの解説を裏付けるのは、番組に登場した1人の元「慰安婦」の家族が語った、「(お金を)受け取ったのだから(少女像は)撤去しなければならないと思います」という言葉だけです。しかし、この元「慰安婦」は寝たきりの90代の女性です。家族のこうした発言は、はたして元「慰安婦」本人の気持ちを代弁したものと言えるのでしょうか?
③また、取材を通じて、少女像は撤去すべきだと語った元「慰安婦」は他に何人もいたのでしょうか? 「当事者の思い」と一括できるほど、多くの元「慰安婦」が「少女像は撤去すべきだ」と語ったのでしょうか? 取材で得られた事実に基づいてご説明ください。
④当会が確かめたところでは、たとえば、元「慰安婦」と名乗り出ている金福童(キム・ボクドン)さんは2015年4月24日、東京有楽町の外国特派員協会で会見し、日本政府による公的な謝罪と賠償を求めるとともに、少女像は「過去に何が起こったかを表す一つの方法」、「自らの体験を伝える助けになる」と語り、像の設置を歓迎する意思を表明しています。(このニュースのソースは、http://www.j-cast.com/2015/04/24233948.html?p=all

 また、日韓合意発表後の2016年1月26日、来日した元「慰安婦」の李玉善(イオクソン)さんと姜日出(カンイルチュル)さんは「私たちを無視した日韓合意は受け入れられない。」「私たちがこうやって生きているのに<少女像>を撤去するなんて・・・私たちを殺すことと同じです」と語っています(岡本有佳・金 富子責任編集『<平和の少女像>はなぜ座り続けるのか』増補改訂版、2016年、世織書房、77ページ)。
 番組制作にあたって、こうした元「慰安婦」の<少女像>に対する思いは取材されたのでしょうか? 番組では、「少女像は撤去すべき」という1人の元慰安婦の家族の声を伝えましたが、少女像は自分たちの苦難の歴史の証しとして設置を歓迎する元「慰安婦」の声が全く伝えられなかったのはなぜなのか、ご説明ください。
⑤元「慰安婦」あるいはその家族の「思い」は重要ですが、韓国の各地に設置された「少女像」はその地の多くの若者、市民の募金で、痛ましい過去を記憶し、同じ過ちを繰り返さないという思いを込めた「平和の碑」として建てられたものです。
 たとえば、釜山の日本総領事館そばに少女像が設置されるにあたっては、「未来世代が建てる少女像推進委員会」が1年間にわたって呼びかけた製作支援の募金に市民から8,500ウオン(約823万円)が寄せられています。そして番組にも登場したマ・ヒジン推進委代表(釜山大学航空宇宙工学科3年生)は、「釜山の少女像は国民が建てた少女像という意味で『国民少女像』というニックネームもついた。誤った歴史を立ち直らせるまで、若者や青少年は国民と一緒に行動して闘う」と語っています(『ハンギョレ新聞』2017年1月9日)。

 「少女像」が設置されたこのような背景、経過を知れば、少女像をめぐる「当事者」とは元「慰安婦」にとどまらず、少女像の設置を企画した人々、設置に協力した人々だと考えてもおかしくありません。
とすれば、日本政府が執拗に像の撤去を要請していることをこれらの人々がどう受け止めているかが問題ですが、昨年8月末に行われた世論調査では、ソウルの日本大使館前にある少女像について、76%が「日本政府が合意を履行したかどうかにかかわりなく、移転に反対」と答えています(『ソウル時事』2016年9月2日、14時45分)。
また、この2月14~16日に韓国ギャラップが全国の成人1003人を対象に行った世論調査によると、釜山の少女像について、78%が「そのまま置いておくべきだ」と回答し、「撤去または移転すべきだ」と答えたのは16%にとどまっています(「ソウル聯合ニュース」2017年2月17日、12時11分)。
 こうした事実に照らせば、「まさに、当事者の思いとは異なる形で少女像が設置されている」という鎌倉キャスターの解説は根拠不詳の発言、あるいは事実と食い違った発言だといえます。この点を皆様はどうお考えか、ご説明ください。

.多様な論説を掲げた韓国メディアの中で、韓国に非があるとする1紙の論説だけを伝えたのはなぜか?
番組では、「過熱する」世論に対して「冷静さを呼びかける論調も広がっている」として、『韓国経済新聞』主筆のチョン・ギュジュ氏へのインタビューの模様が放送され、「韓国だけが、日本との関係において、過去から一歩も抜け出せないでいる」という同紙の論説が字幕に映されました。
しかし、韓国には12 の全国紙、9つの経済紙があり、日韓合意に関する評価は一様ではありません。
たとえば、全国紙の1つ『東亜日報』は合意を拒否する被害者や団体の意見も、悩んだ末に異なる対応をした被害者らの選択も、どちらも尊重されるべきだとするコラム記事を掲載しています(2017年1月19日)。その上で、この記事は「日本政府が10億円と少女像撤去を結びつけるという本末転倒な主張をするならば、日本政府を批判すべきであり、韓国政府を追及する話ではない」と述べています。
また、『中央日報』は、過去の清算も重要だが外交関係で究極的な最高ラインは国益だ、そのためには韓日関係も未来志向的に導くのが望ましい(2017年1月7日、社説)と主張する一方、「日本の主張のように10億円を出したことで合意を忠実に履行したと見ることはできないというのが専門家らの指摘だ。被害者に日本側の謝罪メッセージを伝える案について安倍首相が『毛頭考えていない』(10月)と述べたのが代表的な例だ」と指摘しています(2017年1月10日、掲載記事)。
 さらに、『朝鮮日報』は「日本が外交問題と歴史問題を分離する原則を捨て、感情的な対応を始めれば、両国の対立はブレーキがかからなくなり誰も望まない方向に進むだろう。そのため全ての関係国が今こそ冷静さを取り戻さなければならない」(2017年1月10日、社説)と述べています。

 また、『ソウル聯合ニュース』は2017年1月9日に配信した時論の中で、その前日に安倍首相が「日本は10億円をすでに拠出した、韓国にしっかり誠意を示してもらわなければならない」と語ったことに対し、「日本政府が韓国に無礼かつ身勝手な圧力をかけている」と非難しています。そして結びでは、「安倍氏がハワイを訪ね平和のパフォーマンスをする間、日本では閣僚や議員が靖国神社を参拝した。それでいて1枚の合意文書といくらかの金で慰安婦問題を永久に振り払うことができると信じるならば、大きな勘違い、誤算だろう」と痛烈に日本政府を批判しています。
 さらに、『ハンギョレ新聞』のように日韓合意そのものを根本から批判する韓国紙もあります。同紙は2015年12月30日の社説で、日韓合意には、「慰安婦」問題の解決のためには欠かせない、徹底した真相究明、責任者に対する審判、事実に基づく明確な謝罪、被害者に対する賠償、関係資料の公開、教科書記述などを通じた再発防止策などが合意には一切、含まれていないと指摘し、ドイツのホロコーストに対する記憶と反省を例に挙げながら、「重要な歴史的犯罪に終止符などありえない」と断じています。
 このように韓国紙の中で、日韓合意の行き詰まりの原因はもっぱら韓国政府や韓国の市民社会の過熱した運動にあるとみなすのは極めてまれです。そうしたごく一部の経済紙の主筆だけを登場させ、「日韓合意の履行が行き詰っている原因は過熱した韓国社会の極端な主張にある」という論調が韓国のメディアの中で広がっているかのように伝えるのは、著しく事実を歪めると同時に、意見が分かれる問題については多角的に論点を伝えるという「放送法」第4条の規定からも逸脱しています。各位はこの点をどのようにお考えか、ご説明ください。

.釜山に少女像が設置された経過が歪めて伝えられた。
 番組では、釜山に少女像が設置された経過について、「政権のスキャンダルが次々と明らかになる中、国民の怒りが噴出。大統領を職務停止に追い込み、これまでの政策すべてを否定する勢いです。」「こうした政治的な空気の中で、プサンの日本総領事館前に少女像は設置されました」というナレーションを流しました。
 このような解説は、釜山に少女像が設置されたのは2016年秋から起こった朴大統領に対する韓国市民の抗議行動の空気の中からだという印象を視聴者に抱かせます。しかし、事実経過は全く異なります。
 釜山では日韓合意(2015年12月28日)直後の2016年1月6日から日韓合意に反対する大学生や高校生ら若い世代を中心に、「人間少女像ひとりデモ」がはじまり、3月には「未来世代が建てる少女像推進委員会」が発足しました。同委員会は直ちに釜山の大学や市民に呼びかけて少女像建設のための募金活動を続ける一方、6月9日から8月23日まで釜山市民を対象にオンライン・アンケート調査を行っています。同月25日に推進委員会が発表した調査結果によると回答した1,168人の市民のうち、92.1%が東(トン)区草梁(チョリャン)洞の日本総領事館前に「平和の少女像」を設置することに賛成したとのことです。このアンケート結果を踏まえて推進委員会は日本総領事館前周辺の道路を管轄する東区と設置の許可を求める協議を進めたのです(以上、『ハンギョレ新聞』2016年8月25日参照)。
 つまり、釜山に少女像を設置する準備は、2016年秋の朴大統領弾劾要求へと続く市民の抗議行動が起こる半年以上前から取り組まれたことは動かせない事実です。
 そうした釜山の若者や市民の運動を、朴大統領に対する抗議行動の「空気」の中から生まれたと解説するのは事実経過を歪めるものです。これについて皆様はどう受け止められるか、ご説明ください。

.日韓合意を批判する韓国の政党・政治家を「世論迎合」、「ポピュリズム」と決めつけるのは事実経過に反し、メディアが担う役割から逸脱している。
 番組では、「大統領選挙を視野に入れる野党各党は、世論に迎合する動きを強めています」というナレーションを流しました。
また、「与党も野党も今年(2017年)前半にはパク大統領の弾劾が確定して、選挙が前倒しされる可能性があるという読みのもと、日本との関係改善よりも大衆の支持獲得に必死です。その結果、各党・各候補とも慰安婦問題で日本をたたく、ポピュリズムに走ってしまっています。この流れを変えるには、まず、韓国の政治家たちがこうした外交問題を選挙に利用するのを自制することが不可欠だと思います」という池端修平・NHKソウル支局長の現地報告を伝えました。
さらに、「この慰安婦問題というのが、大統領選挙を念頭に置いた時に非常に有効で手っ取り早い、格好の材料と化してしまっているということが残念ながら言えるんだろうと思います」という奥園秀樹氏のスタジオ発言も流しました。
 しかし、韓国の政党、特に日韓合意に批判的な野党の姿勢を「世論に迎合」、「ポピュリズム」と決めつけるのは事実経過に反する粗雑な発言です。
 日韓合意に関する評価については韓国野党内でも当初から意見がまとまっていたわけではありませんが、朴大統領の弾劾訴追が国会で可決され、次期大統領選挙が前倒しで実施される公算が出てきたのを受け、世論の動向に阿る形で、日韓合意反対、再交渉を唱え出したわけではありません。
 韓国の最大野党「共に民主党」の文在演(ムン・ジェイン)代表は日韓合意が発表されてから20日後の2016年1月19日に、「慰安婦」被害者と国会の同意なしにかわされた日韓合意は「史上最悪の外交惨事」と批判しています(『朝鮮日報』2016年1月20日)。また、同じ日に、同党の都鐘煥(ト・ジョンファン)報道担当は、安倍首相が慰安婦集めにあたって「強制性」はなかったと改めて発言したのを指して、「韓日慰安婦合意が無効であることを宣言したのと同じだ」と強く批判しています(前掲、『朝鮮日報』記事)。

 そこで、以下➀~③について質問します。
①「世論に迎合」とは自らの政治的信条を曲げて民意に阿ること、「ポピュリズム」とは聞こえの良い言動で世論を扇動することだとしたら、日韓合意に関する韓国野党の政治姿勢にそうしたフレーズをあてがうのは上記の事実経過を曲げた評価だと考えますが、いかがですか?
②そもそも、政党が民意をくみ取り、民意を自らの政治活動に反映させるのは、民主主義にかなう政治姿勢であり、非難されるいわれはないはずですが、皆様はそうは考えないのですか?
③今回の日韓合意をめぐる韓国の個々の政党、政治家の言動が一貫性を欠き、世論迎合、ポピュリズムと非難すべきものかどうかを決めるのは韓国の有権者であって、日本のメディアではないと考えますが、いかがですか?

. 韓国社会で日韓合意に反対の意見が多いのは合意に関する理解が進まないからではなく、日本政府には加害国としての真摯な謝罪と反省がないと見られているからではないか? 番組はそうした韓国の民意と向き合わず、「合意を守らない韓国に非がある」という予断にもとづいて制作された。
番組の中で奥園氏は、「決して多数ではない反対の声だけがクローズアップされていくと。その結果、その当事者を無視した合意であるというイメージが出来上がって、それが一人歩きをしてしまうと。合意そのものに対する理解も一向に深まらずに、日本国内にもそれが伝えられて、日本でも韓国に対する反発だけが高まっていくという悪循環に陥っているような気がします」と発言しました。
1つ目の下線部分は根拠が不確かな発言です。これについては、前記の質問Ⅰ、Ⅱと重なりますので、ここでは立ち入りません。
2つ目の下線部分は的外れな解釈ではありませんか? 過半の韓国市民が日韓合意に反対し、合意の破棄を求めているのは、合意の内容を理解しないからではなく(理解が進めば日韓合意に賛成する市民が増えるというものではなく)、日本政府が、性格のあいまいな10億円の資金拠出で「慰安婦問題」を幕引きしようとしていることを強く批判し、加害国の日本が10億円の見返りかのように少女像の撤去を迫ることに憤りを感じているからです。こうした憤りは、日韓合意を理解しないからではなく、合意が玉虫色にした点(10億円は法的賠償金なのか、少女像の撤去なり移転なりとリンクした条件付のものなのか)を十分、理解したうえで、「最終的・不可逆的な解決」というフレーズで日本政府が戦争責任を記憶し、未来の世代に引き継ぐ責務を免れようとしていると捉えたからです。
この点で奥園氏の前記の発言は韓国の民意を、恣意的にかどうかは別として、取り違えていると言って差し支えないと思いますが、皆様はどう考えられるか、お聞かせください。
なお、「クローズアップ現代」の前キャスターの国谷裕子さんは自著の中で次のように述べています。
「担当ディレクターの書いた番組の構成表の書き出しは、『なかなか理解が進まない安保法制』と言う文章から始まっていた。」「果たしてこの言葉の使い方は正しいのだろうか。」「この言葉は、今は反対が多いが、人々の理解が進めば、いずれ賛成は増える、とのニュアンスをいつの間にか流布させることにもつながりかねないのではないだろうか。そういう言葉を、しっかり検証しないまま使用してよいのだろうか、私にはそう思えた。」
(国谷裕子『キャスターという仕事』岩波新書、2017年1月、101~102ページ)
「なかなか理解が進まない」という言葉に対する国谷さんの警鐘は奥園氏の上記の発言にもそのまま当てはまると思えますが、皆様はどのように受け止められるか、お聞かせください。

.韓国政府に日韓合意に反対する市民団体を説き伏せる体力がなくなっていることを混乱の原因とみなす発言は、政府に対する市民の言論の自由に関する認識を欠くものではないか?
 番組では日韓両国政府がギリギリのところで歩み寄って合意にこぎつけたにもかかわらず、韓国社会では合意に反対したり、再交渉や合意の破棄を求めたりする意見が広がっていることを懸念する発言やナレーションがしばしば挿入されました。そして、池端修平・NHKソウル支局長は、「パク大統領は、少女像を含む、慰安婦問題の任期中の解決を外交上の大きな実績としたい考えでした。一連の事件で足元をすくわれ、強硬な市民団体を説き伏せるだけの、いわば政治的な体力というものがないのが実情です」と現地の状況をレポートしました(下線は追加)。
 しかし、今回の日韓合意は両国の外相が会談を踏まえて、共同記者会見を行い、その場でそれぞれの立場を短い文書で発表したものです。合意は条約でもなければ、両国首脳の署名もなく、両国の国会での承認を経たものでもありません。韓国では元「慰安婦」への事前の説明も了解も経ていないことが問題とされているのは周知のとおりです。
 それでも公的な共同会見の場で発表された文書ですから、両国政府にはこれを尊重する責務があると言えますが、両国国民にはそうした政府間の合意についてさまざまに政治的意見を表明する自由があることは近代民主主義のイロハです。このような前提に立って、以下、お尋ねします。

①韓国政府が日韓合意に反対する自国民を「説き伏せる」ことができないのは、朴大統領に「政治的な体力」がないからだと断定できるのでしょうか? 日韓合意自体が民意にそぐわないため、国民を説得できないという別の見方を検討しなくてよかったのでしょうか? ちなみに、『ソウル聯合ニュース』はこの1月19日、17時31分に「日本が反発しても少女像設置は続く 強引な合意の産物」というニュースを配信しています。
また、国連女子差別撤廃委員会は2016年3月7日(現地時間)に日本軍慰安婦問題に関する最終見解を発表しました。その中で、「慰安婦問題を最終的かつ不可逆的に解決したというアプローチには、被害者中心のアプローチが十分に反映されていない」と指摘し、日韓合意そのものに欠陥があるという見解を示しています。「最終見解」の英文全文は次のとおりです。
Committee on the Elimination of Discrimination against Women, 7 March 2016
  “Concluding observations on the combined seventh and eighth periodic reports of Japan*
 これらの資料もご参照の上、上記の質問にお答えください。

②中華民国大使館前を通る集団的示威行動の許可申請を受けた東京都公安委員会が進路変更を許可条件としたのを不服とし、指示の執行停止が申し立てられた事件について、東京地裁民事第2部は1967年11月23日に申し立てを認める判決を言い渡しています。
その理由として東京地裁は、憲法が保障する集団的示威運動による表現の自由は、外国人であっても日本国にあって、その主権に服している者には保障される、被申立人(東京都公安員会)は、ウィーン条約22条2項を挙げて、外交使節団が存在する地点を進路に含む本件集団的示威行動は公館の安寧の妨害、威厳の侵害に当たるとするが、許可申請された集団的示威行動は一部過激なスローガンを記載したプラカードがあったとしても整然とした秩序を保つものとな
っており、「公館に安寧、威厳の侵害」を生じるものとは認められない、と述べています。
(判決全文は、第一法規法情報総合データベース、判例ID27603116)
また、米国内の外国大使館周辺で当該外国政府の評判を貶めるような掲示を出すことを禁止する法律の合憲性が争われた事件(Boss v. Barry 事件(1988))で連邦最高裁(485 US 312, 324-29(1988)はこの法律を違憲と判示しました。その理由として最高裁は、当該法律はパブリック・フォーラムでの政治的言論に対する内容規制に当たると認定したうえで、そうした法律はウィーン条約22条2項が定めた外国公館、外交官の尊厳を守るべき必要性の限度を超えて、個人の政治的言論の内容を規制するものだと述べています。
以上のような判例を踏まえると、池端氏の前記の発言はパブリック・フォーラムでの市民の政治的言論の自由に関する認識を欠くものと思われますが、いかがですか? 

.番組は、日韓合意の行き詰まりの原因はもっぱら韓国側にあるという見立てで編集され、日本側の問題に全く触れなかった。こうした編集は政治的公平、多角的な論点を明らかにするよう定めた「放送法」第4第第1項の定めに反するのではないか? 
また、国際問題の報道のあり方を定めた「NHK放送ガイドライン2015」に抵触するのではないか?
 以上で記した質問事項とその説明文を総合すると、本番組は、日韓合意が行き詰まっている原因は、合意の破棄を唱える韓国社会の「過熱」し、「先鋭化」した主張にあるという見立てで編集されたことは明らかです。それは、番組のタイトルが「韓国 過熱する“少女像”問題・・・」と付けられたことにも表れています。また、番組の導入部分では、映像を映し出しながら、
 「自分たちの思いを韓国社会はわかっていないのではないか。今回、取材に応じた元慰安婦の女性。これまで固く口を閉ざしてきましたが、はじめて胸のうちを明かしました。」
というナレーションが流され、それに続けて、
 a. 「私たちの苦労を韓国の国民は分かっていないのに、あのようなこと(騒ぎ)を起こしている。本当に心が痛みます。」
という一人の元「慰安婦」の声を流しました。さらに、続けて、「LOVE  JAPAN」というプラカードを持った人物が釜山の少女像のそばに登場した映像を映し、
  b. 「(日韓で)もう憎しみ合うのは止めましょう」
と語って、「少女像」を守る大学生らに抗議する場面を大写ししました(下線は追加)。こうした冒頭のシーン設定は、前記のような本番組の編集姿勢を如実に物語っています。
しかし、日韓合意が行き詰まっている原因は、合意の破棄を唱える韓国社会の「過熱し」「先鋭化した」主張にあるという見立ては、日本サイドの見立てであり、韓国社会や国際社会で共有されているわけではありません。
韓国の世論やメディアの間では違った見方がされていることは、質問書のⅢ、Ⅳの説明文で記したとおりです。そのほか、韓国の丁世均(チョン・セギュン)国会議長も、今年の1月16日、フィジーで開催されたアジア太平洋議員フォーラムで中曽根弘文参議院議員らと会談した際、「多くの韓国人は安倍晋三首相の慰安婦関連の発言や立場について、大変残念に思っているのが事実」と指摘、「それが恐らく状況を悪化させている要因ではないか」と述べています(『聯合ニュース』2017年1月16日、11時30分)。
また、国連女子差別撤廃委員会も日韓合意後にまとめた「慰安婦問題」に関する前記の最終見解の中で、日本の指導者や当局者が「慰安婦」問題に対する責任を軽く見るような発言を行い、被害者に再び心理的な苦痛を与えている、と指摘しています。
このような各界の意見の状況を踏まえて以下、質問をします。

①韓国内では、同国の「和解・癒やし財団」が安倍首相に、元「慰安婦」宛に直接、謝罪の手紙を出すよう求めたのに対して、安倍首相は2016年10月3日の衆院予算委員会で、「毛頭そのつもりはない」と答弁しました。このような答弁に対して、韓国内では政治的立場の違いを問わず、強い批判、反発が起こっています。
また、今年1月8日に放送されたNHK「日曜討論」の収録インタビューで安倍首相は、「日本政府はすでに韓国側が設立した元慰安婦支援の財団に10億円を拠出した、次は韓国にしっかり誠意を示していただかなければならない」と発言し、ソウルの日本大使館、釜山の日本総領事館のそばに設置された少女像の撤去を求めたのに対しても、韓国内では強い批判、反発が起こりました。
皆様は、安倍首相のこうした発言に対して韓国で起こった批判、反発を「過剰反応」、「過熱した反発」と理解されているのでしょうか? それとも、安倍首相のこうした発言は自らの謝罪に誠意が欠ける証しと受け止められても致し方ないとお考えでしょうか? 
②河野談話(1993年)では、「われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する」と謳われました。しかし、日本の中学校の歴史教科書では2011年の検定で「慰安婦」関連記述がすべて消え、2015年の検定で「強制連行を直接示す資料は発見されなかった」という日本政府の見解を併記することを条件に、かろうじて1社の教科書に「慰安婦」関連の記述が復活しました。
日韓合意が、こうした日本における歴史教育の現実を不問にしたまま、「慰安婦」問題を「最終的・不可逆的に解決する」と謳ったことに韓国社会では批判が起こっています。
皆様は、こうした韓国社会から日本に向けられた批判も「過熱した」主張と受け止められるのでしょうか? 
③番組は、日韓合意の行き詰まりの原因はもっぱら韓国側にあるという見立てで編集され、韓国社会から日本政府に向けられた批判は、「過熱」「強硬」「先鋭化」というフレーズで印象付けされ、批判の内容を掘り下げた紹介はまったくありませんでした。こうした編集は政治的公平、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにするよう定めた「放送法」第4第1項第2号、同第4号の定めに反すると考えます。皆様はどうお考えか、お聞かせください。
④「NHK放送ガイドライン2015」は、国際・海外取材にあたっての基本姿勢として、「各国の利害が対立する問題については、一方に偏ることなく、関係国の主張や国情、背景などを公平かつ客観的に伝える」と定めています。
上記のような本番組全体を貫く編集のあり様は、この規定から大きく逸脱していると考えます。皆様の見解をお示しください。
以上

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2017年2月14日 (火)

籾井会長退陣と当会の活動を振り返って

籾井会長退陣と視聴者コミュニティの活動
                        2017年2月14日
              NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ・運営委員会
 昨年12月6日、NHK経営委員会は、17年1月24日で任期が切れる籾井勝人氏の会長再任を行わず、(常勤)経営委員で、監査委員の元三菱商事副社長・上田良一氏を新会長に選出しました。この3年間は前代未聞の政権追随的かつ粗暴な会長とそれを許す経営委員会との闘いの日々でした。

1. 籾井会長の3年

 3年前の14年1月25日、とんでもない人物をNHKが会長に迎えてしまったことが早くも就任記者会見で露呈しました。いわく、「私の任務はボルトやナットを締め直すこと」、「領土問題については、明確に日本の立場を主張するのは当然のこと。政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない。」、「靖国神社の参拝と合祀については、総理が信念でいかれたということで、それはそれでよろしい。いいの悪いのという立場にない」、「慰安婦を巡る問題については、どこの国にもあったこと。ヨーロッパはどこでもあった。従軍慰安婦はそのときの現実としてあったこと。韓国は日本だけが強制連行をしたみたいなことを言うからややこしい」、「秘密法については。世間が心配していることが政府の目的であれば大変だが、そういうことはないだろう。秘密法は政府が必要と説明しているので、様子を見るしかない」などなど。およそ日本の有力なジャーナリズム、それも「公共放送」のトップにふさわしくない数々の放送法違反の暴言を吐いたのです。このような暴君にこのままNHKの運営を託すわけにはいかない、と全国からNHKに多数の抗議が寄せられ、新会長の即時辞任の要求の声が澎湃として上がりました。当会も2014年5月1日から半年間の籾井会長の辞任を求めて「受信料凍結運動」を呼びかけ世論を喚起しました(「受信料凍結運動とその解除」については16年12月26日付運営委員会声明「籾井会長退任後の当会の運動の進め方」を参照下さい)。

 「暴君」への懸念は直ちに現実のものとなりました。籾井氏は、就任するや10人の理事全員に「日付なし」の辞表を提出させました。その後は自分の気に染まない理事に「辞任要求」を迫り拒否されるという「事件」を繰り返しました。それは国会でも批判され、ようやく3ヶ月後に「返却」されました。
 籾井氏はその後も、国会で幾度にもわたって参考人として呼ばれ、そのたびに問題発言を繰り返しました。それによって、NHK予算は3年続けて「全会一致の承認」がなされず、参議院総務委員会では、そのたびに会長選出の方法の改善や透明性確保などをNHKに要求した「附帯決議」がされてきました。経営委員会も3回にわたり籾井会長の言動に「注意」を与えました。
 モラル的にも、15年1月に、NHKにチャーターさせたハイヤーを使用してゴルフ場を往復した「事件」は特筆すべきものです。経営委員会・監査委員会からの「注意」を受けて約5万円のハイヤー代を2ヶ月後にNHKに「返還」したと報じられました。私たちは上記「暴言」と合わせてこの問題でも「会長辞任」・「会長解任」の要求を行いました。しかし籾井会長と経営委員会は、ことごとく私たちの要求を退け、籾井氏は会長職への居座りを続け、「任期満了」を迎えました。

2. 籾井会長の再任を許さず、その選任に推薦・公募制の採用を求める全国的運動の展開

 籾井会長が居座る中、会長任期残り1年を切った昨年3月、当会が呼びかけて全国の「NHK問題」に取り組む諸団体による「NHK会長・経営委員選出に視聴者の声を!」の相談会が大阪でもたれ、それを受けて4月東京で2回目が開かれました。大阪では11団体23人、東京では13団体20人の参加でした。そこでの議論の結果、
①経営委員会の理解・ 認識を広げよう、
②会長選出の公開性を実現しよう、
③籾井会長再選は最低限許さない意思統一を、
④会長選出に関する申し入れを経営委員会に行う(文案は放送を語る会)、
⑤経営委員の選出に関する申し入れも行う(文案は視聴者コミュニティ)
⑥全国に「会長を推薦する運動」を呼びかけることについて「NHK問題全国連絡ML(メーリングリスト)」参加団体の意見を聞く、などが確認されました。

 ④に関しては5月に経営委員会あてに27団体の連名で「次期会長の選任にあたって、真に公共放送にふさわしい会長が選ばれるよう、選考過程の抜本的改革を求めます」との要望書を提出し、6月末に経営委員長が新しく石原進氏に交代したためあらためて再度同文の要望書を提出しました。経営委員会が7月26日に「指名部会」を発足させ、月1回のペースで「会長選任」活動を始めたのに対応して、上記申し入れの趣旨を広く視聴者・市民に広げるべく、(⑥に関して)8月11日を期して「次期会長の選考にあたり、籾井現会長の再任に絶対反対し、推薦・公募制の採用を求めます」の署名運動を全国に呼びかけました。合わせて「ネット署名」の窓口も設けました。そして同時に、日弁連や日本ペンクラブなどの職能団体、学術会議やジャーナリズムなどの学術組織など、ジャーナリズムに対して真摯に向き合う候補を推薦してもらえると期待される有力全国組織に向けて、経営委員会に対して「公共放送のトップにふさわしい会長が選任されるよう、皆様方に会長候補を推薦」していただくよう要請する訴えを発信しました。
⑤に関しては、10月5日付で衆参両院の各総務委員会・委員全員にあてて要望書「12月に任期満了を迎えるNHK経営委員(3人)の後任委員選任に際しての要望―石原進・長谷川三千子両委員の再任には絶対反対―」を送付しましたが、結果的には2人とも再任されてしまいました。

 経営委員会「指名部会」は、私たちの要望である「推薦・公募制」の導入を無視し、討論さえしませんでしたが、籾井会長の再任については私たちの運動が実り、「拒否」が実現しました。
 任期の最終盤、籾井氏は「会長再任」を果たすべく、「視聴者への受信料1ヶ月あたり50円の還元」の人気取り・アドバルーンを上げたり、「解散」をすでに決めていた人気グループ・スマップの紅白歌合戦での「最終公演」を実現するよう現場に命じたりと最後まで醜い画策をしました。しかし経営委員会は11月22日の委員会で「『50円の還元』は時期尚早」としてその提案を否決し、12月6日の(経営委員会)指名部会では会長候補に残す要件とされていた「過半数(7人)の賛成」が得られず早々と「選外」となりました。そして唯一「候補として残った」上田良一氏について「全員一致」で会長として選任しました。結局のところ、私たちの要求していた、「籾井会長の罷免」は最後の瞬間に辛うじて「不信任」の形で実現することとなったわけです。それにしても放送法「第55条・非行があると認めるときは、これを罷免することができる」を発動せず、自ら規定する「会長などの服務準則」の「第2条・放送が公正,不偏不党な立場に立って」や「第5条・会長,副会長および理事は,日本放送協会の名誉や信用を損なうような行為をしてはならない。」を無視して、視聴者の「籾井会長の罷免」要求に背を向け続けてきた経営委員会の「無責任な3年間」は弾劾されなければなりません。そしてあらためて今後の「会長選考」において、私たちは、「財界」からトップを迎える従来のやり方を止めさせ、私たちが署名運動で要求したように、「視聴者の意思を反映させる、透明な手続きの下で、ジャーナリズム精神を備え、政治権力に毅然と対峙できる人物が選任される」気運を盛り上げていく必要を感じました。

 「籾井会長の罷免」を早期に実現できなかったとはいえ、各地の市民団体が3年近くにわたって続けた罷免要求の署名運動が8万筆を超えたこと、さらに、籾井氏の任期切れ半年前から、21の市民団体が共同で取り組んだ「籾井氏不再任、推薦・公募制採用」の要求署名が約4ヶ月の短期に約35,000筆集められ、NHKに4次にわたって届けられたことは籾井会長の退陣を促す大きな力となったことは明らかです。NHKに届ける最後の集約となった11月22日の第4次分
までで、
合計 34,725
筆、ネット上に寄せられたメッセージ総数は2,923件でした。その後遅れて届いた分も含めると1月末現在で合計 35,939筆
(内ネット署名4,960筆)でした。この間、NHKの「安倍チャンネル」化を許さず、籾井会長の退陣を求めて全国から多くの視聴者がNHK前に集結し、15年8月と11月の2度にわたって、文字通り「NHK包囲」行動が敢行されましたが、斬新な試みとして大きな効果があったと思います。また、10月31日著名な放送関係者、ジャーナリズム論研究者、作家ら17人の方々が呼びかけ、87人の方が賛同された経営委員会に対する訴え「次期NHK会長選考にあたり籾井現会長の再任に反対し、独立した公共放送にふさわしい会長の選任を求めるとともに、透明な選考過程の下で推薦・公募制を採用するよう要請します」を発表されたことも時宜に適って、「籾井再任」に対する大きなブレーキになりました。

3. 上田良一新会長の評価と今後の運動

 上田新体制のNHKに対する当会の基本的立場
は、12月26日付で運営委員会が発表した「籾井会長退任後の当会の運動の進め方」で述べられています。その中から以下引用させていただきます。
 次期会長に上田良一氏が選任されたことについて、「4代続けて財界出身の会長」、「経営委員から会長を選ぶのは異常」といった指摘があります。確かに、財界人の出身母体に由来する利害と公共放送のトップに求められる使命には無視できない利益相反があります。これまで経営委員として同僚だった上田氏と経営委員会が緊張関係を保ちながら各々の職務に専念するかどうかも注視しなければなりません。他方、上田氏は今年の5月に函館市で開かれた視聴者と語る会で、

「受信料は、契約を締結する義務は法律で定められていますが、支払い義務は負っていません。支払いを義務化するということは、『支払いの義務を負わせて、支払わない人に対して罰則を設ける』ということであり、国の力で受信料を徴収するということになりますので、国の影響が及んでくるという懸念があります。」
「放送、ジャーナリズムが国家権力に追随するような形というのは、必ずしも望ましい形ではありません。」

と発言したことは注目に値します(NHKホームページ・「『視聴者のみなさまと語る会』in函館」より)。当会は、上田次期会長が今後、こうしたジャーナリズム精神を貫いて職務にまい進するのかどうか、注意深く見守り、是々非々の立場で新執行部と向き合っていきます。



 その際、重要なのは会長が交代したことによって、NHKの「政府広報」体質が改まるのかどうかです。当会は従来から、NHKの政府広報化、国策放送化は会長の資質に還元して済む問題ではなく、NHK政治部による報道番組のコントロール、番組制作現場の職員のジャーナリズム精神の劣化といった要因によるところが大きいと考えてきました。「会長が籾井氏だから、どうにもならない」といった言い訳が通らなくなったこれからが、NHK職員の矜持と力量が問われるときだと言っても過言ではありません。

目下、日本では数の力に頼んだ愚劣な政治が横行し、憲法「改正」、海外での武力行使、沖縄での米軍の基地機能の拡大強化、本土へのオスプレイ配備、原発再稼働、世代を超えた貧困の深刻化など、悪政の犠牲が広がっています。このような悪政を国民の意思で一掃するには、多くの国民が「事実を知ること」、「参政にあたって十分な判断材料を持つこと」が不可欠であり、そのためにメディア、とりわけNHKが担うべき役割は非常に大きいものがあります。
当会は今後も、予断をまじえず、NHKの番組をウオッチし、良質の報道・ドキュメンタリィ番組、豊かな文化と教養を育む番組には激励を送り、国策を援護したり、視聴者の知る権利に背いたりするような番組には厳しく批判を続けていきます。また、NHKの番組に対し、政治権力の介入や圧力があった場合は報道の自由を守るために毅然と抗議していきます。当会はNHKの報道の自由を守り、NHKのガバナンス改革を進めていくうえで経営委員会が果たす役割が大きいことを踏まえ、経営委員の選考過程の透明化、選任基準の明確化を求めると同時に、他の市民団体と共同して公募・推薦制を含む経営委員の選考制度の抜本改革を目指す運動に取り組んでいきます。同時に、さしあたっては、経営委員会の会議の公開(傍聴)、「視聴者と語る会」の充実(回数を増やすこと、語る会の模様をNHKの番組として放送することなど)を要望していきます。

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2016年12月26日 (月)

「籾井会長退任後の当会の運動の進め方」について

                                                                    2016年12月26日
籾井会長退任後の当会の運動の進め方
                                     NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ運営委員会

籾井氏不再任に伴う受信料凍結運動の解除

 NHK経営委員会は12月6日の会合で籾井現会長を再任せず、現経営委員で監査委員を兼務した上田良一氏を新しい会長に選出した。NHKの政治権力からの自立と独自の取材にもとづく調査報道の意義をまったく理解しない妄言を繰り返してきた籾井氏の資質に照らせば当然の判断である。というより、資質の点でも品性の点でも、公共放送のトップと真逆の籾井氏を名ばかりの注意で放免し、任期を全うさせた経営委員会の無責任が厳しく問われなければならない。

 籾井氏を退任させたのは、多くの視聴者が粘り強くかつ継続的に籾井氏の言動に厳しい批判を向け、籾井氏が「非行・悪行」を行う度に即刻の罷免を要求して来たことが最大の要因である。各地で開かれた「視聴者と経営委員が語る会」で籾井氏の言動に手厳しい批判が相次いだことも、経営委員会の任命責任の重さを自覚させる大きな力になったのは間違いない。
 と同時に、各地の市民団体が3年近くにわたって続けた罷免要求の署名運動が8万筆を超えたこと、さらに、籾井氏の任期切れ半年前から、21の市民団体が共同で取り組んだ籾井氏不再任の要求署名が4か月足らずで3万5千筆を超えたことも、籾井会長の退場を促すダメ押しの力となった。

 当会は会長就任会見で籾井氏が「政府が右と言う時、左と言うわけにはいかない」などと発言したことを重大視し、2014年5月1日から、籾井会長の辞任を求めて半年間の受信料凍結運動を呼びかけた。残念ながら、それから半年が経過した10月末日に至っても籾井氏は会長職にとどまった。そこで、当会としては当初の呼びかけ通り、その時点で受信料凍結運動の解除をやむなきことと判断し、11月17日付でその旨の見解を発表した。
 ただし、当時、籾井氏が会長職にとどまり、NHKの国策報道化が顕著になっていたことから、会員が自らの意思で受信料の凍結を続けるなら、その意思を尊重するという判断も明らかにした。
 今回、会長職への不再任という形ではあるが、籾井氏の退場が確定したことで、受信料凍結運動の所期の目的は達成された。そこで、当会は、会員ならびに当会の呼びかけに応えて受信料凍結運動を続けて来られた方々に凍結の解除、受信料の支払い再開を呼びかける。

上田新体制のNHKに対する当会の基本的立場
 次期会長に上田良一氏が選任されたことについて、「4代続けて財界出身の会長」、「経営委員から会長を選ぶのは異常」といった指摘がある。確かに、財界人の出身母体に由来する利害と公共放送のトップに求められる使命には無視できない利益相反がある。これまで経営委員として同僚だった上田氏と経営委員会が緊張関係を保ちながら各々の職務に専念するかどうかも注視しなければならない。他方、上田氏は今年の5月に函館市で開かれた視聴者と語る会で、

「受信料は、契約を締結する義務は法律で定められていますが、支払い義務は負っていません。支払いを義務化するということは、『支払いの義務を負わせて、支払わない人に対して罰則を設ける』ということであり、国の力で受信料を徴収するということになりますので、国の影響が及んでくるという懸念があります。」
「放送、ジャーナリズムが国家権力に追随するような形というのは、必ずしも望ましい形ではありません。」

と発言したことは注目に値する(NHKホームページ・「『視聴者のみなさまと語る会』in函館」より)。当会は、上田次期会長が今後、こうしたジャーナリズム精神を貫いて職務にまい進するのかどうか、注意深く見守り、是々非々の立場で新執行部と向き合っていく。

 その際、重要なのは会長が交代したことによって、NHKの「政府広報」体質が改まるのかどうかである。当会は従来から、NHKの政府広報化、国策放送化は会長の資質に還元して済む問題ではなく、政治部による報道番組のコントロール、番組制作現場の職員のジャーナリズム精神の劣化といった要因によるところが大きいと考えてきた。「会長が籾井氏だから、どうにもならない」といった言い訳が通らなくなったこれからが、NHK職員の矜持と力量が問われる時だと言っても過言ではない。

 目下、日本では数の力に頼んだ愚劣な政治が横行し、憲法「改正」、海外での武力行使、沖縄での米軍の基地機能の拡大強化、本土へのオスプレイ配備、原発再稼働、世代を超えた貧困の深刻化など、悪政の犠牲が広がっている。
 このような悪政を国民の意思で一掃するには、多くの国民が「事実を知ること」、「参政に当たって十分な判断材料を持つこと」が不可欠であり、そのためにメディア、とりわけNHKが担うべき役割は非常に大きい。
 当会は今後も、予断をまじえず、NHKの番組をウオッチし、良質の報道・ドキュメンタリィ番組、豊かな文化と教養を育む番組には激励を送り、国策を援護したり、視聴者の知る権利に背いたりするような番組には厳しく批判を続けていく。また、NHKの番組に対し、政治権力の介入や圧力があった場合は報道の自由を守るために毅然と抗議していく。

 当会はNHKの報道の自由を守り、NHKのガバナンス改革を進めていくうえで経営委員会が果たす役割が大きいことを踏まえ、経営委員の選考過程の透明化、選任基準の明確化を求めると同時に、他の市民団体と共同して公募・推薦制を含む経営委員の選考制度の抜本改革を目指す運動に取り組んでいく。
 と同時に、さしあたっては、経営委員会の会議の公開(傍聴)、「視聴者と語る会」の充実(回数を増やすこと、語る会の模様をNHKの番組として放送することなど)を要望していく。
                                                                                      以上

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